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願いと想いと
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緊張を帯びた声音で叫ぶ悟の声に応じて梨乃はリリの身体を自分の方へと引き寄せ、そして横にずれる。
梨乃達が避けた事によって弾丸はステージの上にセットされていた小物を撃ち抜いた。
梨乃達が弾丸を交わした事に多少安堵しながらも悟は強い瞳で前を見据え、次々と襲いかかる弾丸を交わしながら、自らも時雨に向かって幾らか発砲をした。
悟が放つ銃弾は彼の肩、腕、脚などを掠める程度のものだった。
だがそれは敢えてわざと外していた。悟の拳銃の中に込められた弾丸は相手に致命傷を与えるものではなく、例え至近距離から撃ち抜かれたとしても、とても命を落とすような代物ではなかった。
彼が込めた弾丸の成分は身体を麻痺にさせるものだ。麻痺と言っても一時的の感覚麻痺のようなものに近い。
もし仮に撃たれたとしても10分、15分ぐらいですぐに身体が元通りに動ける。元々この弾丸は悟自身が独自に作り上げたものであり、彼の今手にしている拳銃もそれに然りだった。
(とは言え、やっぱりアイツ我を忘れて無茶苦茶に撃って来やがってるな……)
彼の身体からわざと狙いを外して応戦すれば凶器を手にしたことが無い人間の大半は僅かな怯みが生まれる。
だが目の前の男はそれは微塵も感じさせられなかった。
元々彼は愛しい彼女と共に自らの命を絶とうとした。言ってしまえば最初から死ぬつもりだったのだ。
そんな人間が今更自分の命の危険性何てものを考える必要はない。彼の願いはリリと一緒に死ぬ事。
ただそれだけ。
今の彼はただ無闇に暴走している。このままではリリが望むかたちには叶えてやれない。
彼女の願いを叶える為には一度彼を無力化する必要がある。
悟はダッと、床を蹴ると共にその場から駆け出した。
時雨の繰り出す銃弾を回避しながらも、時雨の方へと突進してくる悟を見て時雨は顔をしかめ、舌打ちしながら悟へと銃弾を連射した。
だが悟はそれすらもギリギリのところで交わし続けていき悟の肩をチッと、掠めただけだった。
それを見、時雨は顔色を変えながら何度も引き金を引く。
何度も
何度も
だがいくらトリガーを引いても一発の銃弾ですら目の前の男を撃ち抜けない。
それどころか今拳銃に込めた残りの弾の数ですらも把握出来ずにいた。
銃弾の予備は用意しているがカードリッジを交換しなくてはならない。
しかし今の状況でそんな余裕さえなかった。もし弾が切れてしまったらそこで終わりだ。
本来ならば当初の予定ではすぐに彼らを始末し、リリと自分の分の弾丸さえ残れば良かった。
それは少量の弾丸さえあればこと足りる筈だった。
だが種原悟がこんなに手こずる相手だったとは予想外だった。
弾丸を次々と避け、さらに撃ち返すなんて芸当は普通の人間ではありえない事だ。
……あいつは一体何者なんだ……
一つの疑問が頭の中を駆け巡ると同時に、引き金を引き続けていた拳銃からカチリとした乾いた音が自分の耳へと届いた。
それは弾が全て切れてしまった音だった。
一瞬でゾッと血の気が引くのを感じた。
その時だった。
時雨の懐に悟が潜り込み、時雨の腹部に拳銃をゴリっと押し当てると、
「悪いがこれで終わりだ」
彼は低い声で静かに囁き引き金を引いた。
「!?」
ゼロ距離での攻撃。
ドン!!! 強い痛みと衝撃を受け時雨は真後ろへと吹き飛んだ。
強く地面に叩きつけられ、身体中に痛みを感じながらもその身を起こそうとするが思ったように身体に力が入らない。
……ああ。これで終わりだ……
彼はそう思った。
あの距離で撃たれたのならば無事でいられるはずはない。
きっと自分の身体からはおびただしい赤黒い血が流れていることだろう……。
別に死ぬ事は怖くはない。
心残りが……後悔があるとしたら彼女と一緒に逝けなかったことだけ。
あの日から彼女との距離が遠く感じたあの日から彼女の笑顔が減っていた。
キラキラと輝くステージの中で彼女は笑顔で輝いていた。
だがそれは本当に彼女の心からの笑顔だったのだろうか?
