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1年生編で~す

えぴそ~ど・8

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 今日はちゃんと莉子ちゃんとニコが俳句部に来ました。

 「俳句部へ入部おめでとう。ニコ」

 「温かく迎え入れてくれて、ありがとう瑚暖」
 
 「バウムクルヘン君座って。俳句部はあなたの知っている人しかいらないから自己紹介は不要よ」

 ニコは席に座ると瑚暖の耳元に話しかけてきました。

 「先生は僕の知っている人しかいないって言ったけど、羽良ちゃんの横にいる女子生徒は誰だい」
 
 「姫梨ちゃんだよ。姫梨ちゃん、ニコに自己紹介してあげて~」

 既に短冊に書き込み始めていた姫梨ちゃんでしたが、筆を止めて立ち上がりました。
  
 「あたなが留学生のニコさんですね。自己紹介が遅くなり申し訳ありませんでした。私、藤島姫梨です。留年しているのであなたより一歳ほど年上ですが同級生なので気にしないでください」

 「よろしく・・・姫梨」

 自己紹介が終わると、姫梨ちゃんはすぐに俳句作りに集中し始めた。ニコは莉子ちゃんから短冊と筆を渡され、俳句のルールを教わっています。

 瑚暖もこの間に一句作ることに集中しました。途中、校長先生が静かに入室してきて後ろで静かに見守ってくれています。
 莉子ちゃんはニコに説明するのに必死で気づいていないみたいだね。

 「なかなか難しいね。手本をみんなに見せてもらわないと」

 「じゃあ、みんなバウムクルヘン君に見本を見せてあげましょう」

 最初は羽良ちゃんが見本を見せることになったよ。いつでもどこでも先陣を切ってくれる頼れるエースだよ~。

 「勉強は 誰にも負けん 絶対に」

 羽良ちゃん、ついに俳句の中でも勉強と言い出したよ。

 「決して褒められる内容ではありませんが、仕方がありません」

 厳しい採点に不満を抱いてる羽良ちゃん、莉子ちゃんの背後で鬼のような形相になっているよ。続いて瑚暖が発表だ~。

 「俳句部に ニコが来たので 嬉しいよ」

 頑張って五七五にまとめるのは大変だよ~。

 「あら、歓迎の意味も込めてとても良い一句ですね」

 「瑚暖、なんだか嬉しくて涙が出るよ僕」

 何とか莉子ちゃんに褒められて良かったけど、ニコはなぜ泣いているのかは分かりません。

 瑚暖の番は終わったのでリラックスして姫梨ちゃんの一句を楽しめるよ~。
 姫梨ちゃんはすっと立ち上がり、ものすごく長~い深呼吸をしています。時間にして5分・・・て、長~い。

 「来年も 留年かも 思う日々」

 姫梨ちゃん、まだ半年もたっていないのに留年に怯える日々を過ごしているんだね。一緒に頑張って進級しようね。
 最後の莉子ちゃんは気合い十分です。良いお手本を見せてくれることに期待だー。

 「バーコード いい加減嫌 ストレスに」
 
 「きゃーーーー」

 羽良ちゃんがお腹の底から大きな悲鳴をあげました。さすがにビックリだよ。
 羽良ちゃんは立ち上がると同時にものすごいスピードで莉子ちゃんを連れ去り部室を後にしました。まだ、部室には二人の残像が残ってるよ~。


 ・・・一行に二人は返って来ません。どこかに出かけたのかな、それとも帰ったのかな。
 
 「バウムクルヘン君、君の作品も発表してください」

 校長先生が進行役となってくれたよ~。居てくれて助かったよ~。
 
 「まさか佐々木先生が校長先生のいる前であんなフェアリュクトな一句を作った後だけに緊張はするけど、初めての俳句なので笑わないで欲しい」
 
 「大丈夫、笑わないよ~」

 瑚暖の言葉に同調して姫梨ちゃん、校長先生は優しく頷き、ニコの初めての俳句を聞くことに。

 「ママが好き 離れていても 乳恋し」

 「・・・あ、愛情がたっぷり詰まった良い作品ですね」

 「本当ですか、初めての俳句だったので大好きなママをテーマに作ったんですよ。本当にママのおっぱいが恋しよ」

 ・・・て、ニコ。あんた立派なマザコンやがな。

 後からニコに聞いたことだけど、フェアリュクトは頭がおかしい、気が狂っているとかの意味なんだって。莉子ちゃんは気が狂っているんだね。

 

  

 
 
 
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