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1.冬の日(風邪気味)
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俺は相沢一樹、普通の小学6年生。普通の家族の中で育って、普通の生活を送っている。ただ、ちょっとだけ普通じゃないところがある。それはうちの兄貴、相沢直樹が過保護すぎることだ。
朝、いつものように母さんに起こされて、だるい体を引きずりながらリビングに向かう。
なんだか喉が痛い。また風邪引いたかもしれないけど、風邪って決まったわけじゃないし黙っておこう。
「いつき、おはよう」
兄貴がリビングで先に朝ご飯を食べながら俺に声をかけてきた。
「おはよう兄ちゃん。いただきまーす」
俺も座って朝ご飯を食べ始める。
うちの朝ご飯は基本和食で、今日は白いご飯と卵焼きとみそ汁だ。俺はみそ汁のお椀を持って手を温める。布団からここに来るまでが寒すぎる。
と思っていると、兄貴が俺をじっと見つめてきた。
「顔色悪いな。しんどくないか?」
「え?そう?へーきだけど」
軽く答えるけど、兄貴は納得していないらしく、箸を置いて俺の額と首回りを触り始める。
「もー、じゃま」
「早く食べちゃってよー」
台所にいた母さんが見に来て、兄貴が俺の首回りを触っているのを見て、「熱ある?」と兄貴に聞いた。
「ないけど顔色悪い気がする」
「いつきしんどくない?」
「しんどくない」
「しんどくなったら保健室行くのよ」
「わかってる」
学校に行く前、兄貴にマフラーをしっかり巻かれた。
歩いてるうちに暑くなってじゃまになるから嫌いなのに。
登校中、幼馴染の藤見慎と合流する。
「あれ、いつきマフラーしてるじゃん。風邪引いた?」
「兄ちゃんに巻かれただけ」
慎も世話焼きなんだよなあ。
下校中にマフラーを巻かずにいたら「巻いときなよ」と言われた。
目ざとい。
学校から帰ると、兄貴は先に帰っていた。
「ただいまー」
「おかえり」
手洗いとうがいをしてからランドセルを置いて、慎に言われて巻いたマフラーを取る。
兄貴は黙っているけど、チラッとこっちを見た。マフラーを巻いて帰ってきたことを確認したな。
「どうだった?」
体調のことだろう。
「なんもなかった」
「そうか」
マフラーのせいで汗ばんでいる首回りを触られた。
今は触っても意味ないんじゃない?
「大丈夫そうだな」
と言って頭を撫でられた。
朝、いつものように母さんに起こされて、だるい体を引きずりながらリビングに向かう。
なんだか喉が痛い。また風邪引いたかもしれないけど、風邪って決まったわけじゃないし黙っておこう。
「いつき、おはよう」
兄貴がリビングで先に朝ご飯を食べながら俺に声をかけてきた。
「おはよう兄ちゃん。いただきまーす」
俺も座って朝ご飯を食べ始める。
うちの朝ご飯は基本和食で、今日は白いご飯と卵焼きとみそ汁だ。俺はみそ汁のお椀を持って手を温める。布団からここに来るまでが寒すぎる。
と思っていると、兄貴が俺をじっと見つめてきた。
「顔色悪いな。しんどくないか?」
「え?そう?へーきだけど」
軽く答えるけど、兄貴は納得していないらしく、箸を置いて俺の額と首回りを触り始める。
「もー、じゃま」
「早く食べちゃってよー」
台所にいた母さんが見に来て、兄貴が俺の首回りを触っているのを見て、「熱ある?」と兄貴に聞いた。
「ないけど顔色悪い気がする」
「いつきしんどくない?」
「しんどくない」
「しんどくなったら保健室行くのよ」
「わかってる」
学校に行く前、兄貴にマフラーをしっかり巻かれた。
歩いてるうちに暑くなってじゃまになるから嫌いなのに。
登校中、幼馴染の藤見慎と合流する。
「あれ、いつきマフラーしてるじゃん。風邪引いた?」
「兄ちゃんに巻かれただけ」
慎も世話焼きなんだよなあ。
下校中にマフラーを巻かずにいたら「巻いときなよ」と言われた。
目ざとい。
学校から帰ると、兄貴は先に帰っていた。
「ただいまー」
「おかえり」
手洗いとうがいをしてからランドセルを置いて、慎に言われて巻いたマフラーを取る。
兄貴は黙っているけど、チラッとこっちを見た。マフラーを巻いて帰ってきたことを確認したな。
「どうだった?」
体調のことだろう。
「なんもなかった」
「そうか」
マフラーのせいで汗ばんでいる首回りを触られた。
今は触っても意味ないんじゃない?
「大丈夫そうだな」
と言って頭を撫でられた。
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