12 / 13
1章
11話
しおりを挟む
「アヤカシ者にはいくつか種類がいるんだ。まずは、一般的に妖怪といわれるようなやつら、鬼とか、さっきのちびっこい奴ら。これが百鬼系って言われてる。」
図解をするためにそこらへんにある木の棒を使って地面をがりがりと削って絵をかいていく。子供とかかわることが多かったからか、その絵は男子高校生が描く絵にしてはずいぶんとかわいらしい。
それに夜安はほんの少し驚きながらも灯我の説明を聞いていく。
「次に、前に君が遭遇してた人体モデル。あれは学校の怪談とかの噂からできてるから、その名の通り都市伝説系って呼んでる。」
「都市伝説系…あ、口裂け女とかも入るんだ。」
かわいらしい鬼や、提灯お化けの横に、花子さんや口裂け女と思われるマスクをした女が書き足される。なんだかかわいいそのイラストによって、妙に緊張感が抜けるが、灯我はそれに気づいていないのか、説明を続けていく。
次に書き足されたのは天使や兎、屈強な鬼や火車だった。
「で、昨日君があったのは地獄に棲んでる火車。これは所謂天国や地獄に居る異界系に所属するんだよね。神の使いだったり、日本書紀に出てくる因幡兎とかは天国、獄卒だったり火車は地獄に棲んでる。」
「この鬼はこっちの鬼と何が違うの?」
「いい質問だね。正式には出自が全然違うんだ。」
そういって灯我は百鬼系のほうに山姥や牛鬼などを書き足し、地獄者のほうには幽霊を描き、獄卒と矢印でつなげる。
「百鬼のアヤカシ者は昔からそういう種族なんだ。鬼っていうカテゴリに入る山姥や牛鬼みたいなね。でも、獄卒は違う。もとは幽霊で、地獄にやってきた亡者たちなんだ。その中から獄卒を選んで役職として与えるんだ。」
百鬼のほうには種族、異界のほうには役職とか聞く加えて、夜安は同じ鬼でもこんな違いがあったのかと、思わず感嘆の声を上げる。同時に、自分の説明に少しの不安を感じていた灯我も問題なく伝わっていることに安どのため息を吐き出した。
「そして最後が、呪物と呼ばれるもの。これは完全な物なんだ。」
「もの?」
「そ。例えば、メリーさんの人形があったとする。それが力を持って呪を発する。それが噂となってメリーさんの電話という都市伝説に進化した場合。」
灯我は淡々とメリーさんの人形を二つ描く。一つにはオーラのようなものをまとわせて、一つは電話を持たせる。
「その場合、この都市伝説はそのまま都市伝説系のアヤカシ者になる。で、問題はこっち、本体。厄介なことに、都市伝説としてのメリーさんの電話にも力があるんだけど、こっちの本体にも力が宿ってる。」
「それが、呪物…?」
「そう。呪を宿した物体。メリーさん人形とか、お菊さん人形とか、あとなんだ…アナベル人形とか?」
その説明に、ふと違和感を夜安が持つ。
「呪物って、人形しかないの?」
「え…?あー、形として、呪を持ちやすいんだよ。藁人形とかも入ってくるし、人型って、呪を入れる器としてちょうどいいんだよ。もちろん、それ以外の呪物もあるよ。妖刀とかも呪物だし。」
夜安はなるほど、とうなづく。今までかかわってきたアヤカシ者にそういった分類があることを知らなかった夜安は、それを専門としている灯我から教わることを忘れないようにと聞き入っていた。
「でも、なんでそんなに分類してるの?混乱しない?」
「する。すごいする。でも、分類しないと、対処が違うから間違った対応する可能性があるんだ。」
図解をするためにそこらへんにある木の棒を使って地面をがりがりと削って絵をかいていく。子供とかかわることが多かったからか、その絵は男子高校生が描く絵にしてはずいぶんとかわいらしい。
それに夜安はほんの少し驚きながらも灯我の説明を聞いていく。
「次に、前に君が遭遇してた人体モデル。あれは学校の怪談とかの噂からできてるから、その名の通り都市伝説系って呼んでる。」
「都市伝説系…あ、口裂け女とかも入るんだ。」
かわいらしい鬼や、提灯お化けの横に、花子さんや口裂け女と思われるマスクをした女が書き足される。なんだかかわいいそのイラストによって、妙に緊張感が抜けるが、灯我はそれに気づいていないのか、説明を続けていく。
次に書き足されたのは天使や兎、屈強な鬼や火車だった。
「で、昨日君があったのは地獄に棲んでる火車。これは所謂天国や地獄に居る異界系に所属するんだよね。神の使いだったり、日本書紀に出てくる因幡兎とかは天国、獄卒だったり火車は地獄に棲んでる。」
