22 / 142
第一章
第22話 卑怯な男
しおりを挟む
レイから出た言葉に幾分か肩透かしを食らい、オレは目をパチクリさせながら固まってしまう。
「あれ? 旦那……聞いてます?」
「あぁ……聞いてるけど……え? ないってどういうことだよ? 賞金首なんだよな?」
「ええ。一応、四百億までは懸賞金が懸けられていたんですがね。あまりにも悪事を働きすぎて、これ以上は帝国の国家財産がすっ飛んじまうということになって、結局懸賞金は廃止になりました」
まさかの予想外。懸賞金が限界突破するという展開である。
「一体何をやらかしたらそうなるんだ? えらい転生者もいたもんだ……」
「あ、ちなみにディエス・マッドナーは転生者じゃありません。この世界の人間なので、お間違いのないように」
「えぇ……転生者よりもヤバい奴って……いよいよもって転生者の存在とは何ぞやって感じだな」
「全くもっておっしゃる通りですね。さて、何故ここまでの男になったのかを説明します。大事なことなので、しっかり覚えておいてください」
身を乗り出しながら、やたらと語気を強めるレイに、オレは少し身構えてしまう。
「まずマッドナーが行ったこと、それは……『生命エネルギー』の創造。その者の生命力を活性化させ、寿命をある程度延ばせるというものです」
「………………」
「それによりこの世界の平均寿命は延び、皆が長生きできる世界が訪れました。ある一人を除いては……」
「………………」
オレは決して神妙に聞いているとか、そういう訳ではなかった。いきなりぶっ飛んだ話がきて、只々茫然としていただけだった。
「マッドナー自身は長生き出来なかった……不治の病だったんです。原因は分からず、誰にも治せなかった」
「……でも、アイツは生きているじゃねえか。立派な爺になってる」
「ええ。今やもう九十歳を超えるご老体なんですが、一時期行方をくらましていましてね。その時に彼は死んだという噂が流れたんです。しかししばらくすると、ひょっこり帰ってきた……全快の状態でね」
「ほう……そりゃまたなんで?」
「それは彼が『再生技術』を引っ提げて戻ってきたからなんです。おそらくそれを使って、自分の体を作り替えたんだと言われています」
「再生技術って、オレみたいな能力ってことか?」
「旦那のように高速で再生させるのは無理でしょうけど、それでも十分な力があるのは事実です」
おいおい、遂にオレのアイデンティティまで奪われるのか。なーにが転生者は他の奴が出来ないことをするのが使命だよ……やる事ねえじゃん。
オレは背もたれに体を預けながら鼻でため息をつき、幾分か気だるげな態度を示しつつも質問を続ける。
「なんかさっきから聞いてるとマッドナーって、この世界に貢献してるようにばっか感じるんだが、狂学者って名が付くくらいだ……当然ここで話はお終いって訳じゃあねえよな?」
「その通り。それだけの技術を生み出すには当然、犠牲がつきものです。詰まる所……実験体ってやつです」
「ハッ、王道だね~……マッドサイエンティストにありがちだな」
「彼は元々、帝国所属の科学者だったんですが、マッドナーの実験は倫理的に問題がありすぎて帝国でも反対派が多かったんです。だからマッドナーは自分の意にそぐわない者を片っ端から殺害するよう命令を出し、そいつらの家族は生きたまま実験体送りにしたんです。そしてそれを陰で実行していたのが……黒騎士という訳です」
黒騎士……オレはテーブルの上に広げてある手配書を手に取り、もう一度目を通す。
「黒騎士の目的が何なのか……何故マッドナーと組んでいるのかは分かりません。ですがマッドナーのバックにはいつも黒騎士がいたそうです。だからこの二人組は特に危険視されているんです」
