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「では、ソウンディック様とお嬢さんは精霊王の元へ向かうと。」
「ああ、だが二日は待ってくれ。前に精霊王に会った時、言いたいことだけ言って消えてしまったんだ。消えていった先が東だったから、アルトリアの近くの森にはいると思うが、少し探りを入れたい。」
「承知致しました。さて、これでお嬢さんの憂いは払えるかな。」
ギルデガンドはレティに軽くウインクする。
「ふふ、ありがとうございます。」
ギルデガンドの体格にはウインク不似合いだが、彼に任せていたら大丈夫。と思うほどに安心感を生んだ。
「きっと、大丈夫ですよね。」
自分に言い聞かせる。
さっきまでは手がかりもなく、一人で探さなければと気負い過ぎていたのだ。
大きな味方が出来た気分だった。
「お兄さんはきっと見つけよう。君のためなら、何でもするよ。」
「ありがとうございます!私にも出来る事があれば仰って下さい。何でも致します。」
ピキッとソウンディックの表情と動きが固まった。
アルベルトは、あーぁ。と呟いているし、ギルデガンドに至ってはため息をついている。
あまりにも気を抜き過ぎて、まずい事を言ってしまったのだろうか。
ソウンディックはこてんと首を傾げる。
「本当?なら、お嫁さんに来てもらおうかな。」
「え?お嫁さん?」
「うん。そう!」
お嫁さんって嫁入りって事で、結婚って事で…。
「あ、ありえませんよ。」
顔が一気に熱くなる。
平民で、ましてや今日会ったばかりの自分にそんな事を言うなんて。
突拍子もない事を言うけれど、誠実そうで優しい人だと思っていたのに、自分をからかって楽しむだなんて。
「こんな大事な事で冗談なんか言わないよ。リュクスの事を別にしても、震えて小さくなるのは子リスのように可愛いし、隠そうとしてるのに表情がコロコロ変わるのは見てて愛らしい。一緒にいたいと思うから言ってるんだよ。それに、私は君無しでは生きられないしね。」
頬が熱を持ちすぎて慌てて両手で押さえるが、ソウンディックが覗き込んでくる。
潤んだ瞳が青さを増し、魅入ってしまいそうになって、ますます恥ずかしくなってしまう。
自分が知らないだけで、貴族の間ではこういったやり取りは普通の事なのだろうか。
家同士がきめた婚姻は平民の間でもよくあるが、そうでなければ、時間を欠けて想いを寄せ会う二人が縁を結ぶのが普通だと思っていたし、自分も年頃には、そんな相手が出来るのだろうと勝手に思い込んでいた。
「結婚話に頷いてくれれば、話は早いけどな。まぁ、今すぐは無理でも考えてやってくれ。でないと、ソウンディックと国が消えちゃうからさ。」
レティの様子を見かねたアルベルトが、急ぎ過ぎ。とソウンディックを引き剥がす。
「ああ、アルベルト。その辺りの話は、まだレティにしてないんだ。」
「お前、順番が違うだろう。」
アルベルトのみならずギルデガンドまでもが、一緒になってため息をついた。
「ああ、だが二日は待ってくれ。前に精霊王に会った時、言いたいことだけ言って消えてしまったんだ。消えていった先が東だったから、アルトリアの近くの森にはいると思うが、少し探りを入れたい。」
「承知致しました。さて、これでお嬢さんの憂いは払えるかな。」
ギルデガンドはレティに軽くウインクする。
「ふふ、ありがとうございます。」
ギルデガンドの体格にはウインク不似合いだが、彼に任せていたら大丈夫。と思うほどに安心感を生んだ。
「きっと、大丈夫ですよね。」
自分に言い聞かせる。
さっきまでは手がかりもなく、一人で探さなければと気負い過ぎていたのだ。
大きな味方が出来た気分だった。
「お兄さんはきっと見つけよう。君のためなら、何でもするよ。」
「ありがとうございます!私にも出来る事があれば仰って下さい。何でも致します。」
ピキッとソウンディックの表情と動きが固まった。
アルベルトは、あーぁ。と呟いているし、ギルデガンドに至ってはため息をついている。
あまりにも気を抜き過ぎて、まずい事を言ってしまったのだろうか。
ソウンディックはこてんと首を傾げる。
「本当?なら、お嫁さんに来てもらおうかな。」
「え?お嫁さん?」
「うん。そう!」
お嫁さんって嫁入りって事で、結婚って事で…。
「あ、ありえませんよ。」
顔が一気に熱くなる。
平民で、ましてや今日会ったばかりの自分にそんな事を言うなんて。
突拍子もない事を言うけれど、誠実そうで優しい人だと思っていたのに、自分をからかって楽しむだなんて。
「こんな大事な事で冗談なんか言わないよ。リュクスの事を別にしても、震えて小さくなるのは子リスのように可愛いし、隠そうとしてるのに表情がコロコロ変わるのは見てて愛らしい。一緒にいたいと思うから言ってるんだよ。それに、私は君無しでは生きられないしね。」
頬が熱を持ちすぎて慌てて両手で押さえるが、ソウンディックが覗き込んでくる。
潤んだ瞳が青さを増し、魅入ってしまいそうになって、ますます恥ずかしくなってしまう。
自分が知らないだけで、貴族の間ではこういったやり取りは普通の事なのだろうか。
家同士がきめた婚姻は平民の間でもよくあるが、そうでなければ、時間を欠けて想いを寄せ会う二人が縁を結ぶのが普通だと思っていたし、自分も年頃には、そんな相手が出来るのだろうと勝手に思い込んでいた。
「結婚話に頷いてくれれば、話は早いけどな。まぁ、今すぐは無理でも考えてやってくれ。でないと、ソウンディックと国が消えちゃうからさ。」
レティの様子を見かねたアルベルトが、急ぎ過ぎ。とソウンディックを引き剥がす。
「ああ、アルベルト。その辺りの話は、まだレティにしてないんだ。」
「お前、順番が違うだろう。」
アルベルトのみならずギルデガンドまでもが、一緒になってため息をついた。
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