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15 マリエル先生のハグレ講座(第三回)
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ファーは宿の前で、これから建物の所有者と話していきますと、言って別れた。
僕とマリエル、ミントが宿に入る。
夕食が近いので、結構な人数が戻ってきていた。
「隊長ーおかえ……り」
ちーちゃんこと、チナが元気よく挨拶をして途中で止まる。
目線は僕の篭手に注目しているからだ。
「あー、これよね」
マリエルは僕の腕を掴むと、皆に見えるように手を上げた。
「まー色々あって、怪我してたってのは私が彼に吐かせた嘘。
責任は全部私って事で、晩御飯の時にでも説明するわ。
ええっと。
いたいたコーネリア、悪いけど後でヴェルの部屋に来てもらえる?」
マリエルに名前を呼ばれると、僕と同じぐらいの少女が椅子から立ち上がった。
「は、はいっ!」
長い髪は頭の後ろで一つにまとめている。
緊張した顔でマリエルの前に走ってきた。
「別に直ぐにじゃなくてもいいのに……」
「す、すみませんっ!」
「いや、怒ってるわけじゃなくて。
ま、一緒について来て。
ミントはお疲れ様、夕食まで適当に」
「わかったなのだ」
ミントと別れ、コーネリアを加えた僕達は、僕にあてがわれた部屋へと入った。
マリエルは、僕をベッドに座らせると自身も横に座る。
コーネリアは立ったままだ。
「じゃ、ヴェル服を脱いでっ」
「は?」
「えっ!」
狭い部屋で男一人に、女二人、突然服を脱げと言われても、困る。
マリエルは当然の顔をしているし、コーネリアは息を飲んだ。
「わ、わかりました。
脱ぎます!」
コーネリアが宣言すると、上半身の服を脱ごうとする。
ヘソの部分が見えてきた。
「まったまった、なんでコーネリアが脱ぎ始めるのよ」
コーネリアの動作が止まる。
少しだけ涙目になってマリエルを見た。
小さい声で話し出す。
「よくわかりませんが、その、ヴェルさんのお相手をしろって事ですよね」
「相手って?」
僕もちょっとだけ、それは過ぎった。
でも、違うだろうなとは思っている。
マリエルも意味がわかったのだろう、慌てて否定する。
「ああっ!
いやいやいや、違う。
違うから、コーネリアにはヴェルの体を見て欲しいのよ」
「で、ですから。
体ですよね、マリエル隊長の命令でしたら」
完全に話がすれ違っているのがわかった。
僕はマリエルの肩にそっと手を置く。
「マリエル、まず、僕が裸になる理由を先に言ってほしい」
「ふえ? あー、そうよね」
マリエルが真面目な声で、コーネリアに話しかけた。
「ヴェルは襲撃を受けたのよ。
胸を貫通する傷があったんだけど、その確認をしてほしいの。
で、コーネリアは医術の心得も少しあって」
「なるほど」
それだったら納得する、僕は着ていた服を脱ぐ。
マリエルも、コーネリアも僕の上半身を見て何も言わない。
「あの、黙られると、いくら僕でも恥ずかしくなるんだけど」
「え、あ、ごめん」
「ごめんなさいっ!
では、失礼します」
コーネリアの手が僕の胸を触る。
心音を聞いているのだろう。
僕の横から、マリエルが口を出す。
「コーネリアは、他の人よりこういうのが得意なのよ」
「そ、そんなに褒められてもっ。
得意ってわけじゃ……。
では手を上げてください」
それから、手を上げたり、痛い所を聞かれたりと質問される。
正直に答え、全てが終わると、ほっと息をはいたのが見えた。
「嘘とは思えないんですけど、とても穴が開いたような感じはないです。
聖騎士といえど、命に関わる傷であればもう少し濁った音が出るはずなんですけど……」
「なるほどね。
フランが襲ってきただけあるわね」
コーネリアが、驚きの声を上げた。
「フランって、あのフランですかっ!」
「そう。そのフランよ」
「良くご無事で……」
「と、いうわけでヴェル、ごめんね。
本当に襲撃が来るとは思わなくてさっ」
全然悪びれてないマリエルに僕は、はい? と、聞き返した。
「その篭手が凄そうなのは感じていたけど、あのハグレは見逃すって言っていたし」
あの男、僕の村を襲った男だ。
僕は実際には聞いていないが、現に見逃されている。
普通なら追っては来ないだろう。
「強さで言えばさっき襲ってきたフランって居るじゃない。
あれよりヴェルが強いと自分で思ってる?」
