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高校生
第66話 謎のラブレター……(後編)
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謎のラブレターの一件から何日か過ぎたある日の放課後。
俺と六花は部活が終わり、一緒に帰ろうと、靴箱に向かった。
そして、履き変えようと靴を靴箱から取り出したとき、何かが地面に落ちた。
「……なんだ?」
俺はその落ちたものを拾い上げようとしたとき、見覚えのある封筒に気がつく。
これはもしや……謎のラブレター?!
その封筒を見る限りでは、確かに先日のものと同じ封筒で送り主の名前などは一切書かれてない。
一体なんのつもりだ?
「どうしたの?」
そのとき、六花が俺の異変に気づいたのか、近寄ってきた。
俺はとっさにその謎のラブレターを後ろに隠す。
だが、六花は手に持っていたものに気づいていたらしく……
「ねぇ、なんで隠すの?ちょっと見せてよ」
と、さらに俺を壁際まで追い込んでくる。
ヤバい!もう逃げられない!
「……」
隼人は目の前が真っ白になった。
俺の脳内には大人気ゲームのボケっとモンスターの相手に負けたときの主人公のようなセリフが流れていた。
一方、六花はというと……
「なにこれ……」
俺から取り上げた謎のラブレターを読んで、冷徹な声でそう言った。
帰ったら何をされるのだろうか。
拷問かな?
それとも拷問?
やっぱり拷問しか思い浮かばないなぁ。
……てか、俺悪くないよね?!
家に帰ってきた。
俺は家に帰る道中、帰ったら何をされるのだろうかと、ずっと怯えていた。
そして、すぐにリビングに連れられると、六花からいろいろと問いただされた。
「これはどーいうこと!」
それを聞かれても俺には分からないとしか言いようがないので、そう伝えると……
「分からない?そんなわけないでしょ!誰なの!ねぇってば!」
「そ、そんなことを聞かれても本当に誰が送ってきたのか分からないんだって!」
「でも、この文にはこう書いてあるわよ!」
そう言って、六花は俺から取り上げた謎のラブレターを読み上げた。
「ねえ、早く気づいて。私の想いに。いくら時が流れても、あなたとの絆だけは、ゆるがない」
「ブフォ……ゴホゴホ……」
思わず吹き出してしまった。
これは……あれだ。
誰かが俺をはめようとしているんだ。
うん、それしかない。
「六花……これは、そのー……俺を……」
俺はそのことを伝えようと、六花を見たとき、ものすごい憎悪感を感じた。
六花はなんといえばいいのだろうか。
顔が鬼瓦のようになっており……思わず笑いそうになった。
「俺を……で、何?」
とりあえず、顔が鬼瓦のようになった六花が先程の言いかけたことを促したので、その続きを話した。
「これを送ってきたやつは俺をはめようとしているのかもしれない!」
「ふーん……それで?」
「先日も同じような封筒で送られてきたことがあって……」
俺は1度自分の部屋に戻ると、机の引き出しの奥深くに封印した謎のラブレターを六花に見せた。
すると、六花の顔はさらに険しくなり、
「なんじゃごりゃあああああ!!!」
と、昭和のテレビドラマでありそうなセリフを吐いた。
その後、鬼瓦を超えた六花の取り調べはさらに手厳しくなり、終いには、
「クラスの誰かなの?そうなのよね?そうですって言いなさいよ!」
と、強要してきたのだった。
……この刑事さん、違法取り調べですよ!
本当に知らないのに、強要してきますよ!
誰か!誰か!誰か……弁護士を読んでくだせぇ~
俺は心の中でそう泣き喚いていた。
そして、翌日。
昨日の取り調べは夜中の2時まで続き、俺は一睡も出来ずに学校に来た。
六花はというと、
「眠いから休む。帰ったら、またやるから覚えときなさいよ」
ということでした。
「やる」ということは、つまり例の違法取り調べのことなんでしょう!
