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第三章
第102話 真の名
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日の光を背に受けて入場するその女性に……オレは思わず目が釘付けになった。
綺麗でさらりと長い黒髪、縁のない眼鏡、知的な眼差し……白のキャミソールの上に白衣を纏い、黒のスキニーパンツと同色のヒールを履いた、見た感じ三十代くらいの長身の美女。
美女だから見惚れているというのも間違いではない。
しかし、それを上回るほどの既視感が、脳と視界を埋め尽くしていく。恐らく彼女が三木島弥生で間違いないだろう。
「やっと見つけた……昇くん……」
知らぬ名を告げるその女性は瞳を潤ませ、此方に視線を向ける。
どうもオレに向かって言っているらしい。ババアとローから、それはそれは驚いたような視線を感じるからな。っていうことは、つまり……
「それってオレの名前か……?」
そんなオレの台詞に今度は彼女が驚愕の表情を浮かべてしまう。
しかし、オレはこの空気についていけていない。置いてけぼりをくらっている気になっちまうのは、きっとマッドナーに色々聞いて、感覚がぶっ壊れちまったからだろうな。
「そうか……まだ思い出してないんだね……? 私のことも……?」
「残念ながらな。だが、知っているような気はする。偉い既視感を感じるからな」
三木島という女性は髪を耳にかけ、「そっか……」と安堵の表情を浮かべつつ、さらに続ける。
「二人で話せないかな? 色々、情報交換がしたい……」
「情報交換ね……生憎オレは過去を追い求めるつもりもないし、思い出すつもりもない。話せることは少ないぜ?」
「それでいいよ。私も詳細まで話すすつもりはないから、安心してほしい」
二人の意見が一致したところで、ババアが溜息と共に口を開く。
「……アタシは買い物に行ってくるから、その間、好きに使ってな」
相変わらずこういう時は気が回るのか、裏口からそそくさと出て行くババア。
「じゃ、俺も撤退しようかな。あとは若いお二人で……なんつってね」
それに続くようにローも立ち上がる。
まさか、この展開を読んでいて酒を頼んでなかったのか……? だとしたら気が利くどころの話じゃないな……
「ローさん、ご挨拶が遅れて申し訳ありません。その節は本当に助かりました」
礼儀正しく感謝を述べる三木島に、ローは「気にしないでいいよ~」と、欠伸交じりに流しつつ気だるげに去っていく。
こうして粋な計らいにより、二人っきりの空間ができた。本来なら久方ぶりの再会を喜ぶところなのだろうが……残念ながら覚えていない。会ったことはあるような気がするんだがな……
こちらの心情を察したのか、三木島は隣の席に座りつつ、口火を切る。
「久しぶりだね、昇くん。覚えていないだろうけど、私の名前は三木島弥生……会えて嬉しいよ」
「ここでのオレの名前はダン・カーディナレだ。悪いが、昇くんとやらじゃない」
「ぁ……そう……だよね。ごめん……」
愛想の悪い対応に、三木島は俯いてしまう。
少々、冷たくし過ぎたか……だが、あまり希望を持たせるのも憚られる。何てったって向こうは、オレの正体を知らないんだからな。
「変な返しをしちまったな……すまん。というのも、先に言わなきゃならんことがある。再会を喜ぶかどうかは、それを聞いてからにしてくれないか?」
「……何だい?」
恐る恐る上目遣いで此方を除く三木島。
見るからに人の好さそうな彼女に伝えるには、この結末は残酷すぎる。だが、言わねばならない。この世界に残ったものとしての……筋を通す為に。
「オレはその……アンタの言う昇とやらの本体じゃない。自分の能力で辛うじてその存在を留めた……ただの複製品でしかない」
「複製品……?」
「だから、アンタの知っているオレはオレじゃない。そのオレはもう……居ないんだ……」
突拍子もない真実に三木島は再び俯く……が、その口元には何故か笑みを覗かせ、「そっか……」と何処か納得したかのように語り始める。
「運命ってやつは存在してるんだね……」
「運命……? こんなオレと出会うことがか?」
「うん。だってそうでしょ? あらゆる次元が存在する中、この広い世界で再び出会い、そして――同じ力を有したのだからね」
「同じ力だと……?」
「そう……私の与えられた能力も『複製能力』なんだ。自分の見た物や知識を利用し、複製品を創ることができる……君と一緒さ」
まさか、オレと同じ力なんて……そんなのってアリか? いや、オレの探してる七宝具も確か複製品って話だし、この三木島の言ってることの筋は通る。だが――
「オレの情報だとアンタは『変換装置type-T』って七宝具を持ってると聞いた。その話が本当なら、アンタには七宝具の知識があるってことになるが……?」
「もちろんあるよ。まあ、そのおかげもあって私は死んでしまったんだけどね」
