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第三章
第90話 回避されたトラジェディー
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次元を超えて集った三人により戦況は一変。
二人が処刑される未来は回避され、場の雰囲気は勝利に包まれつつあった。
そんな中で一人、歯を食い縛りながら痛みに耐えるカン・ゴックは、いまいち状況が把握できないでいた。
(くそっ……何故ここに……月下氷人がッ……⁉ まさか、脱獄してきたのかっ……⁈ それに……獄門は閉ざされていた……無理やり抉じ開けようものなら……流石に気付くはず……どうなってんだッ……⁉)
重くなる身体と死を感じさせる冷や汗に顔を歪め、カン・ゴックは思考の中心に居座る後方の獄門へと振り返る。
すると、視線の先には――
(なっ……開いている……⁈)
――カン・ゴックを裏切るかのように、人一人通れるほどの隙間だけ、無惨にも開いている獄門があった。
(バカなッ……! 関係者でもなければ開けられないよう……施錠されていたはずなのに……何故っ……⁈)
――分かり切った結末に興味はありませんの――
渦巻いていた思考に突如、ある台詞が楔の如く突き刺さる。
(ぐっ……エリザベート……あの時点で既に向こう側だったのか……⁉)
身内にすら裏切られたカン・ゴックは、怒りに支配されて我を忘れる――などという愚は侵さず、その瞳に宿る憎悪を逆に糧とし、想いを昂らせながら懐に手を伸ばす。
「氷人さん! 『瞬間移動』で逃げる気です!」
しかし、レイは直ぐさま気付き、カン・ゴックを逃がすまいと、氷人へ直ぐさま呼びかける。
「ああ。わかってる!」
当然、氷人も危惧していたようで、間を置かず蹲っているカン・ゴックの手を掴んでは、『瞬間移動』が埋め込まれた銀色の首飾りを奪取する。
「クソッ…‼」
悔しがるカン・ゴックを尻目に氷人は立ち上がり、開いていた左手を水平に薙ぎ払うと、血の斬撃で全員を縛り付けていた手錠と隷属輪、そしてレイが囚われていた檻を切断した。
解放された看守たちは歓喜に包まれ、安堵からか抱き合う者たちまでいた。
「あれは、賞金首の月下氷人……?」
「帝国の監獄で囚われてたはず……だったよね?」
マキナとオリヴィアも氷人の存在に疑問を抱きつつも、解放された手首を触れながら表情を和らげていた。
「これで……一件落着……ってところか……」
レイたちの安全が確認できたダンは、内から溢れ出す稲妻を盛大に開放する。
呻き声を上げながら轟音と共に修復される肉体は、まるで静電気で逆立つかの如く身体を押し上げていた。
「大丈夫か、我が友よ?」
一年ぶりに再会した氷人は複雑な面持ちで、我が身を労わって背伸びをしているダンへと近寄る。
「何とかな……それよりお前、遅すぎんだろ? 危うく死ぬところだったぜ」
「それはこっちの台詞だ。今まで何処で何をしていた? 貴公の所為で我々は――」
氷人が詰め寄ろうとしたところで、「やめましょうよ、氷人さん」とレイが愛銃を回収しつつ、二人に近寄りながら更に言葉を続ける。
「勝手に動いたのは我々の所為……ですからまずやるべきは、感謝を述べること。お二人とも……本当にありがとうございました! お二人のおかげで何とかこの命、繋ぐことができました。感謝してもしきれません」
頭を下げるレイの真摯な姿勢に、言いたげだった氷人も「まあ、そうだな……」と、己を律しつつ続けていく。
「小生もダンの手回しで生き延びることができた。感謝する」
「よせよ。今回、悪いのは全部オレだ。お前らが上手くやってくれたから、何とか収めることができたんだ。助かったよ」
氷人の真っ直ぐな視線に対し、ダンは片手を払うように振る。
恥ずかし気に一旦視線を外すが、最後に感謝を述べた際には、しっかりと二人を見据えていた。
三人はお互いの絆を再確認し、信頼の笑みを交わし合うと、唯一無二の時間を共有した。
「さて……じゃあ、帰るか。後のことは任せたぜ、マキナ」
「え、いいのか……? まだ、カン・ゴックには何も……」