賞金首ってのは、どいつもこいつも単独行動だと思ってたが、こいつらは例外みたいだな。爺に手を出すなんてことがあれば、バックにいる黒騎士が飛んでくるって訳か……ん? 待てよ……
オレはその瞬間――ラスト・ボスの発した、ある言葉が脳裏をよぎる。
――フッ……遠慮しておく……しかし、いつの間にか役者がそろってるな……六人……いや……七人か……――
よくよく考えてみれば、あの場所には六人しかいなかったはず……ってことは、あそこには黒騎士も来てたってことか……⁈
時間差で明かされた事実に、妙な鳥肌が立つ……なんだか気分が悪い。
「と、まあ説明はこんなところですかね。随分と口酸っぱく言いましたが、これは旦那のためでもあるんです。今、名を挙げた奴らはハッキリ言って次元が違います。間違っても喧嘩を売ろうなんて思っちゃあいけません。例え旦那が不死身であろうと……むしろ最後に紹介したマッドナーに関しては、それをいいことに実験体送りにされるのがオチです。九十の爺と甘く見て行方不明になった奴は数知れず。あっしとの仕事もあるわけですから、努々お忘れなきようお願いします」
結局そこなのね。せっかく捕まえた人材が犬死なんてしたら、自分の仕事に支障が出るから先に釘を刺したって訳か。まあ、言われんでもこんなヤバそうな奴らに喧嘩なんか売らんさ。精々オレが喧嘩を売るのは――
「ちょっと! 離しなさいよ!」
「いいじゃねえかよ! オレと遊ぼうぜ、なぁ?」
――フッ……ああいう奴さ。
後ろを覗くとブロンダが、どこぞの大男に右手を掴まれながら絡まれていた。
「ちょっとくらい、いいだろ? 悪いようにはしねえからよ?」
「いい加減にしなさいよ!」
――バチンッッ‼
ブロンダの左手から繰り出された平手打ちは見事、大男の頬をクリーンヒットし、ギルド内に響き渡る程のいい音色を奏でた――っていうか手、上げるの早くね? 威勢がいいっていうか、なんていうか……嫌いじゃねえけど。
「……おい。俺はシーフズの幹部に決まったばっかの男なんだぜ? その俺に対してこの仕打ちはねえんじゃねえか? あぁ⁉」
またシーフズか……話題に事欠かないねぇ。他にやる事ねえのか?
「――ヤバッ」
そう言ったのは目の前に座ってるレイだった。フードを被り、口元を布で覆い、身を隠すかのように下を向いていた。
シーフズは盗賊ギルドでレイも盗賊。何らかの関係があるかとは思ってたが……どうもバレたくないといったご様子だ。しょうがない……訳は知らんが、ここは追っ払ってやるか。
オレは気だるげに「よっこらせ」と言いつつ席から立ち上がり、欲しいものが手に入らず駄々をこねている子供の如く喚き散らしている大男の下へ向かう。
「おいおい、やめとけって。シーフズってのは女を襲うしか能がねえのか? ワンパターンな奴らだな」
「あ? テメエには関係ねえだろ! すっこんでな!」
「そうよ! 邪魔しないでくれる!」
なんでコイツにまで言われなきゃならんのだ。こっちは助けようとしてんだぞ?
「まあまあ、いい女がわざわざ手を煩わせる程の奴じゃねえだろ? それにオレはやっぱ、こういうクズ相手にしてる方が性に合ってるみたいだ」
いい女と言われたのが嬉しかったのか、ブロンダは頬を赤らめながら「……フン、好きにすれば!」と、素直に引き下がった……ちょろすぎないかコイツ?。
「おいおい……喧嘩だぞ」
「あ! 噂のあの人よ! キャー!」
「おお! 間近で能力見れるかも!」
噂が噂を呼び、人だかりができてくる。いいねぇ……気分が乗ってくるってなもんだ!
「そうか……今、街中で噂になってる奴ってのはテメエのことか。ハッ、噂なんぞに踊らされやがって。こんな弱そうな奴が魔帝を退けるなんて嘘に決まってんだろうに……なあ?」
「そうかい。そう思うなら、ちゃっちゃとやろうぜ? 此処じゃ迷惑になるから……外に行こうか?」
オレはあくまで冷静に紳士的に、まるで執事のように「どうぞ」と扉の方を手で指し示し標的を誘導する……当然これは戦略。
「上等だ……!」
自信満々な標的を先に行かせ、オレはその後に続く……これも戦略。
少し歩き出入り口の扉に差し掛かるころ、オレは止まり標的と距離をとる。そう……今コイツの背中はガラ空きッ!
「隙ありィィィッ‼」
オレは叫びながら勢いをつけて仰向けに高く飛び上がり、そろえた両足で思いきり標的の後頭部にドロップキックをブチかます‼
「――ブヘェァッッッ⁈」
標的は扉をぶち破りながら吹き飛ばされていき、外の大通りまで転がっていった……これぞ完璧な戦略!
「ハーハハハハハッ‼ よそ見してんじゃねぇぞ、バカがあああッ‼」
そう……今のオレは度重なる噂で完全に調子に乗っており、それによって優越感が臨界点を突破したオレの鼻は、天狗の如く伸びに伸びていた。これは比喩表現ではなく実際に伸びていた。体中を変形できる力があるので、この程度は造作もなかった。
いやぁー参ったな。一発で伸しちまったよ。こんな姿を見せちまったら、もう完全に女の子にもモテモテ。名声も鰻登りってなもんよ。
自分の高揚感を隠しきれず、ほくそ笑みながらオーディエンスの方を振り返ると――
「「「……………………」」」
――何故か無言の圧力が広がっていた。
「えっ? あれ? どったの……?」
先程までの盛り上がりがまるで嘘かのように、周りの連中から軽蔑の視線が向けられ――
「卑怯だ……」
「卑怯よ……」
「なんて卑怯なんだ……」
――口々に卑怯呼ばわりされてしまう。
「「「卑怯な男だ……!」」」
「あれれ~……? おかしいぞ~……?」
そんな訳で何故かオレの肩書は、『魔帝を退けた男』から一瞬にして、『卑怯な男』に成り下がったのであった。
「あれ? 旦那……聞いてます?」
「あぁ……聞いてるけど……え? ないってどういうことだよ? 賞金首なんだよな?」
「ええ。一応、四百億までは懸賞金が懸けられていたんですがね。あまりにも悪事を働きすぎて、これ以上は帝国の国家財産がすっ飛んじまうということになって、結局懸賞金は廃止になりました」
まさかの予想外。懸賞金が限界突破するという展開である。
「一体何をやらかしたらそうなるんだ? えらい転生者もいたもんだ……」
「あ、ちなみにディエス・マッドナーは転生者じゃありません。この世界の人間なので、お間違いのないように」
「えぇ……転生者よりもヤバい奴って……いよいよもって転生者の存在とは何ぞやって感じだな」
「全くもっておっしゃる通りですね。さて、何故ここまでの男になったのかを説明します。大事なことなので、しっかり覚えておいてください」
身を乗り出しながら、やたらと語気を強めるレイに、オレは少し身構えてしまう。
「まずマッドナーが行ったこと、それは……『生命エネルギー』の創造。その者の生命力を活性化させ、寿命をある程度延ばせるというものです」
「………………」
「それによりこの世界の平均寿命は延び、皆が長生きできる世界が訪れました。ある一人を除いては……」
「………………」
オレは決して神妙に聞いているとか、そういう訳ではなかった。いきなりぶっ飛んだ話がきて、只々茫然としていただけだった。
「マッドナー自身は長生き出来なかった……不治の病だったんです。原因は分からず、誰にも治せなかった」
「……でも、アイツは生きているじゃねえか。立派な爺になってる」
「ええ。今やもう九十歳を超えるご老体なんですが、一時期行方をくらましていましてね。その時に彼は死んだという噂が流れたんです。しかししばらくすると、ひょっこり帰ってきた……全快の状態でね」
「ほう……そりゃまたなんで?」
「それは彼が『再生技術』を引っ提げて戻ってきたからなんです。おそらくそれを使って、自分の体を作り替えたんだと言われています」
「再生技術って、オレみたいな能力ってことか?」
「旦那のように高速で再生させるのは無理でしょうけど、それでも十分な力があるのは事実です」
おいおい、遂にオレのアイデンティティまで奪われるのか。なーにが転生者は他の奴が出来ないことをするのが使命だよ……やる事ねえじゃん。
オレは背もたれに体を預けながら鼻でため息をつき、幾分か気だるげな態度を示しつつも質問を続ける。
「なんかさっきから聞いてるとマッドナーって、この世界に貢献してるようにばっか感じるんだが、狂学者って名が付くくらいだ……当然ここで話はお終いって訳じゃあねえよな?」
「その通り。それだけの技術を生み出すには当然、犠牲がつきものです。詰まる所……実験体ってやつです」
「ハッ、王道だね~……マッドサイエンティストにありがちだな」
「彼は元々、帝国所属の科学者だったんですが、マッドナーの実験は倫理的に問題がありすぎて帝国でも反対派が多かったんです。だからマッドナーは自分の意にそぐわない者を片っ端から殺害するよう命令を出し、そいつらの家族は生きたまま実験体送りにしたんです。そしてそれを陰で実行していたのが……黒騎士という訳です」
黒騎士……オレはテーブルの上に広げてある手配書を手に取り、もう一度目を通す。
「黒騎士の目的が何なのか……何故マッドナーと組んでいるのかは分かりません。ですがマッドナーのバックにはいつも黒騎士がいたそうです。だからこの二人組は特に危険視されているんです」
賞金首ってのは、どいつもこいつも単独行動だと思ってたが、こいつらは例外みたいだな。爺に手を出すなんてことがあれば、バックにいる黒騎士が飛んでくるって訳か……ん? 待てよ……
オレはその瞬間――ラスト・ボスの発した、ある言葉が脳裏をよぎる。
――フッ……遠慮しておく……しかし、いつの間にか役者がそろってるな……六人……いや……七人か……――
よくよく考えてみれば、あの場所には六人しかいなかったはず……ってことは、あそこには黒騎士も来てたってことか……⁈
時間差で明かされた事実に、妙な鳥肌が立つ……なんだか気分が悪い。
「と、まあ説明はこんなところですかね。随分と口酸っぱく言いましたが、これは旦那のためでもあるんです。今、名を挙げた奴らはハッキリ言って次元が違います。間違っても喧嘩を売ろうなんて思っちゃあいけません。例え旦那が不死身であろうと……むしろ最後に紹介したマッドナーに関しては、それをいいことに実験体送りにされるのがオチです。九十の爺と甘く見て行方不明になった奴は数知れず。あっしとの仕事もあるわけですから、努々お忘れなきようお願いします」
結局そこなのね。せっかく捕まえた人材が犬死なんてしたら、自分の仕事に支障が出るから先に釘を刺したって訳か。まあ、言われんでもこんなヤバそうな奴らに喧嘩なんか売らんさ。精々オレが喧嘩を売るのは――
「ちょっと! 離しなさいよ!」
「いいじゃねえかよ! オレと遊ぼうぜ、なぁ?」
――フッ……ああいう奴さ。
後ろを覗くとブロンダが、どこぞの大男に右手を掴まれながら絡まれていた。
「ちょっとくらい、いいだろ? 悪いようにはしねえからよ?」
「いい加減にしなさいよ!」
――バチンッッ‼
ブロンダの左手から繰り出された平手打ちは見事、大男の頬をクリーンヒットし、ギルド内に響き渡る程のいい音色を奏でた――っていうか手、上げるの早くね? 威勢がいいっていうか、なんていうか……嫌いじゃねえけど。
「……おい。俺はシーフズの幹部に決まったばっかの男なんだぜ? その俺に対してこの仕打ちはねえんじゃねえか? あぁ⁉」
またシーフズか……話題に事欠かないねぇ。他にやる事ねえのか?
