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高校生

第84話 仲直り

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 家に戻ったのは午後3時頃だった。
 俺は着替えようと思い、自分の部屋の前に行くと、中から何か音が聞こえた。
 その音をよく聞くと、衣擦れのような音で、「スーハースーハー」という息遣いの荒い音まで聞こえた。

 「だ、誰なんだ……」

 もしかして泥棒……とか?
 俺は急いで武器になりそうなものをリビングから取りに行った。
 そのついでに六花の安否確認も忘れない。
 
 「六花っ!」

 俺は勢いよく六花の部屋のドアを開け、中を見渡した。

 「……いない」
 
 という事は……襲われた?

 「クソっ!早く助けなきゃ」

 俺は六花がいるかもしれない、先ほどの息遣いの荒い音が聞こえてくる部屋に再び向かった。

 
 部屋の目の前に着くと、先ほどとは違い、静かだった。
 ドアに耳を当てて、澄ましてみるが無音だ。
 
 「もしかして……」

 気づかれたか?
 …………。
 完全に気づかれた。
 そりゃあ、あんなにドアを勢いよく開けたり、声を荒げれば、気づかれるのも無理はない。
 むしろ、これで気づかれないという方がおかしい。

 「と、なると……」

 突撃するしかない。
 六花の安全が第一優先だ。
 それに警察にも連絡済み。
 もうすぐ警察官も来るだろう。

 「ふぅ…………よし!」

 深呼吸を1回して、覚悟を決めた俺はドアを思いっきり蹴破った。

 「六花っ!だいじょう…………え?」

 俺は言葉に詰まってしまった。
 この状況を見て、詰まらないやつなんていないと思う。

 「な、何してんだ……?」

 俺の部屋にいたのは………………六花1人だけだった。


 「本当に申し訳ありませんでした!」

 俺の通報で駆けつけてくれた警察官の方々に説明をして、何度か謝った。
 警察官の人は「何事もなくて良かったな」とか「今度から気をつけるように!」とか優しく許してくれた。
 本当にいい警察官たちで良かった。
 下手したらもっと怒られてたぞ。
 警察官が帰るのを見送ると、リビングのソファーで体育座りをしながら俯いている六花に話を聞いた。

 「一体……何してたんだ?」

 すると、六花の顔がだんだん赤くなっていって、それを隠すように縮こまってしまった。
 こんなんじゃ話してくれなさそうだな。
 とりあえず、俺の部屋で起こっていた事だけを説明しよう。
 俺があの時、ドアを蹴破り、中を見渡すと六花しかいなかった。
 そして、ここからが問題なのだが、六花は上下下着姿だった。
 しかも、その状態で俺のベッドの中に潜り込んで、「スーハースーハー」。
 何がどうなっているのか分からず、その後警察が来て、現在に至る。
 もう……六花ちゃん壊れたのかしらね!
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