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第7話 啓示 1
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朝食を全員で済ませ教会へと向かう。
教会へは両親と執事のセバスチャンとの4人で馬車を使って向かう。
セバスチャンは父が生まれた時からトランザイル家で仕えているベテラン執事だ。
執事の資質として空間魔法を得意にしている。
見た目は白髪のオールバックと口髭に丸い眼鏡をかけて
みんなの思い浮かべる執事そのものを具現化したような人だ。
家を出てからおよそ1時間
街を抜けてすぐの小高い丘の上にある石造りの建物へと着いた。
この街の中では割と大きくシンボル的な建造物だ。
丘からはトランザイル領を一望できる絶景のスポットだ。
初めてくるこの場所に少し興奮しながらも、両親に置いて行かれぬよう急いで後をついていく。
建物の中は石造りの壁の為か空気が少し冷えているように感じた。
しかし、奥にある祭壇に目をやると
窓からの光が差し込みまるで一枚の絵画のような美しい空間が広がっており
思わず息をするのを忘れてしまうほどだった。
「美しいでしょう。」
感動しすぎて気がつかなかったが背の高いローブ姿の男性がオレの隣へと並んでいた。
「司祭様。本日は息子のダイをよろしくお願いいたします。」
「はい領主様。ダイ様が啓示をいただけるようお手伝いをさせて頂きます。
それではダイ様こちらに」
「はい」と返事をして祭壇の前にひざを付く。
司祭はオレの前に立ち
「私は神とダイ様を繋ぐお手伝いをさせていただくだけなので
大したことはできませんが。良きお言葉いただけるよう願っております。」
そう笑顔で言うと司祭はオレの肩に手を置き呪文の様なを唱え始める。
しばらくして「ダイ様 目を閉じてみてください。神を感じることができるでしょう。」司祭はオレにそう言うと肩から手を離す。
言われた通りにオレは目を閉じる。
すると、すぐに眩しいくらいに白い空間へと移動したのだ。
ここは知っている。以前にもこの場所に来たことがある。
そう。ここは前世からこの世界に転生する前に来た場所にそっくりだったのだ。
そこに突然、脳内に直接話しかけられる
((川口 大河様 お久しぶりです。いや、今はダイ・トランザイル様とお呼びした方が良いですね。))
「やっぱりそうか!貴方は神様だったのですね。」
((神、そうですね。あなた方人間族の方々からはそう呼ばれる事が多いです。))
((それよりもダイ様、5年間この世界で過ごしてみていかがでした?))
「うん。新しい家族はみんな優しくて尊敬してる。これからは魔法や政治の勉強をしてトランザイル家のみんなに恩返しをして行きたい。」
((そうですね、ダイ様はこれまでの5年間で魔力量の鍛錬を行っていましたので、今の貴方は魔力量だけを見れば人間族の中で5本の指に入るだけの力があります。
その為、これから魔法を学ぶ際にちょっとしたミスで人死が出るような重大な事故に繋がる可能性があります。
これは、非常に稀なケースである為特別な措置として貴方には神の加護を付与します。
これで魔力操作に関して人が死ぬような事故につながることはないでしょう。))
「オレってそんなにヤバい人間だったの?
危うく無意識に人を殺してしまう悲しきモンスターになってしまう可能性があったのか。神様ありがとうございます。」
((はい。今日まで魔法を使わせなかった周りの人々にも感謝してくださいね。))
「はい。あの時魔法を教えるのを断ってくれたエリー感謝します。」
((ちなみに、エリー様は甘いものがお好きですよ。))
「神様はそんな事までわかるんですか?」
((はい。大体のことはわかりますね。))
その後もこれまでオレが無意識にしてしまっていた危険な事や、
前世が今どうなっているかの話を神様はしてくれた。
教会へは両親と執事のセバスチャンとの4人で馬車を使って向かう。
セバスチャンは父が生まれた時からトランザイル家で仕えているベテラン執事だ。
執事の資質として空間魔法を得意にしている。
見た目は白髪のオールバックと口髭に丸い眼鏡をかけて
みんなの思い浮かべる執事そのものを具現化したような人だ。
家を出てからおよそ1時間
街を抜けてすぐの小高い丘の上にある石造りの建物へと着いた。
この街の中では割と大きくシンボル的な建造物だ。
丘からはトランザイル領を一望できる絶景のスポットだ。
初めてくるこの場所に少し興奮しながらも、両親に置いて行かれぬよう急いで後をついていく。
建物の中は石造りの壁の為か空気が少し冷えているように感じた。
しかし、奥にある祭壇に目をやると
窓からの光が差し込みまるで一枚の絵画のような美しい空間が広がっており
思わず息をするのを忘れてしまうほどだった。
「美しいでしょう。」
感動しすぎて気がつかなかったが背の高いローブ姿の男性がオレの隣へと並んでいた。
「司祭様。本日は息子のダイをよろしくお願いいたします。」
「はい領主様。ダイ様が啓示をいただけるようお手伝いをさせて頂きます。
それではダイ様こちらに」
「はい」と返事をして祭壇の前にひざを付く。
司祭はオレの前に立ち
「私は神とダイ様を繋ぐお手伝いをさせていただくだけなので
大したことはできませんが。良きお言葉いただけるよう願っております。」
そう笑顔で言うと司祭はオレの肩に手を置き呪文の様なを唱え始める。
しばらくして「ダイ様 目を閉じてみてください。神を感じることができるでしょう。」司祭はオレにそう言うと肩から手を離す。
言われた通りにオレは目を閉じる。
すると、すぐに眩しいくらいに白い空間へと移動したのだ。
ここは知っている。以前にもこの場所に来たことがある。
そう。ここは前世からこの世界に転生する前に来た場所にそっくりだったのだ。
そこに突然、脳内に直接話しかけられる
((川口 大河様 お久しぶりです。いや、今はダイ・トランザイル様とお呼びした方が良いですね。))
「やっぱりそうか!貴方は神様だったのですね。」
((神、そうですね。あなた方人間族の方々からはそう呼ばれる事が多いです。))
((それよりもダイ様、5年間この世界で過ごしてみていかがでした?))
「うん。新しい家族はみんな優しくて尊敬してる。これからは魔法や政治の勉強をしてトランザイル家のみんなに恩返しをして行きたい。」
((そうですね、ダイ様はこれまでの5年間で魔力量の鍛錬を行っていましたので、今の貴方は魔力量だけを見れば人間族の中で5本の指に入るだけの力があります。
その為、これから魔法を学ぶ際にちょっとしたミスで人死が出るような重大な事故に繋がる可能性があります。
これは、非常に稀なケースである為特別な措置として貴方には神の加護を付与します。
これで魔力操作に関して人が死ぬような事故につながることはないでしょう。))
「オレってそんなにヤバい人間だったの?
危うく無意識に人を殺してしまう悲しきモンスターになってしまう可能性があったのか。神様ありがとうございます。」
((はい。今日まで魔法を使わせなかった周りの人々にも感謝してくださいね。))
「はい。あの時魔法を教えるのを断ってくれたエリー感謝します。」
((ちなみに、エリー様は甘いものがお好きですよ。))
「神様はそんな事までわかるんですか?」
((はい。大体のことはわかりますね。))
その後もこれまでオレが無意識にしてしまっていた危険な事や、
前世が今どうなっているかの話を神様はしてくれた。
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