余裕の笑みで攻撃をしてきた痴女。もといフラン。
ほぼタオルを前から離さず器用に攻撃して来た。
副隊長というミントを軽く手玉にとり、偶然助けに来たファーも簡単にあしらう。
あの時、フランが本気を出せば僕は、いや全員が死んでいたかもしれない。
「無いですね。
アレだけ余裕の攻撃をして、尚且つ簡単に逃走。
ぱっとみ様子見でしょうか」
「ヴェル、凄いじゃない。
軍師になれるよ」
嬉しそうに喋るマリエルを横目に、ため息を我慢する。
コーネリアが、マリエルの意見に賛同して拍手をしていた。
こんなんで軍師になったら軍師が可哀想だし、ファーが怒るだろう。
「そうなのよ。
強い人だけを探すなら別にヴェルじゃなくていいのよね。
他のハグレを探す、力を持った人間を勧誘する。
ぶっちゃけていえば……コーネリアでもいいわけだし」
確かに一度見逃した相手に執着するには理由があるだろう。
それも態々聖騎士に囲まれた僕を襲ってくるとなると、理由は黒篭手しかない。
コーネリアは、マリエルに褒められて顔を赤くしている。
「わ、わたしですかっ!」
「そ、あなたも聖騎士の一人で十分強いわよ」
「ありがとうございますっ」
マリエルの言うハグレ。
前にも聞いたが、聖騎士の力をもち、王宮の考えに付いて行かなかった集団。
「ハグレ……」
「フランは、数年前に行方不明になった王国公認のハグレよ」
「あの、公認も非公認もわからないんだけど」
僕に向き直るマリエル。
「はーい、マリエル先生の聖騎士講座ー、第三回。
ハグレについてー」
第一回と第二回は何処に言ったかと聞こうとしてやめた。
どうせたいした理由ではないだろう。
「拍手は?」
「はい?」
「だから、拍手っ」
コーネリアが、うるさいぐらいに拍手をする。
部屋の中でパンパンパンパンと音が鳴り響いた。
「ヴェルは?」
はぁ……、しないとだめか。
僕も一応拍手をした。
適当に手を叩く音が部屋に鳴り響く。
「うーん、嬉しそうじゃないけどまぁいいわ。
コーネリアは復習のつもりで」
「はいっ!」
気分を良くしたマリエルはハグレについて説明してくれるらしい。
「以前にも言ったけど、聖騎士もしくは聖騎士崩れと呼ばれる王国の人間が管轄を外れると公認ハグレとなります。
非公認というのは、聖騎士並の力を持った、王国が知らない人間
公認というのは、王国が存在を認めていた人間」
明るかった声が、段々暗くなっていく。
「どこから来るでしょうね」
「さすがヴェル、いい質問ね。
そう、例えば帝国フォルダンからの刺客とか――」
「隊長っ!」
コーネリアが大きな声で話をさえぎる。
「大声を出さない、わかってるわよ。
たとえ話、でも、ファーがうるさいから他の場所で言ったらだめよ」
世界には数々の国がある。
その中でも王国マミレシアは大きな国の部類に入るらしい。
その国と対になるようにある国。
隣国であり帝国フォルダン。
「でも、王国とは……」
王国とは友好条約が結ばれている。
元は一つの国であったらしい。
何で別れたかは僕はしらない、ただ別れているという事だけが事実である。
姉妹国でったフォルダンは、王国とは名乗らず差別化なのか帝国と名乗っている。
「そう、友好を築いてる。
でもならなぜ私達聖騎士が存在し、国を見守るのかしら」
元々この付近での国家間の戦争は数百年起きては居ない。
とは言え、小さなイザゴザは起きる。
聖騎士は治安と共に国境付近などで、変な人間が入ってこないように回っていると、聞いた事がある。
帝国フォルダンでも、聖騎士に対抗する部隊はあるらしいが、僕は詳しくしらない。
「ヴェル、貴方の居た村にだって、帝国の行商人が来たりしなかった?」
まったく来ない、そうは断言できない。
年に数回は他の国からの商人が立ち寄ったりもした。
よく村長が家に招き珍しい物を買ってはフローレンスお嬢様に手渡していた。
それ以外にも最近では、新しい種もみなども買い付けては村人に分け与えたりもしていた。
王国にとって報告するべき義務であるのだ。
僕が無言で居ると、マリエルは微笑みを向けてくれた。
「あんまり嘘付けないのね。
まぁ、どこの町でもある事だし。
一々注意もしないけどね。
ハグレに関してはこんなものかしら」
「ありがとうございます、少しわかったようなきがします」
「さて、お腹も減ったし二人とも下で夕食を頂きましょう」
マリエルとコーネリアが部屋から出て行った。
最後に僕が部屋からでる。
二人の背中を見ながら僕は思う。
仮に僕が、あの時にフランについて行ったら。
やはり、僕を殺すのだろうか?。
僕とマリエル、ミントが宿に入る。
夕食が近いので、結構な人数が戻ってきていた。
「隊長ーおかえ……り」
ちーちゃんこと、チナが元気よく挨拶をして途中で止まる。
目線は僕の篭手に注目しているからだ。
「あー、これよね」
マリエルは僕の腕を掴むと、皆に見えるように手を上げた。
「まー色々あって、怪我してたってのは私が彼に吐かせた嘘。
責任は全部私って事で、晩御飯の時にでも説明するわ。
ええっと。
いたいたコーネリア、悪いけど後でヴェルの部屋に来てもらえる?」
マリエルに名前を呼ばれると、僕と同じぐらいの少女が椅子から立ち上がった。
「は、はいっ!」
長い髪は頭の後ろで一つにまとめている。
緊張した顔でマリエルの前に走ってきた。
「別に直ぐにじゃなくてもいいのに……」
「す、すみませんっ!」
「いや、怒ってるわけじゃなくて。
ま、一緒について来て。
ミントはお疲れ様、夕食まで適当に」
「わかったなのだ」
ミントと別れ、コーネリアを加えた僕達は、僕にあてがわれた部屋へと入った。
マリエルは、僕をベッドに座らせると自身も横に座る。
コーネリアは立ったままだ。
「じゃ、ヴェル服を脱いでっ」
「は?」
「えっ!」
狭い部屋で男一人に、女二人、突然服を脱げと言われても、困る。
マリエルは当然の顔をしているし、コーネリアは息を飲んだ。
「わ、わかりました。
脱ぎます!」
コーネリアが宣言すると、上半身の服を脱ごうとする。
ヘソの部分が見えてきた。
「まったまった、なんでコーネリアが脱ぎ始めるのよ」
コーネリアの動作が止まる。
少しだけ涙目になってマリエルを見た。
小さい声で話し出す。
「よくわかりませんが、その、ヴェルさんのお相手をしろって事ですよね」
「相手って?」
僕もちょっとだけ、それは過ぎった。
でも、違うだろうなとは思っている。
マリエルも意味がわかったのだろう、慌てて否定する。
「ああっ!
いやいやいや、違う。
違うから、コーネリアにはヴェルの体を見て欲しいのよ」
「で、ですから。
体ですよね、マリエル隊長の命令でしたら」
完全に話がすれ違っているのがわかった。
僕はマリエルの肩にそっと手を置く。
「マリエル、まず、僕が裸になる理由を先に言ってほしい」
「ふえ? あー、そうよね」
マリエルが真面目な声で、コーネリアに話しかけた。
「ヴェルは襲撃を受けたのよ。
胸を貫通する傷があったんだけど、その確認をしてほしいの。
で、コーネリアは医術の心得も少しあって」
「なるほど」
それだったら納得する、僕は着ていた服を脱ぐ。
マリエルも、コーネリアも僕の上半身を見て何も言わない。
「あの、黙られると、いくら僕でも恥ずかしくなるんだけど」
「え、あ、ごめん」
「ごめんなさいっ!
では、失礼します」
コーネリアの手が僕の胸を触る。
心音を聞いているのだろう。
僕の横から、マリエルが口を出す。
「コーネリアは、他の人よりこういうのが得意なのよ」
「そ、そんなに褒められてもっ。
得意ってわけじゃ……。
では手を上げてください」
それから、手を上げたり、痛い所を聞かれたりと質問される。
正直に答え、全てが終わると、ほっと息をはいたのが見えた。
「嘘とは思えないんですけど、とても穴が開いたような感じはないです。
聖騎士といえど、命に関わる傷であればもう少し濁った音が出るはずなんですけど……」
「なるほどね。
フランが襲ってきただけあるわね」
コーネリアが、驚きの声を上げた。
「フランって、あのフランですかっ!」
「そう。そのフランよ」
「良くご無事で……」
「と、いうわけでヴェル、ごめんね。
本当に襲撃が来るとは思わなくてさっ」
全然悪びれてないマリエルに僕は、はい? と、聞き返した。
「その篭手が凄そうなのは感じていたけど、あのハグレは見逃すって言っていたし」
あの男、僕の村を襲った男だ。
僕は実際には聞いていないが、現に見逃されている。
普通なら追っては来ないだろう。
「強さで言えばさっき襲ってきたフランって居るじゃない。
あれよりヴェルが強いと自分で思ってる?」
余裕の笑みで攻撃をしてきた痴女。もといフラン。
ほぼタオルを前から離さず器用に攻撃して来た。
副隊長というミントを軽く手玉にとり、偶然助けに来たファーも簡単にあしらう。
あの時、フランが本気を出せば僕は、いや全員が死んでいたかもしれない。
「無いですね。
アレだけ余裕の攻撃をして、尚且つ簡単に逃走。
ぱっとみ様子見でしょうか」
「ヴェル、凄いじゃない。
軍師になれるよ」
嬉しそうに喋るマリエルを横目に、ため息を我慢する。
コーネリアが、マリエルの意見に賛同して拍手をしていた。
こんなんで軍師になったら軍師が可哀想だし、ファーが怒るだろう。
「そうなのよ。
強い人だけを探すなら別にヴェルじゃなくていいのよね。
他のハグレを探す、力を持った人間を勧誘する。
ぶっちゃけていえば……コーネリアでもいいわけだし」
確かに一度見逃した相手に執着するには理由があるだろう。
それも態々聖騎士に囲まれた僕を襲ってくるとなると、理由は黒篭手しかない。
コーネリアは、マリエルに褒められて顔を赤くしている。
「わ、わたしですかっ!」
「そ、あなたも聖騎士の一人で十分強いわよ」
「ありがとうございますっ」
マリエルの言うハグレ。
前にも聞いたが、聖騎士の力をもち、王宮の考えに付いて行かなかった集団。
「ハグレ……」
「フランは、数年前に行方不明になった王国公認のハグレよ」
「あの、公認も非公認もわからないんだけど」
僕に向き直るマリエル。
「はーい、マリエル先生の聖騎士講座ー、第三回。
ハグレについてー」
第一回と第二回は何処に言ったかと聞こうとしてやめた。
どうせたいした理由ではないだろう。
「拍手は?」
「はい?」
「だから、拍手っ」
コーネリアが、うるさいぐらいに拍手をする。
部屋の中でパンパンパンパンと音が鳴り響いた。
「ヴェルは?」
はぁ……、しないとだめか。
僕も一応拍手をした。
適当に手を叩く音が部屋に鳴り響く。
「うーん、嬉しそうじゃないけどまぁいいわ。
コーネリアは復習のつもりで」
「はいっ!」
気分を良くしたマリエルはハグレについて説明してくれるらしい。
「以前にも言ったけど、聖騎士もしくは聖騎士崩れと呼ばれる王国の人間が管轄を外れると公認ハグレとなります。
非公認というのは、聖騎士並の力を持った、王国が知らない人間
公認というのは、王国が存在を認めていた人間」
明るかった声が、段々暗くなっていく。
「どこから来るでしょうね」
「さすがヴェル、いい質問ね。
そう、例えば帝国フォルダンからの刺客とか――」
「隊長っ!」
コーネリアが大きな声で話をさえぎる。
「大声を出さない、わかってるわよ。
たとえ話、でも、ファーがうるさいから他の場所で言ったらだめよ」
世界には数々の国がある。
その中でも王国マミレシアは大きな国の部類に入るらしい。
その国と対になるようにある国。
隣国であり帝国フォルダン。
「でも、王国とは……」
王国とは友好条約が結ばれている。
元は一つの国であったらしい。
何で別れたかは僕はしらない、ただ別れているという事だけが事実である。
姉妹国でったフォルダンは、王国とは名乗らず差別化なのか帝国と名乗っている。
「そう、友好を築いてる。
でもならなぜ私達聖騎士が存在し、国を見守るのかしら」
元々この付近での国家間の戦争は数百年起きては居ない。
とは言え、小さなイザゴザは起きる。
聖騎士は治安と共に国境付近などで、変な人間が入ってこないように回っていると、聞いた事がある。
帝国フォルダンでも、聖騎士に対抗する部隊はあるらしいが、僕は詳しくしらない。
「ヴェル、貴方の居た村にだって、帝国の行商人が来たりしなかった?」
まったく来ない、そうは断言できない。
年に数回は他の国からの商人が立ち寄ったりもした。
よく村長が家に招き珍しい物を買ってはフローレンスお嬢様に手渡していた。
それ以外にも最近では、新しい種もみなども買い付けては村人に分け与えたりもしていた。
王国にとって報告するべき義務であるのだ。
僕が無言で居ると、マリエルは微笑みを向けてくれた。
「あんまり嘘付けないのね。
まぁ、どこの町でもある事だし。
一々注意もしないけどね。
ハグレに関してはこんなものかしら」
「ありがとうございます、少しわかったようなきがします」
「さて、お腹も減ったし二人とも下で夕食を頂きましょう」
マリエルとコーネリアが部屋から出て行った。
最後に僕が部屋からでる。
二人の背中を見ながら僕は思う。
仮に僕が、あの時にフランについて行ったら。
やはり、僕を殺すのだろうか?。
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