俺の家には学校一の美少女がいる！

大学生

第17話

　「今日も暑いなぁ～」

　時は流れて七月の中旬。
　ちょうど夏休みに入り、バイトもこの時期だけはシフトをあまり入れていない。
　だから、俺は朝からずっと昔からの休日の過ごし方であるゴロゴロをしていた。
　この何もしなくてもいいという開放感がとても気持ちいい。
　もう、ずっとこのままでいたい。
　――来世は猫にでもなろうかな？
　そんな来世に思いを馳せている時、家のインターホンが鳴った。

　「りっかぁ～出てくれないかぁ～？」

　俺は隣の部屋にいるであろう六花に頼んだ。
　すると、六花はえーとかだるいとかいいながらも玄関先まで向かった。

　「ひっ？！」

　開けたと思ったら、六花は悲鳴のようなものを上げて後ずさって行く。
　――そんなに怯えてどうしたのだろうか？
　ただの新聞勧誘や訪問セールスでもなさそうだし……。
　俺は寝転がりながら少し開いたドアの向こうを遠くながらも見てみると、そこにいたのは……

　「あ、亜美？！」

　なんのようなんだという疑問より六花のことがバレたという事実が脳内を先行した。
　正直言うと……これはまずい。
　いや。非常にまずい。
　俺の頭の中では災害警報ならぬ、修羅場警報が鳴りっぱなしである。

　「はぁ～やぁ～とぉ～？こぉ～れぇ～はぁ～どぉ～ゆぅ～ことぉ～？」

　ドアは全開に開かれ、亜美が仁王立ちした状態でそう聞いてきた。
　顔は笑っているのに笑っていない。
　背後には目には見えないヤバいオーラを感じる。
　一方で俺は顔を引き攣らせながらも懸命に笑顔を返し、背中には水でもかけられたのではないかと思うほどに汗でビチョビチョだった。
　六花は……なぜか隣の部屋に戻ってガサゴソしていた。