ダンの意外な対応に、マキナは若干不服そうにカン・ゴックを見下ろす。
「悪いが、もうくたくたなんでな。それに、オレはただケジメをつけに来ただけ。ここは監獄なんだし、しかるべき処置は、そっちでやってくれねえか?」
その提案にマキナは一瞬言い淀む。
しかし、断るつもりなど更々なかった。命の恩人なのだから尚更だった。
「……そうか。お前がいいと言うなら、カン・ゴックの処遇は、こちらで対応するとしよう」
「頼んだぜ。じゃあ、オレらはもう行くからよ。世話かけたな」
「いや、それはこちらが言うべき言葉だ。署員一同を代表して礼を言う。ありがとう」
頭を下げるマキナに他の署員たちも同様に礼をする。
ダンはそれ以上語ることなく片手と共に口角を上げて応え、帰路に就く為と獄門へ向かった。
こうして一連の処刑騒動は幕を閉じた。
だが、今まで沈黙を貫いていたこの男だけは、まだ終われないようで……
「いいのか、ダン・カーディナレッ……⁈ 俺を殺さなかったこと……後悔するぜ……?」
カン・ゴックが最後に振り絞った言葉に、ダンは一切振り返らず――
「お前、オレのこと好きになれそうなんだろ? だったら、もう突っかかってくんな。今度オレの仲間に手ぇ出したら……次なんてねえからな」
――語尾に一抹の殺意を籠め、処刑場を後にした。
◆
三人揃って獄門を出ると、下瞼に御大層な隈を蓄えた男が、ダンに対して気力なく手を振っていた。
「やあ、ダン君……久しぶり」
「よお、おっさん。アンタにも世話かけたな」
出迎えたのは絶賛睡魔と小競り合い中のオールド・ローだった。
その意外過ぎる人物に、レイは驚きを言葉にして表す。
「え、何でローさんがここに……?」
「そりゃあ、月下氷人を此処まで運んだのは俺だからね。帝国車両で一日中ブッ飛ばしでもしない限り、こんな早く来れるわけないでしょ?」
「確かに……じゃあ、ローさんが脱獄の手引きを?」
「ああ。ダン君に頼まれて――じゃないな……俺が勝手にそう思い込んでやっただけのこと。幸い月下氷人は身体を自由に変えられる力があったから、運ぶのにそこまで苦労はしなかったけどね。そっから先はエリザベート嬢の計らいさ」
レイが「エリザベートの……?」と眉を寄せると、その疑問に当事者であった氷人が代わりに口を挟む。
「ダンはある事を条件にエリザベートの協力を得たらしい。その結果、オールド・ローにシグナルを飛ばしつつダンの策を伝え、さらにカン・ゴックに気付かれることなく侵入できるよう、小生を処刑場内へ手引きしたのさ」
「ある条件? それって何なんですか、旦那?」
レイから注がれる視線に、ダンは己が肩を揉みつつ、疲労の面持ちで首を回す。
「その話は、また今度だ。取りあえず今は、さっさと帰ろうぜ。レイ、瞬間移動で送ってちょーだい」
「え? あ、え~っと~……その~……」
ばつが悪いかの如く視線が泳ぐレイに、ダンは綺麗な二度見をかます。
「な、何だよ? そのリアクションは……」
「いや……私、隷属輪で気を失ってた時がありまして……それで再起不能扱いになっている間に、カン・ゴックが『瞬間移動』の権限を移していたというか何というか……」
言っている意味が理解できず、一瞬キョトン顔を披露するダン。
「え⁈ ってことは使えないの⁈ じゃあ、どうすんの⁈ 歩いて帰んの⁈」
「そう……なりますかね……?」
「はああ⁈ もうやってらんないんですけどー⁈ せっかく、いい感じで終わったってのに全部台無しなんですけどー⁈」
「いや……私が悪いんですか? 旦那、さっき自分の所為だって……」
「そんなもんカッコつけるための嘘に決まってんだろ? ぜーんぶ、お前らの所為だ! オレはただ、お前らのケツを拭きにきてやっただけ! 感謝しなさいよね!」
「何が感謝しなさいよね、だ⁈ ほんと最低だな、アンタは⁉ 別にこっちは助けてなんて頼んでないし、勝手に来てカッコつけてるとか意味わかんないですけどー⁈」
ガミガミとツッコむレイと、冗談交じりにボケるダン。その光景を懐かしみ、笑みを浮かべる氷人。
