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大学生
第8話
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「なぁ、本当に平気なのか?」
「う、うん……なんとか……」
映画館の帰り道。
外はすっかり日が落ちて、辺り一面が闇に染められている。
「だから帰った方が良かったのに……」
六花は俺の腕にしがみついたまま離れない。
どんな表情をしているのだろうと思った瞬間、ちょうど街頭したまで来ていた。
そして、六花の表情を覗き見ると、目には涙が溜まっており、口をわなわなと震わせている。
「だ、だって…………うぅぅぅ」
とうとう泣き出してしまう六花。
俺はその様子を見て、どうすればいいか分からなくなったが、とりあえず背中をさすってなだめた。
◆❖◇◇❖◆
映画館では六花は常に俺の手を握りしめていた。
普通の場面の時は手を添える感じの弱さが、得体の知れないものが登場する場面の時は手をギューっと強く握りしめてくる。
俺はその度に……というか、ずっとドキドキしていて映画どころではなかった。
だから正直言って……映画の内容なんて頭に一つも入ってませーん。
「なぁ、お前夜一人で寝れるのか?」
家に帰ってきて数時間。
ご飯を食うのも歯磨きをするのも全て一緒。
何かをする度に付いてくる。
と、いうか離れない。
そして、今俺は風呂に入ろうとしている。
「ねぇ……その前にお風呂だけはやめてくれる?」
「なんでだよ」
「だって……」
六花の顔が真っ赤になってきた。
もう湯気が見えるのではないかというくらいに。
「だって……一緒に入らないといけないし……」
「いやいやいや」
六花さんの頭おかしくなったんスかね。
それならば、単に六花が離れればいいだけの話でしょ?
なぜ付いてこようとする?
「一人になるのが怖いもん!」
「知るかッ!映画を観たのが悪いだろ」
何度も言うが、俺はちゃんと映画を観る前に忠告していた。
案の定、こうなってしまったが。
「うぅぅぅ…………いじわる……」
「そんな子犬みたいな目をしても俺は風呂に入るからな!」
「じゃ、じゃあ……せめて…………目隠ししてくれる?」
そう言うと、俺の返事も聞かずに六花はどこからか持ってきた三角巾で俺の目元を隠した。
「お、おい!これじゃ自分の体も洗えないじゃんかよ」
「それは大丈夫!私が洗うから」
そう声だけが聞こえた。
その後は六花が服を脱ぐ、衣擦れの音だけが聞こえてきた。
「う、うん……なんとか……」
映画館の帰り道。
外はすっかり日が落ちて、辺り一面が闇に染められている。
「だから帰った方が良かったのに……」
六花は俺の腕にしがみついたまま離れない。
どんな表情をしているのだろうと思った瞬間、ちょうど街頭したまで来ていた。
そして、六花の表情を覗き見ると、目には涙が溜まっており、口をわなわなと震わせている。
「だ、だって…………うぅぅぅ」
とうとう泣き出してしまう六花。
俺はその様子を見て、どうすればいいか分からなくなったが、とりあえず背中をさすってなだめた。
◆❖◇◇❖◆
映画館では六花は常に俺の手を握りしめていた。
普通の場面の時は手を添える感じの弱さが、得体の知れないものが登場する場面の時は手をギューっと強く握りしめてくる。
俺はその度に……というか、ずっとドキドキしていて映画どころではなかった。
だから正直言って……映画の内容なんて頭に一つも入ってませーん。
「なぁ、お前夜一人で寝れるのか?」
家に帰ってきて数時間。
ご飯を食うのも歯磨きをするのも全て一緒。
何かをする度に付いてくる。
と、いうか離れない。
そして、今俺は風呂に入ろうとしている。
「ねぇ……その前にお風呂だけはやめてくれる?」
「なんでだよ」
「だって……」
六花の顔が真っ赤になってきた。
もう湯気が見えるのではないかというくらいに。
「だって……一緒に入らないといけないし……」
「いやいやいや」
六花さんの頭おかしくなったんスかね。
それならば、単に六花が離れればいいだけの話でしょ?
なぜ付いてこようとする?
「一人になるのが怖いもん!」
「知るかッ!映画を観たのが悪いだろ」
何度も言うが、俺はちゃんと映画を観る前に忠告していた。
案の定、こうなってしまったが。
「うぅぅぅ…………いじわる……」
「そんな子犬みたいな目をしても俺は風呂に入るからな!」
「じゃ、じゃあ……せめて…………目隠ししてくれる?」
そう言うと、俺の返事も聞かずに六花はどこからか持ってきた三角巾で俺の目元を隠した。
「お、おい!これじゃ自分の体も洗えないじゃんかよ」
「それは大丈夫!私が洗うから」
そう声だけが聞こえた。
その後は六花が服を脱ぐ、衣擦れの音だけが聞こえてきた。
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