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高校1年生

第10話 ハーレム?悪夢にうなされる!

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 ホテルに帰ってくるなり、俺はすぐさまに部屋へと向かった。
 なぜそこまで急ぐかって?
 そりゃあ……

 「おい、美月いるか!?」

 「い、いるけど、どうしたの?いきなりドアを思いっきり開けて」

 キョトンとした表情で俺を見つめている。
 この状態だと何もなかったようだな。
 とりあえずひと安心。

 「いや、なんでもない。それよりなんで今日花火大会来なかったんだ?」

 「え、花火大会あったの?!」

 美月は驚いた表情と共に項垂れた。
 そんなに花火大会が好きなんだなコイツ。
 この反応を見る限りでは、知らなかったんだろう。
 ――教えてやれよ、六花!

 「てか、ここから見えなかったか?それに花火の音で気づくだろ?」

 あんなにでっかい花火と爆発音だったら普通は気づくと思うが。
 一応、部屋の窓から外を覗くと……見事なオーシャンビュー!
 これでは見えないのも納得。
 だって、花火が上がってたのは反対側だったもん!

 「なるほど……でも、音は聞こえなかったか?」

 「音楽聞きながら本読んでた」

 美月のベッドには、たしかに携帯音楽プレイヤーとラノベが置いてあった。
 ――聞こえるはずないか。
 てか、よく音楽聞きながら本読めるな!
 ちゃんと物語の内容が頭に入ってくるのだろうか?

 「いや、まったく入ってこない」

 「なんで分かったの?!」

 最近、六花から結構な高確率で心を読まれるんだよなぁ。
 「なんでだろ?」と思って、六花に聞いたら、

 「女の勘ってやつだよ!うっしししし」

 最後の笑い方がキモかったという事だけが、とてもとても強く印象に残りました。
 じゃなくて、女の勘で人の心を読めるのだろうか?
 女の子って本当に分からない生き物だ。

 「……え」

 「ど、どうしたの?何かを発見したみたいな顔をして」

 俺はある事に気づいた。それは……

 「お前男の子だよな?!」

 美月が俺の心を読めるのは女の勘があるからでは?
 そうなると、美月って一体性別はどっちなんだ?
 ただでさえ、中性的な顔で美少女って言われれば信じてしまうぐらいだ。

 「い、痛いよ…離して、ね?」

 「あ、ああ……すまん」

 気がつけば、美月の華奢な肩を思いっきり両方を掴んで揺さぶっていた。
 体つきまで女の子みたいだから……もう。

 「と、とととにかく僕は男の子だから!」

 「お、おう……」

 美月は掛け布団を頭まで被り、眠ってしまった。
 それにしても、なぜ顔が真っ赤になっていたのか分からない。
 涙目になってたのはたぶん……俺のせいだ。

 「とりあえず俺もシャワー浴びてから寝るとするか」

 ズボンポケットからスマホを取り出し、画面を覗くと夜の11時を目前にしていた。
 六花もそろそろ寝ている頃だろう。
 明日が合宿最終日だ。
 それまでにちゃんと睡眠をとらないとね!

 そして、それから数時間後。
 俺は気持ちよく美月の隣のベッドで寝ていた。
 疲れが溜まっていたのか、布団に入るなり、すぐ熟睡。
 そんな中で俺は夢をみていた。
 それは、美月が本当は女の子だったという事だ。
 今まではなんの事情か知らないが、何かのキッカケで女の子という事が学校中にバレた。
 その後は女の子として学校生活を送っていくのだが、ここからが自分でもヤバいと思った。
 六花と美月が俺を巡って争うという事だ。
 ――なんか、ハーレム的なことになってるが。
 その続きは記憶にないが、とにかくそんな夢をみていた俺は、眠っている間ずっとうなされていた。
 
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