「この鬼はこっちの鬼と何が違うの?」
「いい質問だね。正式には出自が全然違うんだ。」
そういって灯我は百鬼系のほうに山姥や牛鬼などを書き足し、地獄者のほうには幽霊を描き、獄卒と矢印でつなげる。
「百鬼のアヤカシ者は昔からそういう種族なんだ。鬼っていうカテゴリに入る山姥や牛鬼みたいなね。でも、獄卒は違う。もとは幽霊で、地獄にやってきた亡者たちなんだ。その中から獄卒を選んで役職として与えるんだ。」
百鬼のほうには種族、異界のほうには役職とか聞く加えて、夜安は同じ鬼でもこんな違いがあったのかと、思わず感嘆の声を上げる。同時に、自分の説明に少しの不安を感じていた灯我も問題なく伝わっていることに安どのため息を吐き出した。
「そして最後が、呪物と呼ばれるもの。これは完全な物なんだ。」
「もの?」
「そ。例えば、メリーさんの人形があったとする。それが力を持って呪を発する。それが噂となってメリーさんの電話という都市伝説に進化した場合。」
灯我は淡々とメリーさんの人形を二つ描く。一つにはオーラのようなものをまとわせて、一つは電話を持たせる。
「その場合、この都市伝説はそのまま都市伝説系のアヤカシ者になる。で、問題はこっち、本体。厄介なことに、都市伝説としてのメリーさんの電話にも力があるんだけど、こっちの本体にも力が宿ってる。」
「それが、呪物…?」
「そう。呪を宿した物体。メリーさん人形とか、お菊さん人形とか、あとなんだ…アナベル人形とか?」
その説明に、ふと違和感を夜安が持つ。
「呪物って、人形しかないの?」
「え…?あー、形として、呪を持ちやすいんだよ。藁人形とかも入ってくるし、人型って、呪を入れる器としてちょうどいいんだよ。もちろん、それ以外の呪物もあるよ。妖刀とかも呪物だし。」
夜安はなるほど、とうなづく。今までかかわってきたアヤカシ者にそういった分類があることを知らなかった夜安は、それを専門としている灯我から教わることを忘れないようにと聞き入っていた。
「でも、なんでそんなに分類してるの?混乱しない?」
「する。すごいする。でも、分類しないと、対処が違うから間違った対応する可能性があるんだ。」
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
裏アカ男子
やまいし
ファンタジー
ここは男女の貞操観念が逆転、そして人類すべてが美形になった世界。
転生した主人公にとってこの世界の女性は誰でも美少女、そして女性は元の世界の男性のように性欲が強いと気付く。
そこで彼は都合の良い(体の)関係を求めて裏アカを使用することにした。
―—これはそんな彼祐樹が好き勝手に生きる物語。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
チート薬学で成り上がり! 伯爵家から放逐されたけど優しい子爵家の養子になりました!
芽狐
ファンタジー
⭐️チート薬学3巻発売中⭐️
ブラック企業勤めの37歳の高橋 渉(わたる)は、過労で倒れ会社をクビになる。
嫌なことを忘れようと、異世界のアニメを見ていて、ふと「異世界に行きたい」と口に出したことが、始まりで女神によって死にかけている体に転生させられる!
転生先は、スキルないも魔法も使えないアレクを家族は他人のように扱い、使用人すらも見下した態度で接する伯爵家だった。
新しく生まれ変わったアレク(渉)は、この最悪な現状をどう打破して幸せになっていくのか??
更新予定:なるべく毎日19時にアップします! アップされなければ、多忙とお考え下さい!
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
男女比:1:450のおかしな世界で陽キャになることを夢見る
卯ノ花
恋愛
妙なことから男女比がおかしな世界に転生した主人公が、元いた世界でやりたかったことをやるお話。
〔お知らせ〕
※この作品は、毎日更新です。
※1 〜 3話まで初回投稿。次回から7時10分から更新
※お気に入り登録してくれたら励みになりますのでよろしくお願いします。
ただいま作成中
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる