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高校生
第59話 クリスマスパーティー
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友人の衝撃的な事実を知った翌日。
「クリスマス♪クリスマスー♪」
「ちょっとはしゃぎすぎじゃないのか?」
六花がとてもご機嫌である。
それに飾り付けはまだ早すぎではないだろうか。
まだ朝の10時だというのに、もう壁や天井に飾りを付けている。
「まだ準備しなくてもいいんじゃないか?」
「やっ!準備するもん!今すぐしたいもん!」
「いやでもー……」
「絶対の絶対にするもん!」
そう言って飾り付けを再開した六花。
なぜ六花がここまで頑固になって飾り付けをするかというと……自分でも言いにくいのだが、たぶん俺と二人っきりだからである。
詳しく説明すると、去年みたいにみんなを集めてパーティーをする予定だった。
だけど、みんなそれぞれ用事が入っていたようで、亜美は家族でパーティー、美月兄妹も実家に帰省して、奈々と瑠璃は海外旅行。
こんな感じで誘ったものの断られ、結局今年のクリスマスは六花と二人きりで過ごすことになった。
てか、普通に流してたけど、奈々と瑠璃はクリスマスを海外で過ごすとかどんだけ優雅な生活をしているんだよ……
「飾り付け終了!」
「え?!」
気がつけば、リビング全体が飾りで壁や天井を埋め尽くされていた。
いくらなんても早くね?!
だって、飾り付けを始めたのって、たしか……今から10分前だよ!
それに何個か飾りを作ってたよね?!
六花の新たな神技を目撃したところで、ふとキッチンを見た。
「何やってんだ?昼ご飯の準備?今日はピザカットのピザじゃないの?」
今日は出前をとることになっていたはず。
なのに六花はエプロンをしてキッチンに立っている。
どういうことなのだろうか?
「ピザはとるよ。今から夜ご飯の支度をしようと思ってるの」
「いやいやいや。早くね?」
「そんなことないよ!」
六花は笑顔でそう言うとさっそく調理を始めた。
いくらなんでもまだ午前11時を回ってないのに、夜ご飯を作るなんて……
そんなに俺と二人きりのパーティーが楽しみなのかしらん。
ここは本人に聞いてみるか!
「なぁ、俺と二人きりのクリスマスパーティーがそんなに楽しみか?」
俺は半分冗談でそう聞くと、六花の動きが止まった。
そして1分後。
「しょ、しょんにゃことにゃいもん!」
六花は顔を真っ赤にして噛みまくりながらそう言った。
その様子を見て、俺はあまりの可愛さについ、
「ごちそうさまです……」
と、言ってしまった。
それを聞いた六花はなんのことか分からず、
「え?何がごちそうさまなの?……もしかして私の隠してたアイスを食べたの?」
と、自分の秘密を暴露していた。
バカだなぁー。
あとで隠してあるというアイスを探して食べよっ!
一応言っておくけど、俺アイスめっちゃ好きだからね!
2時間後。
俺は出前でとったピザを食べながら、リビングのソファーに座り、テレビ番組を見ていた。
やっぱりどのテレビ局もクリスマスの話題ばっかりだ。
「できたぁ!」
「ん?どれどれ……」
六花の嬉々とした声を聞き、ちょうど食べ終わったピザの空箱をゴミ箱に捨てるためとついでに出来上がった料理を見に行った。
「スゲェ!!」
「でしょでしょ!いつもより頑張ったの!」
六花が作った料理は本格レストランにでも出てきそうなくらいとても美味しそうで、盛り付け方はもう芸術。
こんな料理を見たら、またお腹が空いてきた。
でも……何かが足りないような……
「あ!六花!ケーキは?」
そうだ!クリスマスケーキがない!
すると、六花は人差し指を自分の顎に指して言った。
「クリスマスケーキは……ワ・タ・シ♡」
さて、皆さんに質問です。
ただ今六花ちゃんはなんと言ったでしょうか?
俺の聞き間違いかは分からないが、クリスマスケーキは自分だと言う。
……聞き間違いだよね!
「なんて言った?」
「だーかーらー!クリスマスケーキはワタシ!」
この度、うちの六花がご迷惑をおかけして申し訳ございませんでした。
調査の結果、どうやらこの子の思考回路に破損が見つかりましたので、直ちに修理工場である病院に連れてまいります。
今後とも愛読していただけると幸いです。
保護者 小鳥遊 隼人
と、いうことで病院に行くことを俺は六花に勧めた。
「なんで?!」
心底驚いたらしいが、「クリスマスケーキはワタシ」とか言われた俺の方がびっくりだったわ!
時計を見ると、午後12時を回ろうとしている。
六花と二人きりのクリスマスパーティーまであと7時間。
このあとはどうなることやら。襲われたりとかしないか心配である。
クリスマスパーティーの出来事についてはまた今度詳しく教えるよ!
「クリスマス♪クリスマスー♪」
「ちょっとはしゃぎすぎじゃないのか?」
六花がとてもご機嫌である。
それに飾り付けはまだ早すぎではないだろうか。
まだ朝の10時だというのに、もう壁や天井に飾りを付けている。
「まだ準備しなくてもいいんじゃないか?」
「やっ!準備するもん!今すぐしたいもん!」
「いやでもー……」
「絶対の絶対にするもん!」
そう言って飾り付けを再開した六花。
なぜ六花がここまで頑固になって飾り付けをするかというと……自分でも言いにくいのだが、たぶん俺と二人っきりだからである。
詳しく説明すると、去年みたいにみんなを集めてパーティーをする予定だった。
だけど、みんなそれぞれ用事が入っていたようで、亜美は家族でパーティー、美月兄妹も実家に帰省して、奈々と瑠璃は海外旅行。
こんな感じで誘ったものの断られ、結局今年のクリスマスは六花と二人きりで過ごすことになった。
てか、普通に流してたけど、奈々と瑠璃はクリスマスを海外で過ごすとかどんだけ優雅な生活をしているんだよ……
「飾り付け終了!」
「え?!」
気がつけば、リビング全体が飾りで壁や天井を埋め尽くされていた。
いくらなんても早くね?!
だって、飾り付けを始めたのって、たしか……今から10分前だよ!
それに何個か飾りを作ってたよね?!
六花の新たな神技を目撃したところで、ふとキッチンを見た。
「何やってんだ?昼ご飯の準備?今日はピザカットのピザじゃないの?」
今日は出前をとることになっていたはず。
なのに六花はエプロンをしてキッチンに立っている。
どういうことなのだろうか?
「ピザはとるよ。今から夜ご飯の支度をしようと思ってるの」
「いやいやいや。早くね?」
「そんなことないよ!」
六花は笑顔でそう言うとさっそく調理を始めた。
いくらなんでもまだ午前11時を回ってないのに、夜ご飯を作るなんて……
そんなに俺と二人きりのパーティーが楽しみなのかしらん。
ここは本人に聞いてみるか!
「なぁ、俺と二人きりのクリスマスパーティーがそんなに楽しみか?」
俺は半分冗談でそう聞くと、六花の動きが止まった。
そして1分後。
「しょ、しょんにゃことにゃいもん!」
六花は顔を真っ赤にして噛みまくりながらそう言った。
その様子を見て、俺はあまりの可愛さについ、
「ごちそうさまです……」
と、言ってしまった。
それを聞いた六花はなんのことか分からず、
「え?何がごちそうさまなの?……もしかして私の隠してたアイスを食べたの?」
と、自分の秘密を暴露していた。
バカだなぁー。
あとで隠してあるというアイスを探して食べよっ!
一応言っておくけど、俺アイスめっちゃ好きだからね!
2時間後。
俺は出前でとったピザを食べながら、リビングのソファーに座り、テレビ番組を見ていた。
やっぱりどのテレビ局もクリスマスの話題ばっかりだ。
「できたぁ!」
「ん?どれどれ……」
六花の嬉々とした声を聞き、ちょうど食べ終わったピザの空箱をゴミ箱に捨てるためとついでに出来上がった料理を見に行った。
「スゲェ!!」
「でしょでしょ!いつもより頑張ったの!」
六花が作った料理は本格レストランにでも出てきそうなくらいとても美味しそうで、盛り付け方はもう芸術。
こんな料理を見たら、またお腹が空いてきた。
でも……何かが足りないような……
「あ!六花!ケーキは?」
そうだ!クリスマスケーキがない!
すると、六花は人差し指を自分の顎に指して言った。
「クリスマスケーキは……ワ・タ・シ♡」
さて、皆さんに質問です。
ただ今六花ちゃんはなんと言ったでしょうか?
俺の聞き間違いかは分からないが、クリスマスケーキは自分だと言う。
……聞き間違いだよね!
「なんて言った?」
「だーかーらー!クリスマスケーキはワタシ!」
この度、うちの六花がご迷惑をおかけして申し訳ございませんでした。
調査の結果、どうやらこの子の思考回路に破損が見つかりましたので、直ちに修理工場である病院に連れてまいります。
今後とも愛読していただけると幸いです。
保護者 小鳥遊 隼人
と、いうことで病院に行くことを俺は六花に勧めた。
「なんで?!」
心底驚いたらしいが、「クリスマスケーキはワタシ」とか言われた俺の方がびっくりだったわ!
時計を見ると、午後12時を回ろうとしている。
六花と二人きりのクリスマスパーティーまであと7時間。
このあとはどうなることやら。襲われたりとかしないか心配である。
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