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高校生
第62話 新年の殺気
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そして、朝になっていた。
気が付けば、俺はリビングのソファーで眠っていた。
時計の時間を見ると、午後12時。
「やべっ!」
今日は初詣に行く予定だった!
俺は急いで身支度し、玄関に向かう途中、ある事に気が付いた。
「そういや、六花をまだ見てないな…」
俺がさっき起きた時にはもうリビングのどこにもいなかった。
リビングにはいないということは自分の部屋にでもいるのだろうか。
「おーい。いるかー?」
俺は六花の部屋の前にたどり着くと、ドアに向かって声をかけた。
だが、ドアの向こう側からの返事はなく、その後も何度か声をかけた。
「寝てるのか…?」
本当はいけないが、あくまで確認のため六花の部屋に入ることにした。
ドアノブをそっとひねり、そっと押し開け、中を覗くと、
「ザ・女子の部屋だな…」
部屋の中には女子らしい、ぬいぐるみや雑誌などがあり、可愛らしい部屋だった。
「って、そうじゃなくて六花いるかー?」
声をかけるが返事がない。
ベッドも一応確認したがいなかった…が、とてもいい匂いがした。
……いやいや、こんな変態行為をしている場合ではなくて六花を探さないと!
「でも、少しぐらいなら…」
俺は六花がいつも寝ているであろうベッドに顔を埋めようとした瞬間、背後からものすごい殺気を感じた。
その殺気は振り向かなくても誰がはなっているのか、すぐに分かった。
このまま振り向けば、どうなるんだろう。
逆に振り向かなければ、どうなるんだろう。
その答えはどちらとも同じだよね!
「ねぇ……私の部屋で何してるのかな?……」
声がいつもより低くて怒気を感じますね!
これはもうスリーアウト!
俺の人生にサヨナラ!
「私の声聞こえてるよね…?」
「あ……はい、聞こえてます……」
「何してたの……?」
これはもう言い逃れ出来ないな。
どう言っても殺される運命だ。
こうなれば、最後の切り札……
「そのまえにさ、六花の着物姿すごく似合ってるね!」
とりあえず、褒めまくる!
そうすれば機嫌が……って、なんで着物着てんの?!
初詣行かないって言ってたよな?
「でしょでしょ!似合ってるでしょ!」
六花は褒められてご満悦の様子。
何とか危機を脱出することに成功。
でも、なんで着物を着ているのか気になったので聞いてみた。
「なんで着物着てるの?初詣行かないんじゃなかったの?」
すると、六花は不思議そうな顔で首を傾げた。
「男子って、ツンデレが好きじゃないの?」
「は?」
「なんかの雑誌に書いてあったのを真似したんだけど……ダメだった?」
ダメとかそういうまえに、アレってツンデレだったの?!
マジ顔で断ってたじゃんか!
アレはツンデレじゃないって言ってやろう!
「六花、アレは……」
俺は言いかけたときにふと思った。
もし、今機嫌を損ねさせるようなことを言ったら、どうなる?
……さっきのことで殺されるな。
「なに?」
「い、いや、ツンデレ最高!!」
「そうでしょ!」
六花はツンデレじゃないツンデレを褒められて嬉しそうだった。
で、俺は今から何をしようとしていたのか忘れたのだった。
気が付けば、俺はリビングのソファーで眠っていた。
時計の時間を見ると、午後12時。
「やべっ!」
今日は初詣に行く予定だった!
俺は急いで身支度し、玄関に向かう途中、ある事に気が付いた。
「そういや、六花をまだ見てないな…」
俺がさっき起きた時にはもうリビングのどこにもいなかった。
リビングにはいないということは自分の部屋にでもいるのだろうか。
「おーい。いるかー?」
俺は六花の部屋の前にたどり着くと、ドアに向かって声をかけた。
だが、ドアの向こう側からの返事はなく、その後も何度か声をかけた。
「寝てるのか…?」
本当はいけないが、あくまで確認のため六花の部屋に入ることにした。
ドアノブをそっとひねり、そっと押し開け、中を覗くと、
「ザ・女子の部屋だな…」
部屋の中には女子らしい、ぬいぐるみや雑誌などがあり、可愛らしい部屋だった。
「って、そうじゃなくて六花いるかー?」
声をかけるが返事がない。
ベッドも一応確認したがいなかった…が、とてもいい匂いがした。
……いやいや、こんな変態行為をしている場合ではなくて六花を探さないと!
「でも、少しぐらいなら…」
俺は六花がいつも寝ているであろうベッドに顔を埋めようとした瞬間、背後からものすごい殺気を感じた。
その殺気は振り向かなくても誰がはなっているのか、すぐに分かった。
このまま振り向けば、どうなるんだろう。
逆に振り向かなければ、どうなるんだろう。
その答えはどちらとも同じだよね!
「ねぇ……私の部屋で何してるのかな?……」
声がいつもより低くて怒気を感じますね!
これはもうスリーアウト!
俺の人生にサヨナラ!
「私の声聞こえてるよね…?」
「あ……はい、聞こえてます……」
「何してたの……?」
これはもう言い逃れ出来ないな。
どう言っても殺される運命だ。
こうなれば、最後の切り札……
「そのまえにさ、六花の着物姿すごく似合ってるね!」
とりあえず、褒めまくる!
そうすれば機嫌が……って、なんで着物着てんの?!
初詣行かないって言ってたよな?
「でしょでしょ!似合ってるでしょ!」
六花は褒められてご満悦の様子。
何とか危機を脱出することに成功。
でも、なんで着物を着ているのか気になったので聞いてみた。
「なんで着物着てるの?初詣行かないんじゃなかったの?」
すると、六花は不思議そうな顔で首を傾げた。
「男子って、ツンデレが好きじゃないの?」
「は?」
「なんかの雑誌に書いてあったのを真似したんだけど……ダメだった?」
ダメとかそういうまえに、アレってツンデレだったの?!
マジ顔で断ってたじゃんか!
アレはツンデレじゃないって言ってやろう!
「六花、アレは……」
俺は言いかけたときにふと思った。
もし、今機嫌を損ねさせるようなことを言ったら、どうなる?
……さっきのことで殺されるな。
「なに?」
「い、いや、ツンデレ最高!!」
「そうでしょ!」
六花はツンデレじゃないツンデレを褒められて嬉しそうだった。
で、俺は今から何をしようとしていたのか忘れたのだった。
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