……帰りたくねぇ。
そう思いながら、靴からシューズに履き変えようとしたとき、後ろから肩を叩かれたような気がした。
気のせいだろうかと思いながら、一応振り返ると、そこには女子生徒の制服を着た美月がいた。
「え?なんで女子生徒の制服を着てるんだ?」
すると、美月らしき人物は頬を膨らませ、俺の足を思いっきり踏みやがった。
「いったぁあああ!!!」
「もう!失礼だな!私は美月じゃなくて、水姫だよ!」
「えぇぇ?!」
確かに美月には、瓜二つの双子の妹がいたことは去年のクリスマスイブから知っている。
だけど、その妹は別の学校に通っていて、ここにいるということはつまり……
「私、今日から転校してきたの!」
「……」
何も言葉が出なかった。
「それでね。なんで気づかないの?ラブレターあったでしょ?あれ私が送ったんだよ!」
「……」
さらに言葉が出なくなった。
何を思ってあのラブレターを送ったのか分からない。
なんか、混乱してきた。
体がフラフラして、視界が揺らいでいる。
「(バタン……)」
俺はそのまま倒れてしまった。
気がつくと、俺はベッドの上に横たわっていた。
たぶん、保健室だろう。
「あぁ……頭が少し痛いな……」
なぜか分からないけど、頭痛がする。
なんとなく寝返りを打とうとしたとき、俺は思わず、飛び起きてしまった。
「な、なんで?!」
俺の横に寝ていたのは……美月ではなく水姫であった。
彼女は気持ちよさそうにスヤスヤと眠っている。
「ゆ、夢だよな……?」
俺は思いっきり頬を摘んでみたが、痛かった。
痛いということはつまり、夢ではなくて……
「おい!起きろ!」
俺は横に寝ている水姫の体を揺さぶり起こした。
すると、水姫は眠たそうな目を擦って、
「うーん……よく寝たぁ」
と、伸びをした。
「お前……何してんだ?!」
「何してるって?」
首を傾げるな!……まぁ、可愛いから許すけど……
「って、そうじゃなくて、なんで俺と同じベッドに寝てるんだ!」
そう俺は問いただすと、水姫はニヤリと微笑み、俺を押し倒した。
「な、何をすんだよ……」
馬乗り状態になった俺と水姫。
この状況を誰かに見られたら、一発で生徒指導……というか、最悪、退学である。
だが、俺のその心配をよそに水姫はどんどん顔を近づけ、そして……
唇と唇が重なってしまった。
亜美もそうだったが、女子の唇って柔らかいんだな……と思わず、浸っていたが……
そうじゃない!
なんとかこの状態から抜け出さないと!
俺は馬乗りになっていた水姫をどかすと、慌ててシューズを履き、保健室から逃亡した。
「一体……なんなんだ?」
さっぱり分からなくなってしまった。
俺はそのまま職員室に向かい、担任に早退することを伝え、学校をあとにした。
あの後、水姫がどうしたのかは分からないが、とりあえず足早に家に帰宅した。
俺と六花は部活が終わり、一緒に帰ろうと、靴箱に向かった。
そして、履き変えようと靴を靴箱から取り出したとき、何かが地面に落ちた。
「……なんだ?」
俺はその落ちたものを拾い上げようとしたとき、見覚えのある封筒に気がつく。
これはもしや……謎のラブレター?!
その封筒を見る限りでは、確かに先日のものと同じ封筒で送り主の名前などは一切書かれてない。
一体なんのつもりだ?
「どうしたの?」
そのとき、六花が俺の異変に気づいたのか、近寄ってきた。
俺はとっさにその謎のラブレターを後ろに隠す。
だが、六花は手に持っていたものに気づいていたらしく……
「ねぇ、なんで隠すの?ちょっと見せてよ」
と、さらに俺を壁際まで追い込んでくる。
ヤバい!もう逃げられない!
「……」
隼人は目の前が真っ白になった。
俺の脳内には大人気ゲームのボケっとモンスターの相手に負けたときの主人公のようなセリフが流れていた。
一方、六花はというと……
「なにこれ……」
俺から取り上げた謎のラブレターを読んで、冷徹な声でそう言った。
帰ったら何をされるのだろうか。
拷問かな?
それとも拷問?
やっぱり拷問しか思い浮かばないなぁ。
……てか、俺悪くないよね?!