「――ヤバッ」
そう言ったのは目の前に座ってるレイだった。フードを被り、口元を布で覆い、身を隠すかのように下を向いていた。
シーフズは盗賊ギルドでレイも盗賊。何らかの関係があるかとは思ってたが……どうもバレたくないといったご様子だ。しょうがない……訳は知らんが、ここは追っ払ってやるか。
オレは気だるげに「よっこらせ」と言いつつ席から立ち上がり、欲しいものが手に入らず駄々をこねている子供の如く喚き散らしている大男の下へ向かう。
「おいおい、やめとけって。シーフズってのは女を襲うしか能がねえのか? ワンパターンな奴らだな」
「あ? テメエには関係ねえだろ! すっこんでな!」
「そうよ! 邪魔しないでくれる!」
なんでコイツにまで言われなきゃならんのだ。こっちは助けようとしてんだぞ?
「まあまあ、いい女がわざわざ手を煩わせる程の奴じゃねえだろ? それにオレはやっぱ、こういうクズ相手にしてる方が性に合ってるみたいだ」
いい女と言われたのが嬉しかったのか、ブロンダは頬を赤らめながら「……フン、好きにすれば!」と、素直に引き下がった……ちょろすぎないかコイツ?。
「おいおい……喧嘩だぞ」
「あ! 噂のあの人よ! キャー!」
「おお! 間近で能力見れるかも!」
噂が噂を呼び、人だかりができてくる。いいねぇ……気分が乗ってくるってなもんだ!
「そうか……今、街中で噂になってる奴ってのはテメエのことか。ハッ、噂なんぞに踊らされやがって。こんな弱そうな奴が魔帝を退けるなんて嘘に決まってんだろうに……なあ?」
「そうかい。そう思うなら、ちゃっちゃとやろうぜ? 此処じゃ迷惑になるから……外に行こうか?」
オレはあくまで冷静に紳士的に、まるで執事のように「どうぞ」と扉の方を手で指し示し標的を誘導する……当然これは戦略。
「上等だ……!」
自信満々な標的を先に行かせ、オレはその後に続く……これも戦略。
少し歩き出入り口の扉に差し掛かるころ、オレは止まり標的と距離をとる。そう……今コイツの背中はガラ空きッ!
「隙ありィィィッ‼」
オレは叫びながら勢いをつけて仰向けに高く飛び上がり、そろえた両足で思いきり標的の後頭部にドロップキックをブチかます‼
「――ブヘェァッッッ⁈」
標的は扉をぶち破りながら吹き飛ばされていき、外の大通りまで転がっていった……これぞ完璧な戦略!
「ハーハハハハハッ‼ よそ見してんじゃねぇぞ、バカがあああッ‼」
そう……今のオレは度重なる噂で完全に調子に乗っており、それによって優越感が臨界点を突破したオレの鼻は、天狗の如く伸びに伸びていた。これは比喩表現ではなく実際に伸びていた。体中を変形できる力があるので、この程度は造作もなかった。
いやぁー参ったな。一発で伸しちまったよ。こんな姿を見せちまったら、もう完全に女の子にもモテモテ。名声も鰻登りってなもんよ。
自分の高揚感を隠しきれず、ほくそ笑みながらオーディエンスの方を振り返ると――
「「「……………………」」」
――何故か無言の圧力が広がっていた。
「えっ? あれ? どったの……?」
先程までの盛り上がりがまるで嘘かのように、周りの連中から軽蔑の視線が向けられ――
「卑怯だ……」
「卑怯よ……」
「なんて卑怯なんだ……」
――口々に卑怯呼ばわりされてしまう。
「「「卑怯な男だ……!」」」
「あれれ~……? おかしいぞ~……?」
そんな訳で何故かオレの肩書は、『魔帝を退けた男』から一瞬にして、『卑怯な男』に成り下がったのであった。
0
お気に入りに追加
7
あなたにおすすめの小説
王が気づいたのはあれから十年後
基本二度寝
恋愛
王太子は妃の肩を抱き、反対の手には息子の手を握る。
妃はまだ小さい娘を抱えて、夫に寄り添っていた。
仲睦まじいその王族家族の姿は、国民にも評判がよかった。
側室を取ることもなく、子に恵まれた王家。
王太子は妃を優しく見つめ、妃も王太子を愛しく見つめ返す。
王太子は今日、父から王の座を譲り受けた。
新たな国王の誕生だった。
婚約破棄の後始末 ~息子よ、貴様何をしてくれってんだ!
