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高校生

第63話 正月の来客者

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 新年になって、何日か経ったある日。
 俺と六花が住む家に突然の来客が現れた。

 「あけおめ、ことよろ」

 「あけましておめでとうございます」

 そう新年のあいさつをしたのは唯一の友人である美月とその双子の妹である水姫である。
 俺は一回水姫とは知り合っているため普通に新年のあいさつをしたが、六花はというと、

 「え?…え?…ん?」

 混乱しているご様子。
 そしてその様子を見ている美月はなんだかおもしろがっていた。
 
 「六花、今混乱しているだろ?」

 「うん…」

 俺は美月には双子の妹である水姫がいることなどを知っている限りすべて話した。
 
 「なるほど…分かった」

 説明が終わるに、顎に手を添えながら頷き、そう言った。
 だが、六花には少し気になる点があるらしく、水姫にいくらか質問していた。
 
 「何を話しているんだろ…?」

 「たしかに。僕の妹に変なこと聞いてないよね?」

 「それは…分からん」

 ちなみに俺と美月は今リビングでこたつに入りながらテレビを見ている。
 先ほどまでは六花と水姫もこの場所にいたのだが、聞きたいことがあるということで、六花が水姫を自分の部屋に連れ込んでいった。
 
 「それにしても長くね?」

 六花が水姫を連れて行ってから30分は経った。
 いくら聞きたいことがあるからと言って、ここまで長くなる話なのだろうか。
 一方で美月はいつの間にかこたつに入りながら、大の字になって寝ていた。
 
 「おーい。美月」

 声をかけたが、返事はない。
 頬を叩いたり、殴ったりしたが起きない。
 もしや、死んでいるのでは?と思い、呼吸を確認しようとしたらいびきをかき始めた。
 声をかけても起きない。
 頬を殴っても起きない。
 いびきをかいている。
 つまり、熟睡である。

 「こいつ、よく人の家で堂々と熟睡できるな…」

 普通の人なら、いくら友人だとしても、人の家で大の字になって熟睡などできない。
 というか、寝ることができない。
 なのに、こいつは堂々とこたつで寝やがって…
 ある意味で尊敬してしまうわ!

 「今何時だ?」

 ふと、時計の針を見ると、午後3時を指そうとしている。
 そろそろおやつにでもするかと立とうとしたとき、六花と水姫がリビングに入ってきた。
 二人の顔を見る限り、特に変わった様子はなさそうだ。
 と、いうより仲良くなっているような気がする。

 「遅かったな。何を話してたんだ?」

 俺は六花に長い時間何を話していたのか聞いてみた。
 すると、六花は一瞬水姫の方を向いて、すぐに俺の顔を見て、こう言った。

 「女の子同士の秘密だから教えなーい」

 「なっ?!」

 女の子の秘密ってなんだよ!
 余計に気になってきた…
 そのあとも何度も聞いたが、結局「しつこい!」と怒鳴られて教えてくれなかった。
 一方、水姫は寝ている兄である美月をすごい視線で眺めていた。
 家庭内でもひどい扱いを受けているなんて…さすが美月だな!
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