そんな三人に呆れた眼差しを向けるローは、やれやれとボサボサの頭を掻きながら欠伸をかましたのち、こう呟く。
「こりゃ、俺が送るしかない……か……」
二人が処刑される未来は回避され、場の雰囲気は勝利に包まれつつあった。
そんな中で一人、歯を食い縛りながら痛みに耐えるカン・ゴックは、いまいち状況が把握できないでいた。
(くそっ……何故ここに……月下氷人がッ……⁉ まさか、脱獄してきたのかっ……⁈ それに……獄門は閉ざされていた……無理やり抉じ開けようものなら……流石に気付くはず……どうなってんだッ……⁉)
重くなる身体と死を感じさせる冷や汗に顔を歪め、カン・ゴックは思考の中心に居座る後方の獄門へと振り返る。
すると、視線の先には――
(なっ……開いている……⁈)
――カン・ゴックを裏切るかのように、人一人通れるほどの隙間だけ、無惨にも開いている獄門があった。
(バカなッ……! 関係者でもなければ開けられないよう……施錠されていたはずなのに……何故っ……⁈)
――分かり切った結末に興味はありませんの――
渦巻いていた思考に突如、ある台詞が楔の如く突き刺さる。
(ぐっ……エリザベート……あの時点で既に向こう側だったのか……⁉)
身内にすら裏切られたカン・ゴックは、怒りに支配されて我を忘れる――などという愚は侵さず、その瞳に宿る憎悪を逆に糧とし、想いを昂らせながら懐に手を伸ばす。
「氷人さん! 『瞬間移動』で逃げる気です!」
しかし、レイは直ぐさま気付き、カン・ゴックを逃がすまいと、氷人へ直ぐさま呼びかける。
「ああ。わかってる!」
当然、氷人も危惧していたようで、間を置かず蹲っているカン・ゴックの手を掴んでは、『瞬間移動』が埋め込まれた銀色の首飾りを奪取する。
「クソッ…‼」
悔しがるカン・ゴックを尻目に氷人は立ち上がり、開いていた左手を水平に薙ぎ払うと、血の斬撃で全員を縛り付けていた手錠と隷属輪、そしてレイが囚われていた檻を切断した。
解放された看守たちは歓喜に包まれ、安堵からか抱き合う者たちまでいた。
「あれは、賞金首の月下氷人……?」
「帝国の監獄で囚われてたはず……だったよね?」
マキナとオリヴィアも氷人の存在に疑問を抱きつつも、解放された手首を触れながら表情を和らげていた。
「これで……一件落着……ってところか……」
レイたちの安全が確認できたダンは、内から溢れ出す稲妻を盛大に開放する。
呻き声を上げながら轟音と共に修復される肉体は、まるで静電気で逆立つかの如く身体を押し上げていた。
「大丈夫か、我が友よ?」
一年ぶりに再会した氷人は複雑な面持ちで、我が身を労わって背伸びをしているダンへと近寄る。
「何とかな……それよりお前、遅すぎんだろ? 危うく死ぬところだったぜ」
「それはこっちの台詞だ。今まで何処で何をしていた? 貴公の所為で我々は――」
氷人が詰め寄ろうとしたところで、「やめましょうよ、氷人さん」とレイが愛銃を回収しつつ、二人に近寄りながら更に言葉を続ける。
「勝手に動いたのは我々の所為……ですからまずやるべきは、感謝を述べること。お二人とも……本当にありがとうございました! お二人のおかげで何とかこの命、繋ぐことができました。感謝してもしきれません」
頭を下げるレイの真摯な姿勢に、言いたげだった氷人も「まあ、そうだな……」と、己を律しつつ続けていく。
「小生もダンの手回しで生き延びることができた。感謝する」
「よせよ。今回、悪いのは全部オレだ。お前らが上手くやってくれたから、何とか収めることができたんだ。助かったよ」
氷人の真っ直ぐな視線に対し、ダンは片手を払うように振る。
恥ずかし気に一旦視線を外すが、最後に感謝を述べた際には、しっかりと二人を見据えていた。
三人はお互いの絆を再確認し、信頼の笑みを交わし合うと、唯一無二の時間を共有した。
「さて……じゃあ、帰るか。後のことは任せたぜ、マキナ」
「え、いいのか……? まだ、カン・ゴックには何も……」
ダンの意外な対応に、マキナは若干不服そうにカン・ゴックを見下ろす。
「悪いが、もうくたくたなんでな。それに、オレはただケジメをつけに来ただけ。ここは監獄なんだし、しかるべき処置は、そっちでやってくれねえか?」
その提案にマキナは一瞬言い淀む。
しかし、断るつもりなど更々なかった。命の恩人なのだから尚更だった。
「……そうか。お前がいいと言うなら、カン・ゴックの処遇は、こちらで対応するとしよう」
「頼んだぜ。じゃあ、オレらはもう行くからよ。世話かけたな」
「いや、それはこちらが言うべき言葉だ。署員一同を代表して礼を言う。ありがとう」
頭を下げるマキナに他の署員たちも同様に礼をする。
ダンはそれ以上語ることなく片手と共に口角を上げて応え、帰路に就く為と獄門へ向かった。
こうして一連の処刑騒動は幕を閉じた。
だが、今まで沈黙を貫いていたこの男だけは、まだ終われないようで……
「いいのか、ダン・カーディナレッ……⁈ 俺を殺さなかったこと……後悔するぜ……?」
カン・ゴックが最後に振り絞った言葉に、ダンは一切振り返らず――
「お前、オレのこと好きになれそうなんだろ? だったら、もう突っかかってくんな。今度オレの仲間に手ぇ出したら……次なんてねえからな」
――語尾に一抹の殺意を籠め、処刑場を後にした。
◆
三人揃って獄門を出ると、下瞼に御大層な隈を蓄えた男が、ダンに対して気力なく手を振っていた。
「やあ、ダン君……久しぶり」
「よお、おっさん。アンタにも世話かけたな」
出迎えたのは絶賛睡魔と小競り合い中のオールド・ローだった。
その意外過ぎる人物に、レイは驚きを言葉にして表す。
「え、何でローさんがここに……?」
「そりゃあ、月下氷人を此処まで運んだのは俺だからね。帝国車両で一日中ブッ飛ばしでもしない限り、こんな早く来れるわけないでしょ?」
「確かに……じゃあ、ローさんが脱獄の手引きを?」
「ああ。ダン君に頼まれて――じゃないな……俺が勝手にそう思い込んでやっただけのこと。幸い月下氷人は身体を自由に変えられる力があったから、運ぶのにそこまで苦労はしなかったけどね。そっから先はエリザベート嬢の計らいさ」
レイが「エリザベートの……?」と眉を寄せると、その疑問に当事者であった氷人が代わりに口を挟む。
「ダンはある事を条件にエリザベートの協力を得たらしい。その結果、オールド・ローにシグナルを飛ばしつつダンの策を伝え、さらにカン・ゴックに気付かれることなく侵入できるよう、小生を処刑場内へ手引きしたのさ」
「ある条件? それって何なんですか、旦那?」
レイから注がれる視線に、ダンは己が肩を揉みつつ、疲労の面持ちで首を回す。
「その話は、また今度だ。取りあえず今は、さっさと帰ろうぜ。レイ、瞬間移動で送ってちょーだい」
「え? あ、え~っと~……その~……」
ばつが悪いかの如く視線が泳ぐレイに、ダンは綺麗な二度見をかます。
「な、何だよ? そのリアクションは……」
「いや……私、隷属輪で気を失ってた時がありまして……それで再起不能扱いになっている間に、カン・ゴックが『瞬間移動』の権限を移していたというか何というか……」
言っている意味が理解できず、一瞬キョトン顔を披露するダン。
「え⁈ ってことは使えないの⁈ じゃあ、どうすんの⁈ 歩いて帰んの⁈」
「そう……なりますかね……?」
「はああ⁈ もうやってらんないんですけどー⁈ せっかく、いい感じで終わったってのに全部台無しなんですけどー⁈」
「いや……私が悪いんですか? 旦那、さっき自分の所為だって……」
「そんなもんカッコつけるための嘘に決まってんだろ? ぜーんぶ、お前らの所為だ! オレはただ、お前らのケツを拭きにきてやっただけ! 感謝しなさいよね!」
「何が感謝しなさいよね、だ⁈ ほんと最低だな、アンタは⁉ 別にこっちは助けてなんて頼んでないし、勝手に来てカッコつけてるとか意味わかんないですけどー⁈」
ガミガミとツッコむレイと、冗談交じりにボケるダン。その光景を懐かしみ、笑みを浮かべる氷人。
そんな三人に呆れた眼差しを向けるローは、やれやれとボサボサの頭を掻きながら欠伸をかましたのち、こう呟く。
「こりゃ、俺が送るしかない……か……」
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