64 / 120
高校生
第63話 正月の来客者
しおりを挟む
新年になって、何日か経ったある日。
俺と六花が住む家に突然の来客が現れた。
「あけおめ、ことよろ」
「あけましておめでとうございます」
そう新年のあいさつをしたのは唯一の友人である美月とその双子の妹である水姫である。
俺は一回水姫とは知り合っているため普通に新年のあいさつをしたが、六花はというと、
「え?…え?…ん?」
混乱しているご様子。
そしてその様子を見ている美月はなんだかおもしろがっていた。
「六花、今混乱しているだろ?」
「うん…」
俺は美月には双子の妹である水姫がいることなどを知っている限りすべて話した。
「なるほど…分かった」
説明が終わるに、顎に手を添えながら頷き、そう言った。
だが、六花には少し気になる点があるらしく、水姫にいくらか質問していた。
「何を話しているんだろ…?」
「たしかに。僕の妹に変なこと聞いてないよね?」
「それは…分からん」
ちなみに俺と美月は今リビングでこたつに入りながらテレビを見ている。
先ほどまでは六花と水姫もこの場所にいたのだが、聞きたいことがあるということで、六花が水姫を自分の部屋に連れ込んでいった。
「それにしても長くね?」
六花が水姫を連れて行ってから30分は経った。
いくら聞きたいことがあるからと言って、ここまで長くなる話なのだろうか。
一方で美月はいつの間にかこたつに入りながら、大の字になって寝ていた。
「おーい。美月」
声をかけたが、返事はない。
頬を叩いたり、殴ったりしたが起きない。
もしや、死んでいるのでは?と思い、呼吸を確認しようとしたらいびきをかき始めた。
声をかけても起きない。
頬を殴っても起きない。
いびきをかいている。
つまり、熟睡である。
「こいつ、よく人の家で堂々と熟睡できるな…」
普通の人なら、いくら友人だとしても、人の家で大の字になって熟睡などできない。
というか、寝ることができない。
なのに、こいつは堂々とこたつで寝やがって…
ある意味で尊敬してしまうわ!
「今何時だ?」
ふと、時計の針を見ると、午後3時を指そうとしている。
そろそろおやつにでもするかと立とうとしたとき、六花と水姫がリビングに入ってきた。
二人の顔を見る限り、特に変わった様子はなさそうだ。
と、いうより仲良くなっているような気がする。
「遅かったな。何を話してたんだ?」
俺は六花に長い時間何を話していたのか聞いてみた。
すると、六花は一瞬水姫の方を向いて、すぐに俺の顔を見て、こう言った。
「女の子同士の秘密だから教えなーい」
「なっ?!」
女の子の秘密ってなんだよ!
余計に気になってきた…
そのあとも何度も聞いたが、結局「しつこい!」と怒鳴られて教えてくれなかった。
一方、水姫は寝ている兄である美月をすごい視線で眺めていた。
家庭内でもひどい扱いを受けているなんて…さすが美月だな!
俺と六花が住む家に突然の来客が現れた。
「あけおめ、ことよろ」
「あけましておめでとうございます」
そう新年のあいさつをしたのは唯一の友人である美月とその双子の妹である水姫である。
俺は一回水姫とは知り合っているため普通に新年のあいさつをしたが、六花はというと、
「え?…え?…ん?」
混乱しているご様子。
そしてその様子を見ている美月はなんだかおもしろがっていた。
「六花、今混乱しているだろ?」
「うん…」
俺は美月には双子の妹である水姫がいることなどを知っている限りすべて話した。
「なるほど…分かった」
説明が終わるに、顎に手を添えながら頷き、そう言った。
だが、六花には少し気になる点があるらしく、水姫にいくらか質問していた。
「何を話しているんだろ…?」
「たしかに。僕の妹に変なこと聞いてないよね?」
「それは…分からん」
ちなみに俺と美月は今リビングでこたつに入りながらテレビを見ている。
先ほどまでは六花と水姫もこの場所にいたのだが、聞きたいことがあるということで、六花が水姫を自分の部屋に連れ込んでいった。
「それにしても長くね?」
六花が水姫を連れて行ってから30分は経った。
いくら聞きたいことがあるからと言って、ここまで長くなる話なのだろうか。
一方で美月はいつの間にかこたつに入りながら、大の字になって寝ていた。
「おーい。美月」
声をかけたが、返事はない。
頬を叩いたり、殴ったりしたが起きない。
もしや、死んでいるのでは?と思い、呼吸を確認しようとしたらいびきをかき始めた。
声をかけても起きない。
頬を殴っても起きない。
いびきをかいている。
つまり、熟睡である。
「こいつ、よく人の家で堂々と熟睡できるな…」
普通の人なら、いくら友人だとしても、人の家で大の字になって熟睡などできない。
というか、寝ることができない。
なのに、こいつは堂々とこたつで寝やがって…
ある意味で尊敬してしまうわ!