タヌキ汁
ファンタジー
国一番の権勢を誇る公爵家の令嬢と政略結婚が決められていた王子。だが政略結婚を嫌がり、自分の好き相手と結婚する為に取り巻き達と共に、公爵令嬢に冤罪をかけ婚約破棄をしてしまう、それが国を揺るがすことになるとも思わずに。
これは馬鹿なことをやらかした息子を持つ父親達の嘆きの物語である。
婚約者は、今月もお茶会に来ないらしい。
白雪なこ
恋愛
婚約時に両家で決めた、毎月1回の婚約者同士の交流を深める為のお茶会。だけど、私の婚約者は「彼が認めるお茶会日和」にしかやってこない。そして、数ヶ月に一度、参加したかと思えば、無言。短時間で帰り、手紙を置いていく。そんな彼を……許せる?
*6/21続編公開。「幼馴染の王女殿下は私の元婚約者に激おこだったらしい。次期女王を舐めんなよ!ですって。」
*外部サイトにも掲載しています。(1日だけですが総合日間1位)
【完結】20年後の真実
ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。
マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。
それから20年。
マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。
そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。
おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。
全4話書き上げ済み。
余命宣告を受けたので私を顧みない家族と婚約者に執着するのをやめることにしました
結城芙由奈
恋愛
【余命半年―未練を残さず生きようと決めた。】
私には血の繋がらない父と母に妹、そして婚約者がいる。しかしあの人達は私の存在を無視し、空気の様に扱う。唯一の希望であるはずの婚約者も愛らしい妹と恋愛関係にあった。皆に気に入られる為に努力し続けたが、誰も私を気に掛けてはくれない。そんな時、突然下された余命宣告。全てを諦めた私は穏やかな死を迎える為に、家族と婚約者に執着するのをやめる事にした―。
2021年9月26日:小説部門、HOTランキング部門1位になりました。ありがとうございます
*「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
※2023年8月 書籍化
婚約破棄?王子様の婚約者は私ではなく檻の中にいますよ?
荷居人(にいと)
恋愛
「貴様とは婚約破棄だ!」
そうかっこつけ王子に言われたのは私でした。しかし、そう言われるのは想定済み……というより、前世の記憶で知ってましたのですでに婚約者は代えてあります。
「殿下、お言葉ですが、貴方の婚約者は私の妹であって私ではありませんよ?」
「妹……?何を言うかと思えば貴様にいるのは兄ひとりだろう!」
「いいえ?実は父が養女にした妹がいるのです。今は檻の中ですから殿下が知らないのも無理はありません」
「は?」
さあ、初めての感動のご対面の日です。婚約破棄するなら勝手にどうぞ?妹は今日のために頑張ってきましたからね、気持ちが変わるかもしれませんし。
荷居人の婚約破棄シリーズ第八弾!今回もギャグ寄りです。個性な作品を目指して今回も完結向けて頑張ります!
第七弾まで完結済み(番外編は生涯連載中)!荷居人タグで検索!どれも繋がりのない短編集となります。
表紙に特に意味はありません。お疲れの方、猫で癒されてねというだけです。
愚かな父にサヨナラと《完結》
アーエル
ファンタジー
「フラン。お前の方が年上なのだから、妹のために我慢しなさい」
父の言葉は最後の一線を越えてしまった。
その言葉が、続く悲劇を招く結果となったけど・・・
悲劇の本当の始まりはもっと昔から。
言えることはただひとつ
私の幸せに貴方はいりません
✈他社にも同時公開
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる