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第三話 小さな事からコツコツと
中編
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幸せパワーGETが目的なんだけど、大場くんが不幸だなんて可愛そうだから今すぐ幸せにするため、ついさっきCDショップの入り口で別れたばかりの大場くんを猛追することに。
私ってこんなに足が早かったかしらと思えてしまうほどの足の回転...て、おい既に走るを通り越して足がタイヤになってるー。多くの人々の視線にさらされてめっちゃ恥ずかしいんですけどー。
待って、止まって。大場くんを通り過ぎてるからー。走る暴走女と化した私は土煙を舞い上げながら無駄にショッピングモール内を駆け抜けていたわ。最終的に警備員さんに取り押さえられ、説教を頂いている最中です。
(どうなってんのよ。犯人はあんたでしょ)
(神様は成に早く追いつけるようにアプリを遠隔操作してあげただけなのに)
(やめろ、お節介は。本当に最悪ねあんたは。それから、あんた自分の事を神様って呼ぶのやめなさい)
(な、何ですと。神様なのに神様と名乗ることが出来ないとは何て理不尽な)
「君、ちゃんと聞いているのかい」
変態神とテレパシーのやり取りしていて警備員さんの話をすっかり聞いてなかったわ。適当な返事と頭を何回も下げて今回は許してもらった。
大場くんの家に直接行くしかないようね。明日でもいいけど、一日でも早くあの変態神に出て行ってもらいたいので。
ここが、大場くんの家...。
お世辞にも立派な家とは言えないわね。よくこの家で暮らせるわねって感じのボロボロ家。
・・・本当に住んでるのこれ?
人は生まれ育った環境で人格が形成されると言うわ。大場くんが爽やかで成績優秀なのはこの貧乏生活ならではの温かい家庭環境から影響しているのかもしれないわ...きっと。
取りあえず、呼び鈴をならす...まあ、無いわよね。このボロボロ家にあるはずが無い。
ガンガンって少々強引にドアをノックする。
・・・返事が無い。ドアに耳を当て聞き耳を立てる。
めっちゃアイドルソングが流れている。これはさっき大場くんが買っていったアイドルの曲だ。大音量で聞いているから聞こえてないだけなのね。裏に回り、恐らくいるであろう部屋の窓を叩く。
ピタリと音楽が鳴りやむ。
・・・ガラガラ。
「誰ですか?」
窓は開いたが、カーテン越しで姿を見せてくれない。だけど大場くんの声とは少し違う。
「えっと、誰?」
私が聞いちゃいけないんだろうけど、思わず聞き返してしまった。
「おおばです...」
ですよね、大場家だもの。
「私、大場くんの同級生の札場です。いますか?」
「今、いません」
居ないのにこれ以上長居していては迷惑になるので伝言だけして帰ることにしよう。
「その大場くんに連絡してあげるので『神様のスマホ』を貸して」
やだ、チョット待って。これすごいチャンスじゃない?大場くんの携帯の番号をGET出来るのよ。でも普通は固定電話からかければいいような気がするけど。まあ部屋から出るのが面倒なのかな?
お金に困ってそうだから弟さんか妹さんはまだ携帯電話を持たしてもらっていないのね、私は『神様のスマホ』を手渡そうとした瞬間、頭をハリセンで強烈に叩かれたような衝撃を受けた。
「いたたたー」
(飛鳥よ。『神様のスマホ』を渡すでは無い。そやつは野菜の国の魔族だ)
・・・ふ、野菜の国の魔族て...。
「失礼ですが、お名前は?」
「おおばです...」
ですよね。やっぱり大場くん家の人に失礼じゃない。変態神よついにボケたか?
