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第13話 契約1

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「「えええぇぇぇぇぇド、ドラゴン!?」」

ハモった?

死語か?いや、そんなことはどうでもいい。



卵から出てきた生物は

眩しいのか目をこすっている。

座った状態で20cm程の大きさで

太い尻尾と頭上には2本の角がある

見たことはないが目の前にいる種族はドラゴンだと直感で感じた。

何よりバルシュも

この世界には下位のワイバーンやアースドラゴンはいるが、

本物のドラゴンはおとぎ話や伝説上の生き物であり見たことがあると言う者は変人扱いされる。

UMAやUFOの存在に近い。



「グルグル・・・」

ドラゴンは鳴いた。



その後、ゆっくりと起き上がり

なかまに  なりたそうに  こっちをみている



そうだ 契約だ

このドラゴンはゴロウで間違いない。

そう感覚でわかった。



やっと出会えたのだ。早く契約をしてゴロウに

お礼を言いたいんだ。



契約に関してはいくつかの方法がある。

オレはそのうちの一つである従魔契約の準備を始めた。

従魔というと命令に従わせるイメージがあるが、

実際は魔力で対象の魔獣と繋がり、

魔力を供給することで魔獣についてきてもらう契約なのだ。

その為、魔力が低すぎると契約した魔獣に供給できる魔力が

尽きてしまい契約を魔獣側から解約される場合もある。

また、無理な命令をして魔獣側が契約に適していないと感じればいつでも解約をできる。

割と魔獣ファーストな契約なのだ。



だからオレはこの契約方法を今回選んだ。

歩けるようになる前から魔力量を増やしていた為、

魔力切れの不安も少ない。

また、ゴロウがオレと居たくないと思うなら

無理強いはしたくない。寂しいけど・・・



事前に用意していた特殊な羊皮紙に書かれた契約書に

血を一滴落とし契約内容を唱える

「我 ダイ トランザイル が契約を希望する―」

長い契約内容を唱え終えると

ドラゴンは俺の持っている契約書に近寄り手をかざした。

すると、契約書にはドンッと赤い文字で「契約締結」と判が押された。

その判と共に魔力がごっそりなくなり

思わず膝をついた。

心配そうに見ていたバルシュがすぐに近寄り

「大丈夫か?無理するな横になっておけ」

そういうと自分のこいていたローブを地面に引き

俺を寝かせてくれた。

「ちょっと立ち眩みがしただけだから大丈夫だよ」

俺がバルシュにそういうと。

「私も初めて契約をしたときは魔力が減りすぎて

立てなくなった所を父様におぶって帰ってもらったのだ。だから恥ずかしいことでない。」

そうなのか・・・今や不死鳥を従魔にする程のテイマーも初日はおんぶされていたのか。

そう思うと少し安心した。

そうしているとドラゴンが心配そうな顔でこっちを見ている。

「大丈夫だよゴロウ。すぐに起きられるから。」



(大丈夫?魔力をもらいすぎちゃったかな・・・)



「ん?」

今しゃべった?
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