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第7話 その日の家で……。
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俺は家の中に入ると、真っ先にリビングで家事をしているであろう母さんの元へ向かった。
「母さん! どういうことだよ!」
声を荒げながらリビングに入ると、予想通り洗濯物を畳んでいる母さんがいた。
母さんはそんな俺に一瞬「何があったの?」というような顔をする。
「隣に引っ越してきた家族があーちゃんって分かってただろ!」
俺はともかく、母さんなら十年前の記憶だって残っている。
挨拶に来た時、あーちゃんの両親を一目見れば、分かっていたと思う。
それなのになぜ俺に伝えなかった?
俺はその意味合いも含め、そう言うと、母さんは考えるような仕草をとる。
「あー……言ってなかった?」
「言ってねーよ!!!」
まさかの伝え忘れに半分呆れながらもさらに声が大きくなる。
「まぁまぁ、そんなに怒らなくたっていいじゃない。逆に知らなかった方がサプライズみたいになったでしょ?」
「サプライズ? まったくなってなかったけど?」
大体、母さんが教えてくれさえすれば、転校してきた朝から気づいてやることが出来た。
そうすれば、休み時間は雑談したり、昼休みは一緒にご飯を食べることだって出来たと思う。
掃除時間までとはいえ、その前までは寂しい思いをさせずに済んだ。
「でも、そう言っているあんたも悪いのよ?」
「は?」
「私呼んだじゃない。隣に引っ越してきた方が挨拶に来たよって。だけど、あんためんどくさいとか何とか言って、部屋から出てこなかったじゃない」
「そ、それは……」
「私が悪いみたいな感じで言っているけど、あんたにも過失はあるんだからね?」
「うぐっ……」
俺は何も反論することが出来なかった。
確かに母さんからは先日、隣の家に引っ越してきた家族が挨拶に来たから出てくるようにとは言われたが……折角の休日。部屋でゴロゴロしてたいじゃん?
ということで、俺は部屋から出ることを拒んだ。
母さんに見事論破された俺は、ただうなり声しか出すことしか出来ず、そそくさと二階にある自室へ退避した。
☆
家に帰った私はすぐに自分の部屋に戻ると、カバンをそこら辺にぽいっと放り投げて、ベッドの上にそのままダイブします。
そして、近くにあった大きなくまのぬいぐるみを抱きかかえながら、口元を隠して、仰向けに横たわります。
「なんであんなことしちゃったのぉ~!」
今、思い出しただけでも恥ずかしいです。
顔から火が噴くんじゃないかってくらいに熱くなっていくのを感じます。
ゴロゴロ……ゴロゴロ。
どのくらいか、ベッドの上でぬいぐるみに顔を埋めながらゴロゴロしたところで落ち着いた私は冷静になります。
りょーくんと十年ぶりに再会できて、一時期は気づいてもらえないのかと不安でいっぱいでした。
でも、掃除時間になって、ようやく気づいてくれたことに嬉しすぎて、つい……えへへ。
ぎゅうぅぅぅぅぅぅ。
ぬいぐるみを強く抱きしめながら、今にでも発狂したくなる気持ちを必死に押さえます。
——それにしても、りょーくんの身体……あの頃とは違って、男の子らしく固くて、たくましくなって……えへ、えへへ。
さっきからだらしない笑みが止まりません。
りょーくんのことを考えれば考えるほどに頬が勝手に緩んでしまいます。
「やはり、りょーくんは私と結ばれるべきです」
ライトノベルとか少女漫画でもそうです。
幼なじみがほとんどの作品でメインヒロインとして登場して、最後は結ばれています。
こう見えて私も男の子向けのライトノベルとか読むのですよ?
「で、でも……りょーくんには——」
そうです。うっかりしてました。
りょーくんにはこの街に引っ越してからの幼なじみさんがいます。
——たしか……名前は訊きそびれていましたけど、舞さんだったかな?
りょーくんがそう呼んでいたのを覚えています。
あのツンとしたハリネズミみたいな態度の女の子……なんなんですか? すっごく可愛い子じゃないですか!?
身長が小さくて、まだ幼い感じが少し残っていて、しかも典型的なツンデレキャラですよ? もし、何かの拍子でデレだしたら並の男の子ならギャップ萌え? というもので瞬殺ですよ。
運命的な再会をしたと思ったら、思わぬ強敵……負けられません!
スタイル的には私の方が身長も高いですし、胸も大きいです。
「でもでも、男の子は小さい女の子の方が好きといいますし……」
りょーくんよりかは身長は低いですけど、同年齢の女の子たちと比べたら、私は高い方です。
なんで身長伸びちゃったのかな……小学校まではむしろ、小さかったのに……。
牛乳飲みすぎちゃった?