(取りあえず、アプリ「プロファイリング」を使用するのだー)
面倒な奴だな~。悪いとは思ったけどカーテン越しにいる大場くん家の人に「プロファイリング」を使用した。
・名前は大葉死神と書いて(おおばデス)と読む」
・身長160センチ、体重1キロ、すぐ風に飛ばされるので家に引きこもる癖がある」
・・・本当に野菜の国の魔族なのね。私は外から強引にカーテンに掴まり中へ侵入した。
部屋の隅を見ると大場くんが緑色になって倒れている。私を騙してスマホを奪おうとした大葉死神は名前通り大葉そのものだ。これと言って特徴も無く、大葉に目が付いている程度のひ弱そうな奴ね。これなら問題なく瞬殺できそうだわ。
(油断は禁物じゃぞ。死神だけあって危険度はそれなりにあるはずじゃ)
「大丈夫よ、梅干しと一緒に漬け込んでやるわよ」
大葉死神は大鎌を背後から突然出してきた。・・・それは無いわ~反則、反則反則だわーあんな大鎌にどうやって戦えって言うのよ、っと言うところだったけど私も馬鹿では無い。
『神様のスマホ』を取り出し、大葉死神に向けて攻撃ボタンをポチッとな...。
・・・。もう一度、ポチッとな...。今は夏かしら、頭皮の毛穴という毛穴から汗が溢れ出てくる。熱中症になっちゃうからね、ちょっと涼みに外へ出ることにしよう。
「待つのです。『神様のスマホ』とあなたの命を貰います」
『神様のスマホ』はあげるから、私の命だけはご勘弁を~。大鎌を振り回す大葉死神から私は必死に逃げ続けた。
(飛鳥よ。今、スマホを遠隔操作して助けてるぞ)
スマホを操作する余裕がない私に代わり、変態神の遠隔操作によって足がタイヤになったー。スピードも上がって快適に逃げれるわー。・・・て、よく見ると大葉死神の速度も同じなんですけど。差が広がって無いじゃん。それに背中に大場くんを背負ってるし。
つーか、何で?何で攻撃ボタン押しても攻撃できなかったの?エネルギー切れ?
走りに走り続け、私はショッピングモールに入り込んだ。
ガス欠というやつかしら、明らかにスピードが落ちてきた。私自身も体力に限界を感じ始めていた万事休す...。
(なかなか面倒な奴じゃの~。仕方がないエネルギーを少し充電してやろう。これで攻撃できるはずじゃ)
「そう言う事ならさっさと充電しやがれ、変態神が~」
私は無駄に走らされた事に怒りを感じ、怒りをぶつけるかのように攻撃ボタンをポチッと押した。ビビビビーってな。
私と同じように疲れていたようである大葉死神は避けることなく花火のように無数に破片を飛び散らせながら爆発していった。
背中の負われていた大場くんはその場に倒れ込みました。
私は大場くんの傍に駆け寄ろうとしましたが、警備員さんに連れていかれました。
はい、そうです。私が今日2回も暴走した女です。
私ってこんなに足が早かったかしらと思えてしまうほどの足の回転...て、おい既に走るを通り越して足がタイヤになってるー。多くの人々の視線にさらされてめっちゃ恥ずかしいんですけどー。
待って、止まって。大場くんを通り過ぎてるからー。走る暴走女と化した私は土煙を舞い上げながら無駄にショッピングモール内を駆け抜けていたわ。最終的に警備員さんに取り押さえられ、説教を頂いている最中です。
(どうなってんのよ。犯人はあんたでしょ)
(神様は成に早く追いつけるようにアプリを遠隔操作してあげただけなのに)
(やめろ、お節介は。本当に最悪ねあんたは。それから、あんた自分の事を神様って呼ぶのやめなさい)
(な、何ですと。神様なのに神様と名乗ることが出来ないとは何て理不尽な)
「君、ちゃんと聞いているのかい」
変態神とテレパシーのやり取りしていて警備員さんの話をすっかり聞いてなかったわ。適当な返事と頭を何回も下げて今回は許してもらった。
大場くんの家に直接行くしかないようね。明日でもいいけど、一日でも早くあの変態神に出て行ってもらいたいので。
ここが、大場くんの家...。
お世辞にも立派な家とは言えないわね。よくこの家で暮らせるわねって感じのボロボロ家。
・・・本当に住んでるのこれ?