そう自嘲気味に笑った三木島は顎に手を当て、暫し沈黙する。
恐らく過去の話になる為、核心に触れぬよう気を遣っているのだろう。
「えっとー……私と君は同じ世界に居たんだけど、訳あって私だけ別の世界へと旅立ったんだ。もちろん七宝具の力でね。でもそれは私の意思ではなかった。だから、私は元の世界へ戻る為に七宝具を再び創ろうとしたんだ」
「一回創ったはずなのに、何故もう一度……?」
「まだまだ未完成だったものを無理やり使ったから壊れちゃってね。だから、再び創ろうとした。でも、焦る気持ちで行う作業というのは、いい結果を生まない。それでまあ、結局……失敗しちゃったってわけ」
三木島は恥ずかしさを紛らわせるように、うなじを摩る。
「そうだったのか……だが何故、七宝具の知識を持ってる? あれはアリエル・ドレッドノートが生み出したモンだろう?」
「あれ、ドレッドノートさんのことは覚えてるんだ……なんだか少し妬けちゃうね」
噓か誠か……三木島は、ほんの少し頬を膨らませる。
一瞬、垣間見せたその仕草は、今まで見せた知的さと相反し、非常に可愛らしいものだった。
「べ、別にアンタとそう変わらないさ。ただ既視感を感じるってだけ。でも、アンタは知ってるようだな?」
「まあ、会ったことあるからね。あの人は色んな世界を渡り歩いてるから……そのうちの一つが私や君の世界だったってだけ。で、必要なものと知識を与えてくれたってわけさ」
なるほどな……奴が元居た世界に来てたんだとしたら、ドレッドノートがチラつくのも頷ける。これで一つ謎が解けたぜ。
「……大体わかった。で、こっからが本題なんだが……オレは『変換装置type-T』がどうしても必要でな。もしアンタが持ってるなら……譲ってくれとは言わない。ただ少しの間、貸してほしいんだが……」
三木島の面持ちに突如、影が射す。
その理由、言いたいことは分かっている。だから聞かれる前に、その誤解を解く。
「ちなみに前世をどうこうしたいだとか、そんな理由じゃない。どうせ碌なモンじゃないことは察しがついてるからな」
三木島は分かり易く「そう……」と、表情を和らげる。
やっぱり、碌なモンじゃないんだな……
「で、どうなんだ? いいのか?」
「う~ん……別に貸してもいい……というか、上げてもいいくらいなんだけど……一つ条件というか、我が儘を聞いてくれないかな?」
「おう! 美人の頼みだったら、大抵のことは聞いてやれるぜ? 言ってみな?」
三木島はどういう訳か照れ顔を見せ、「じゃあ……」ともじもじしながら囁くように言葉を紡ぐ。
「……私と……一緒になってくれないかな?」
第三章 完
綺麗でさらりと長い黒髪、縁のない眼鏡、知的な眼差し……白のキャミソールの上に白衣を纏い、黒のスキニーパンツと同色のヒールを履いた、見た感じ三十代くらいの長身の美女。
美女だから見惚れているというのも間違いではない。
しかし、それを上回るほどの既視感が、脳と視界を埋め尽くしていく。恐らく彼女が三木島弥生で間違いないだろう。
「やっと見つけた……昇くん……」
知らぬ名を告げるその女性は瞳を潤ませ、此方に視線を向ける。
どうもオレに向かって言っているらしい。ババアとローから、それはそれは驚いたような視線を感じるからな。っていうことは、つまり……
「それってオレの名前か……?」
そんなオレの台詞に今度は彼女が驚愕の表情を浮かべてしまう。
しかし、オレはこの空気についていけていない。置いてけぼりをくらっている気になっちまうのは、きっとマッドナーに色々聞いて、感覚がぶっ壊れちまったからだろうな。
「そうか……まだ思い出してないんだね……? 私のことも……?」
「残念ながらな。だが、知っているような気はする。偉い既視感を感じるからな」
三木島という女性は髪を耳にかけ、「そっか……」と安堵の表情を浮かべつつ、さらに続ける。
「二人で話せないかな? 色々、情報交換がしたい……」
「情報交換ね……生憎オレは過去を追い求めるつもりもないし、思い出すつもりもない。話せることは少ないぜ?」
「それでいいよ。私も詳細まで話すすつもりはないから、安心してほしい」
二人の意見が一致したところで、ババアが溜息と共に口を開く。
「……アタシは買い物に行ってくるから、その間、好きに使ってな」
相変わらずこういう時は気が回るのか、裏口からそそくさと出て行くババア。
「じゃ、俺も撤退しようかな。あとは若いお二人で……なんつってね」
それに続くようにローも立ち上がる。
まさか、この展開を読んでいて酒を頼んでなかったのか……? だとしたら気が利くどころの話じゃないな……
「ローさん、ご挨拶が遅れて申し訳ありません。その節は本当に助かりました」
礼儀正しく感謝を述べる三木島に、ローは「気にしないでいいよ~」と、欠伸交じりに流しつつ気だるげに去っていく。
こうして粋な計らいにより、二人っきりの空間ができた。本来なら久方ぶりの再会を喜ぶところなのだろうが……残念ながら覚えていない。会ったことはあるような気がするんだがな……
こちらの心情を察したのか、三木島は隣の席に座りつつ、口火を切る。
「久しぶりだね、昇くん。覚えていないだろうけど、私の名前は三木島弥生……会えて嬉しいよ」
「ここでのオレの名前はダン・カーディナレだ。悪いが、昇くんとやらじゃない」
「ぁ……そう……だよね。ごめん……」
愛想の悪い対応に、三木島は俯いてしまう。
少々、冷たくし過ぎたか……だが、あまり希望を持たせるのも憚られる。何てったって向こうは、オレの正体を知らないんだからな。
「変な返しをしちまったな……すまん。というのも、先に言わなきゃならんことがある。再会を喜ぶかどうかは、それを聞いてからにしてくれないか?」
「……何だい?」
恐る恐る上目遣いで此方を除く三木島。
見るからに人の好さそうな彼女に伝えるには、この結末は残酷すぎる。だが、言わねばならない。この世界に残ったものとしての……筋を通す為に。
「オレはその……アンタの言う昇とやらの本体じゃない。自分の能力で辛うじてその存在を留めた……ただの複製品でしかない」
「複製品……?」
「だから、アンタの知っているオレはオレじゃない。そのオレはもう……居ないんだ……」
突拍子もない真実に三木島は再び俯く……が、その口元には何故か笑みを覗かせ、「そっか……」と何処か納得したかのように語り始める。
「運命ってやつは存在してるんだね……」
「運命……? こんなオレと出会うことがか?」
「うん。だってそうでしょ? あらゆる次元が存在する中、この広い世界で再び出会い、そして――同じ力を有したのだからね」
「同じ力だと……?」
「そう……私の与えられた能力も『複製能力』なんだ。自分の見た物や知識を利用し、複製品を創ることができる……君と一緒さ」
まさか、オレと同じ力なんて……そんなのってアリか? いや、オレの探してる七宝具も確か複製品って話だし、この三木島の言ってることの筋は通る。だが――
「オレの情報だとアンタは『変換装置type-T』って七宝具を持ってると聞いた。その話が本当なら、アンタには七宝具の知識があるってことになるが……?」
「もちろんあるよ。まあ、そのおかげもあって私は死んでしまったんだけどね」
そう自嘲気味に笑った三木島は顎に手を当て、暫し沈黙する。
恐らく過去の話になる為、核心に触れぬよう気を遣っているのだろう。
「えっとー……私と君は同じ世界に居たんだけど、訳あって私だけ別の世界へと旅立ったんだ。もちろん七宝具の力でね。でもそれは私の意思ではなかった。だから、私は元の世界へ戻る為に七宝具を再び創ろうとしたんだ」
「一回創ったはずなのに、何故もう一度……?」
「まだまだ未完成だったものを無理やり使ったから壊れちゃってね。だから、再び創ろうとした。でも、焦る気持ちで行う作業というのは、いい結果を生まない。それでまあ、結局……失敗しちゃったってわけ」
三木島は恥ずかしさを紛らわせるように、うなじを摩る。
「そうだったのか……だが何故、七宝具の知識を持ってる? あれはアリエル・ドレッドノートが生み出したモンだろう?」
「あれ、ドレッドノートさんのことは覚えてるんだ……なんだか少し妬けちゃうね」
噓か誠か……三木島は、ほんの少し頬を膨らませる。
一瞬、垣間見せたその仕草は、今まで見せた知的さと相反し、非常に可愛らしいものだった。
「べ、別にアンタとそう変わらないさ。ただ既視感を感じるってだけ。でも、アンタは知ってるようだな?」
「まあ、会ったことあるからね。あの人は色んな世界を渡り歩いてるから……そのうちの一つが私や君の世界だったってだけ。で、必要なものと知識を与えてくれたってわけさ」
なるほどな……奴が元居た世界に来てたんだとしたら、ドレッドノートがチラつくのも頷ける。これで一つ謎が解けたぜ。
「……大体わかった。で、こっからが本題なんだが……オレは『変換装置type-T』がどうしても必要でな。もしアンタが持ってるなら……譲ってくれとは言わない。ただ少しの間、貸してほしいんだが……」
三木島の面持ちに突如、影が射す。
その理由、言いたいことは分かっている。だから聞かれる前に、その誤解を解く。
「ちなみに前世をどうこうしたいだとか、そんな理由じゃない。どうせ碌なモンじゃないことは察しがついてるからな」
三木島は分かり易く「そう……」と、表情を和らげる。
やっぱり、碌なモンじゃないんだな……
「で、どうなんだ? いいのか?」
「う~ん……別に貸してもいい……というか、上げてもいいくらいなんだけど……一つ条件というか、我が儘を聞いてくれないかな?」
「おう! 美人の頼みだったら、大抵のことは聞いてやれるぜ? 言ってみな?」
三木島はどういう訳か照れ顔を見せ、「じゃあ……」ともじもじしながら囁くように言葉を紡ぐ。
「……私と……一緒になってくれないかな?」
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