と、とにかくですっ! 舞さんの様子を見る限りではありますが、女の勘? というのでしょうか。舞さんがりょーくんに好意を寄せているように見えます。
私のりょーくんを盗られないためにもこれからは——。
「母さん! どういうことだよ!」
声を荒げながらリビングに入ると、予想通り洗濯物を畳んでいる母さんがいた。
母さんはそんな俺に一瞬「何があったの?」というような顔をする。
「隣に引っ越してきた家族があーちゃんって分かってただろ!」
俺はともかく、母さんなら十年前の記憶だって残っている。
挨拶に来た時、あーちゃんの両親を一目見れば、分かっていたと思う。
それなのになぜ俺に伝えなかった?
俺はその意味合いも含め、そう言うと、母さんは考えるような仕草をとる。
「あー……言ってなかった?」
「言ってねーよ!!!」
まさかの伝え忘れに半分呆れながらもさらに声が大きくなる。
「まぁまぁ、そんなに怒らなくたっていいじゃない。逆に知らなかった方がサプライズみたいになったでしょ?」
「サプライズ? まったくなってなかったけど?」
大体、母さんが教えてくれさえすれば、転校してきた朝から気づいてやることが出来た。
そうすれば、休み時間は雑談したり、昼休みは一緒にご飯を食べることだって出来たと思う。
掃除時間までとはいえ、その前までは寂しい思いをさせずに済んだ。
「でも、そう言っているあんたも悪いのよ?」
「は?」
「私呼んだじゃない。隣に引っ越してきた方が挨拶に来たよって。だけど、あんためんどくさいとか何とか言って、部屋から出てこなかったじゃない」
「そ、それは……」
「私が悪いみたいな感じで言っているけど、あんたにも過失はあるんだからね?」
「うぐっ……」
俺は何も反論することが出来なかった。
確かに母さんからは先日、隣の家に引っ越してきた家族が挨拶に来たから出てくるようにとは言われたが……折角の休日。部屋でゴロゴロしてたいじゃん?
ということで、俺は部屋から出ることを拒んだ。
母さんに見事論破された俺は、ただうなり声しか出すことしか出来ず、そそくさと二階にある自室へ退避した。
☆
家に帰った私はすぐに自分の部屋に戻ると、カバンをそこら辺にぽいっと放り投げて、ベッドの上にそのままダイブします。
そして、近くにあった大きなくまのぬいぐるみを抱きかかえながら、口元を隠して、仰向けに横たわります。
「なんであんなことしちゃったのぉ~!」
今、思い出しただけでも恥ずかしいです。
顔から火が噴くんじゃないかってくらいに熱くなっていくのを感じます。
ゴロゴロ……ゴロゴロ。
どのくらいか、ベッドの上でぬいぐるみに顔を埋めながらゴロゴロしたところで落ち着いた私は冷静になります。
りょーくんと十年ぶりに再会できて、一時期は気づいてもらえないのかと不安でいっぱいでした。
でも、掃除時間になって、ようやく気づいてくれたことに嬉しすぎて、つい……えへへ。
ぎゅうぅぅぅぅぅぅ。
ぬいぐるみを強く抱きしめながら、今にでも発狂したくなる気持ちを必死に押さえます。
——それにしても、りょーくんの身体……あの頃とは違って、男の子らしく固くて、たくましくなって……えへ、えへへ。
さっきからだらしない笑みが止まりません。
りょーくんのことを考えれば考えるほどに頬が勝手に緩んでしまいます。
「やはり、りょーくんは私と結ばれるべきです」
ライトノベルとか少女漫画でもそうです。
幼なじみがほとんどの作品でメインヒロインとして登場して、最後は結ばれています。
こう見えて私も男の子向けのライトノベルとか読むのですよ?
「で、でも……りょーくんには——」
そうです。うっかりしてました。
りょーくんにはこの街に引っ越してからの幼なじみさんがいます。
——たしか……名前は訊きそびれていましたけど、舞さんだったかな?
りょーくんがそう呼んでいたのを覚えています。
あのツンとしたハリネズミみたいな態度の女の子……なんなんですか? すっごく可愛い子じゃないですか!?
身長が小さくて、まだ幼い感じが少し残っていて、しかも典型的なツンデレキャラですよ? もし、何かの拍子でデレだしたら並の男の子ならギャップ萌え? というもので瞬殺ですよ。
運命的な再会をしたと思ったら、思わぬ強敵……負けられません!
スタイル的には私の方が身長も高いですし、胸も大きいです。
「でもでも、男の子は小さい女の子の方が好きといいますし……」
りょーくんよりかは身長は低いですけど、同年齢の女の子たちと比べたら、私は高い方です。
なんで身長伸びちゃったのかな……小学校まではむしろ、小さかったのに……。
牛乳飲みすぎちゃった?
と、とにかくですっ! 舞さんの様子を見る限りではありますが、女の勘? というのでしょうか。舞さんがりょーくんに好意を寄せているように見えます。
私のりょーくんを盗られないためにもこれからは——。
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