人は生まれ育った環境で人格が形成されると言うわ。大場くんが爽やかで成績優秀なのはこの貧乏生活ならではの温かい家庭環境から影響しているのかもしれないわ...きっと。
取りあえず、呼び鈴をならす...まあ、無いわよね。このボロボロ家にあるはずが無い。
ガンガンって少々強引にドアをノックする。
・・・返事が無い。ドアに耳を当て聞き耳を立てる。
めっちゃアイドルソングが流れている。これはさっき大場くんが買っていったアイドルの曲だ。大音量で聞いているから聞こえてないだけなのね。裏に回り、恐らくいるであろう部屋の窓を叩く。
ピタリと音楽が鳴りやむ。
・・・ガラガラ。
「誰ですか?」
窓は開いたが、カーテン越しで姿を見せてくれない。だけど大場くんの声とは少し違う。
「えっと、誰?」
私が聞いちゃいけないんだろうけど、思わず聞き返してしまった。
「おおばです...」
ですよね、大場家だもの。
「私、大場くんの同級生の札場です。いますか?」
「今、いません」
居ないのにこれ以上長居していては迷惑になるので伝言だけして帰ることにしよう。
「その大場くんに連絡してあげるので『神様のスマホ』を貸して」
やだ、チョット待って。これすごいチャンスじゃない?大場くんの携帯の番号をGET出来るのよ。でも普通は固定電話からかければいいような気がするけど。まあ部屋から出るのが面倒なのかな?
お金に困ってそうだから弟さんか妹さんはまだ携帯電話を持たしてもらっていないのね、私は『神様のスマホ』を手渡そうとした瞬間、頭をハリセンで強烈に叩かれたような衝撃を受けた。
「いたたたー」
(飛鳥よ。『神様のスマホ』を渡すでは無い。そやつは野菜の国の魔族だ)
・・・ふ、野菜の国の魔族て...。
「失礼ですが、お名前は?」
「おおばです...」
ですよね。やっぱり大場くん家の人に失礼じゃない。変態神よついにボケたか?
(取りあえず、アプリ「プロファイリング」を使用するのだー)
面倒な奴だな~。悪いとは思ったけどカーテン越しにいる大場くん家の人に「プロファイリング」を使用した。
・名前は大葉死神と書いて(おおばデス)と読む」
・身長160センチ、体重1キロ、すぐ風に飛ばされるので家に引きこもる癖がある」
・・・本当に野菜の国の魔族なのね。私は外から強引にカーテンに掴まり中へ侵入した。
部屋の隅を見ると大場くんが緑色になって倒れている。私を騙してスマホを奪おうとした大葉死神は名前通り大葉そのものだ。これと言って特徴も無く、大葉に目が付いている程度のひ弱そうな奴ね。これなら問題なく瞬殺できそうだわ。
(油断は禁物じゃぞ。死神だけあって危険度はそれなりにあるはずじゃ)
「大丈夫よ、梅干しと一緒に漬け込んでやるわよ」
大葉死神は大鎌を背後から突然出してきた。・・・それは無いわ~反則、反則反則だわーあんな大鎌にどうやって戦えって言うのよ、っと言うところだったけど私も馬鹿では無い。
『神様のスマホ』を取り出し、大葉死神に向けて攻撃ボタンをポチッとな...。
・・・。もう一度、ポチッとな...。今は夏かしら、頭皮の毛穴という毛穴から汗が溢れ出てくる。熱中症になっちゃうからね、ちょっと涼みに外へ出ることにしよう。
「待つのです。『神様のスマホ』とあなたの命を貰います」
『神様のスマホ』はあげるから、私の命だけはご勘弁を~。大鎌を振り回す大葉死神から私は必死に逃げ続けた。
(飛鳥よ。今、スマホを遠隔操作して助けてるぞ)
スマホを操作する余裕がない私に代わり、変態神の遠隔操作によって足がタイヤになったー。スピードも上がって快適に逃げれるわー。・・・て、よく見ると大葉死神の速度も同じなんですけど。差が広がって無いじゃん。それに背中に大場くんを背負ってるし。
つーか、何で?何で攻撃ボタン押しても攻撃できなかったの?エネルギー切れ?
走りに走り続け、私はショッピングモールに入り込んだ。
ガス欠というやつかしら、明らかにスピードが落ちてきた。私自身も体力に限界を感じ始めていた万事休す...。
(なかなか面倒な奴じゃの~。仕方がないエネルギーを少し充電してやろう。これで攻撃できるはずじゃ)
「そう言う事ならさっさと充電しやがれ、変態神が~」
私は無駄に走らされた事に怒りを感じ、怒りをぶつけるかのように攻撃ボタンをポチッと押した。ビビビビーってな。
私と同じように疲れていたようである大葉死神は避けることなく花火のように無数に破片を飛び散らせながら爆発していった。
背中の負われていた大場くんはその場に倒れ込みました。
私は大場くんの傍に駆け寄ろうとしましたが、警備員さんに連れていかれました。
はい、そうです。私が今日2回も暴走した女です。
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