「今何時だ?」
ふと、時計の針を見ると、午後3時を指そうとしている。
そろそろおやつにでもするかと立とうとしたとき、六花と水姫がリビングに入ってきた。
二人の顔を見る限り、特に変わった様子はなさそうだ。
と、いうより仲良くなっているような気がする。
「遅かったな。何を話してたんだ?」
俺は六花に長い時間何を話していたのか聞いてみた。
すると、六花は一瞬水姫の方を向いて、すぐに俺の顔を見て、こう言った。
「女の子同士の秘密だから教えなーい」
「なっ?!」
女の子の秘密ってなんだよ!
余計に気になってきた…
そのあとも何度も聞いたが、結局「しつこい!」と怒鳴られて教えてくれなかった。
一方、水姫は寝ている兄である美月をすごい視線で眺めていた。
家庭内でもひどい扱いを受けているなんて…さすが美月だな!
0
お気に入りに追加
171
あなたにおすすめの小説
俺の高校生活がラブコメ的な状況になっている件
ながしょー
青春
高校入学を前に両親は長期海外出張。
一人暮らしになるかと思いきや、出発当日の朝、父からとんでもないことを言われた。
それは……
同い年の子と同居?!しかも女の子!
ただえさえ、俺は中学の頃はぼっちで人と話す事も苦手なのだが。
とにかく、同居することになった子はとてつもなく美少女だった。
これから俺はどうなる?この先の生活は?ラブコメ的な展開とかあるのか?!
「俺の家には学校一の美少女がいる!」の改稿版です。
主人公の名前やもしかしたら今後いろんなところが変わってくるかもしれません。
話もだいぶ変わると思います。
三姉妹の姉達は、弟の俺に甘すぎる!
佐々木雄太
青春
四月——
新たに高校生になった有村敦也。
二つ隣町の高校に通う事になったのだが、
そこでは、予想外の出来事が起こった。
本来、いるはずのない同じ歳の三人の姉が、同じ教室にいた。
長女・唯【ゆい】
次女・里菜【りな】
三女・咲弥【さや】
この三人の姉に甘やかされる敦也にとって、
高校デビューするはずだった、初日。
敦也の高校三年間は、地獄の運命へと導かれるのであった。
カクヨム・小説家になろうでも好評連載中!
天ヶ崎高校二年男子バレーボール部員本田稔、幼馴染に告白する。
山法師
青春
四月も半ばの日の放課後のこと。
高校二年になったばかりの本田稔(ほんだみのる)は、幼馴染である中野晶(なかのあきら)を、空き教室に呼び出した。
全力でおせっかいさせていただきます。―私はツンで美形な先輩の食事係―
入海月子
青春
佐伯優は高校1年生。カメラが趣味。ある日、高校の屋上で出会った超美形の先輩、久住遥斗にモデルになってもらうかわりに、彼の昼食を用意する約束をした。
遥斗はなぜか学校に住みついていて、衣食は女生徒からもらったものでまかなっていた。その報酬とは遥斗に抱いてもらえるというもの。
本当なの?遥斗が気になって仕方ない優は――。
優が薄幸の遥斗を笑顔にしようと頑張る話です。
僕が美少女になったせいで幼馴染が百合に目覚めた
楠富 つかさ
恋愛
ある朝、目覚めたら女の子になっていた主人公と主人公に恋をしていたが、女の子になって主人公を見て百合に目覚めたヒロインのドタバタした日常。
この作品はハーメルン様でも掲載しています。
可愛すぎるクラスメイトがやたら俺の部屋を訪れる件 ~事故から助けたボクっ娘が存在感空気な俺に熱い視線を送ってきている~
蒼田
青春
人よりも十倍以上存在感が薄い高校一年生、宇治原簾 (うじはられん)は、ある日買い物へ行く。
目的のプリンを買った夜の帰り道、簾はクラスメイトの人気者、重原愛莉 (えはらあいり)を見つける。
しかしいつも教室でみる活発な表情はなくどんよりとしていた。只事ではないと目線で追っていると彼女が信号に差し掛かり、トラックに引かれそうな所を簾が助ける。
事故から助けることで始まる活発少女との関係。
愛莉が簾の家にあがり看病したり、勉強したり、時には二人でデートに行ったりと。
愛莉は簾の事が好きで、廉も愛莉のことを気にし始める。
故障で陸上が出来なくなった愛莉は目標新たにし、簾はそんな彼女を補佐し自分の目標を見つけるお話。
*本作はフィクションです。実在する人物・団体・組織名等とは関係ございません。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
自称未来の妻なヤンデレ転校生に振り回された挙句、最終的に責任を取らされる話
水島紗鳥
青春
成績優秀でスポーツ万能な男子高校生の黒月拓馬は、学校では常に1人だった。
そんなハイスペックぼっちな拓馬の前に未来の妻を自称する日英ハーフの美少女転校生、十六夜アリスが現れた事で平穏だった日常生活が激変する。
凄まじくヤンデレなアリスは拓馬を自分だけの物にするためにありとあらゆる手段を取り、どんどん外堀を埋めていく。
「なあ、サインと判子欲しいって渡された紙が記入済婚姻届なのは気のせいか?」
「気にしない気にしない」
「いや、気にするに決まってるだろ」
ヤンデレなアリスから完全にロックオンされてしまった拓馬の運命はいかに……?(なお、もう一生逃げられない模様)
表紙はイラストレーターの谷川犬兎様に描いていただきました。
小説投稿サイトでの利用許可を頂いております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる