Fragaria

石蜜みかん

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番外編

睦言-2 晴斗

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 あんなことを言われて我慢できるはずもなく、晴斗は寝落ちしそうな晶をその気にさせようと、ちゅ、ちゅと音をたてながらついばむようなキスを繰り返していた。

「……っは、あ……」

 だんだんと息があがってきて、本人の言葉通りの、ぽやぽやとした気持ち良さそうな表情に変わっていく。
 焦らすようにすこし間を置けば、愛らしい舌が晴斗を迎え入れようと顔をのぞかせた。

 その様子は、まるで餌を待つ雛鳥のようで可愛くもあるのだが、それ以上に扇情的で本当に参ってしまう。

「もっと……ちょうだい」

 吐息の隙間で囁かれて、腰の辺りがずくずくと痺れるような感覚に襲われた。

 どうやらこの天然小悪魔は、とことん自分を誘惑してくるつもりらしい。
 しかも無自覚にやっているのだろうから、余計に質が悪い。

「まだ足りないの……欲張りだなぁ」

 よほど眠かったのか、うさぎのように真っ赤になった瞳が、涙をたたえて晶を見つめた。
 熱に浮かされたように焦点の定まらないまなざしが、欲情をちらつかせて煽ってくる。

 わざと音をたてながらやわらかなくちびるを愉しんでいると、不意に晶の身体がびくんと跳ねた。
 そして下腹部に感じる、生温かい感触。

「え、ひょっとして、キスだけでイっちゃった?」

 ちょっとこれは、あまりにもエロティックすぎやしないか。
 
「……らって……いっぱい、するからぁ」

 舌足らずな口調と拗ねたようにくちびるをとがらせた姿は、最強に愛らしくて。

「お前がエロい声でおねだりしてくるから、止まらなくなるんだよ」

「ハルトさんだって……すっごく、えっちな顔するくせに。それ見ると……我慢出来なく、なるんだもん」

 あろうことか、晶はそんな誘い文句を放ち、自ら脚を開いた。
 更に両手を添えると、双丘を割ってみせつけてくる。

「ここに、いれたいんでしょ……?」

 淡い間接照明に照らされたまっしろな肌の奥、淫靡な色彩を浮かび上がらせている部分。
 そこは先程までの情事の痕跡を残したまま、待ち望むように収縮を繰り返していた。

「っあー、どこでそんなの覚えたの!」
 
 その責任の一端は確実に自分にあるはずなのだが、ともかく今はそんな場合じゃない。

 はちきれそうに怒張した自身を入り口にあてがうと、期待にひくつく後孔に勢いよく滑り込ませる。
 ぐちゅ、と濡れた音が耳に届いて、たまらずにそのまま奥まで打ちつけた。

「んっ! あついの、きてる……っ」

 背中をそらせた晶が、ぽろぽろと涙をこぼしながらぎゅっとシーツを握りしめるのが見えた。
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