家に帰ってきた。
俺は家に帰る道中、帰ったら何をされるのだろうかと、ずっと怯えていた。
そして、すぐにリビングに連れられると、六花からいろいろと問いただされた。
「これはどーいうこと!」
それを聞かれても俺には分からないとしか言いようがないので、そう伝えると……
「分からない?そんなわけないでしょ!誰なの!ねぇってば!」
「そ、そんなことを聞かれても本当に誰が送ってきたのか分からないんだって!」
「でも、この文にはこう書いてあるわよ!」
そう言って、六花は俺から取り上げた謎のラブレターを読み上げた。
「ねえ、早く気づいて。私の想いに。いくら時が流れても、あなたとの絆だけは、ゆるがない」
「ブフォ……ゴホゴホ……」
思わず吹き出してしまった。
これは……あれだ。
誰かが俺をはめようとしているんだ。
うん、それしかない。
「六花……これは、そのー……俺を……」
俺はそのことを伝えようと、六花を見たとき、ものすごい憎悪感を感じた。
六花はなんといえばいいのだろうか。
顔が鬼瓦のようになっており……思わず笑いそうになった。
「俺を……で、何?」
とりあえず、顔が鬼瓦のようになった六花が先程の言いかけたことを促したので、その続きを話した。
「これを送ってきたやつは俺をはめようとしているのかもしれない!」
「ふーん……それで?」
「先日も同じような封筒で送られてきたことがあって……」
俺は1度自分の部屋に戻ると、机の引き出しの奥深くに封印した謎のラブレターを六花に見せた。
すると、六花の顔はさらに険しくなり、
「なんじゃごりゃあああああ!!!」
と、昭和のテレビドラマでありそうなセリフを吐いた。
その後、鬼瓦を超えた六花の取り調べはさらに手厳しくなり、終いには、
「クラスの誰かなの?そうなのよね?そうですって言いなさいよ!」
と、強要してきたのだった。
……この刑事さん、違法取り調べですよ!
本当に知らないのに、強要してきますよ!
誰か!誰か!誰か……弁護士を読んでくだせぇ~
俺は心の中でそう泣き喚いていた。
そして、翌日。
昨日の取り調べは夜中の2時まで続き、俺は一睡も出来ずに学校に来た。
六花はというと、
「眠いから休む。帰ったら、またやるから覚えときなさいよ」
ということでした。
「やる」ということは、つまり例の違法取り調べのことなんでしょう!
……帰りたくねぇ。
そう思いながら、靴からシューズに履き変えようとしたとき、後ろから肩を叩かれたような気がした。
気のせいだろうかと思いながら、一応振り返ると、そこには女子生徒の制服を着た美月がいた。
「え?なんで女子生徒の制服を着てるんだ?」
すると、美月らしき人物は頬を膨らませ、俺の足を思いっきり踏みやがった。
「いったぁあああ!!!」
「もう!失礼だな!私は美月じゃなくて、水姫だよ!」
「えぇぇ?!」
確かに美月には、瓜二つの双子の妹がいたことは去年のクリスマスイブから知っている。
だけど、その妹は別の学校に通っていて、ここにいるということはつまり……
「私、今日から転校してきたの!」
「……」
何も言葉が出なかった。
「それでね。なんで気づかないの?ラブレターあったでしょ?あれ私が送ったんだよ!」
「……」
さらに言葉が出なくなった。
何を思ってあのラブレターを送ったのか分からない。
なんか、混乱してきた。
体がフラフラして、視界が揺らいでいる。
「(バタン……)」
俺はそのまま倒れてしまった。
気がつくと、俺はベッドの上に横たわっていた。
たぶん、保健室だろう。
「あぁ……頭が少し痛いな……」
なぜか分からないけど、頭痛がする。
なんとなく寝返りを打とうとしたとき、俺は思わず、飛び起きてしまった。
「な、なんで?!」
俺の横に寝ていたのは……美月ではなく水姫であった。
彼女は気持ちよさそうにスヤスヤと眠っている。
「ゆ、夢だよな……?」
俺は思いっきり頬を摘んでみたが、痛かった。
痛いということはつまり、夢ではなくて……
「おい!起きろ!」
俺は横に寝ている水姫の体を揺さぶり起こした。
すると、水姫は眠たそうな目を擦って、
「うーん……よく寝たぁ」
と、伸びをした。
「お前……何してんだ?!」
「何してるって?」
首を傾げるな!……まぁ、可愛いから許すけど……
「って、そうじゃなくて、なんで俺と同じベッドに寝てるんだ!」
そう俺は問いただすと、水姫はニヤリと微笑み、俺を押し倒した。
「な、何をすんだよ……」
馬乗り状態になった俺と水姫。
この状況を誰かに見られたら、一発で生徒指導……というか、最悪、退学である。
だが、俺のその心配をよそに水姫はどんどん顔を近づけ、そして……
唇と唇が重なってしまった。
亜美もそうだったが、女子の唇って柔らかいんだな……と思わず、浸っていたが……
そうじゃない!
なんとかこの状態から抜け出さないと!
俺は馬乗りになっていた水姫をどかすと、慌ててシューズを履き、保健室から逃亡した。
「一体……なんなんだ?」
さっぱり分からなくなってしまった。
俺はそのまま職員室に向かい、担任に早退することを伝え、学校をあとにした。
あの後、水姫がどうしたのかは分からないが、とりあえず足早に家に帰宅した。
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