もし違っていたとしたら?
そう思って計画を実行した。
なのに。
なのに。
時雨は視線だけを動かし、リリの方へと向けた。そこには今にも泣きそうな目で自分を見る彼女の姿があった。
───そんな顔をさせる為にやってきたんじゃない……───
(………お前の笑顔がもう一度見たかっただけなんだ………)
そう思い手を伸ばそうとした。
だが彼は自分の身体の違和感に気づいた。
いまだに想像した死に直面するような酷い痛みが襲って来ない。
それどころか身体中が麻痺している感覚に近い。
どう言う事だ……。あの距離で撃たれたのならば運が悪ければ即死。
そうでなくとも死に至るはずだ。
それが何故……?
時雨は必死に手を動かし、自分の腹部へと当てる。貫かれた場所には小さな穴が空いているが、腹部のからは一滴の血が流れてはいなかった。
疑問を巡らせる時雨へと無遠慮な声が飛んできた。
「残念ながらそいつは実弾じゃなくって俺が改良したオリジナルの銃弾。安心しろ死にはしねぇよ」
そう答え、悟は時雨の方へと歩み寄る。
そんな悟の姿を見て時雨は動かない身体に力を入れ、見を起こした。
「お前スゲェな。それ撃ち込まれたら長くても10分ぐらいろくに動けないぞ」
「……さっさと殺せ……」
諦め吐き捨てたように言う時雨に、彼の前に立ち止まった悟は彼を冷たい瞳で見下ろしながら静かに一言告げた。
「殺さねぇよ」
それは何処か重みを帯びた声に近かった。
時雨は一瞬押し黙り、そして口を開こうとするがその前に悟が再び口を開いた。
「お前は罪を犯した。それもけして赦されない罪で一生お前に付き纏うものだ。だけどお前は罪を償う事以前に死ぬ事を先に選ぼうとした。それは自分の罪から逃げ出す事だ」
悟は一度言葉を切り、そして続けた。
「俺はどんな理由があろうが犯罪を犯した奴をけして赦さない。それが況してや自分が犯した罪を償うことから目を背け、死ぬ事で逃げ出そうするならば尚更だ。いいか、俺はお前を殺さない。お前は生きて罪を償え、そして自分の罪と向き合え。それが今お前出来る事だ」
「…………」
そう告げると悟は真剣な表情からいつもと変わらない口調で言った。
「それにお前は死ぬ前提でここまでの騒ぎを起こして、結局のところ後戻りなんて出来ねーとか思ってんのかもしんねぇけどさ、またゼロから初めて見ればいいんじゃねぇの?罪を償いながらさ。今度は間違わないように、自分の足取りでしっかりと歩けるように。人間は何度も間違えをする。最初から間違わない奴なんっていねぇよ」
「…………」
「自分の中にあるギリギリのラインを超えるか、超えないかで変わってくるんだ。だけど今のお前にはまだ待ってくれている奴がいる。そいつの為にもう一度立ち上がって、歩いてみるってのもいいんじゃねぇのか」
「俺にはもう待っている人なんて……」
力なく時雨はそう言葉を口にした。
そんな時雨へとリリは静かな足取りで彼の前に立った。
その姿を見て梨乃は即座に動こうとするが、彼女へと悟は手で制した。
リリは彼に一歩近づき、腰を折ると感覚がない彼の手を取った。
「あなたは間違いを犯した。それはきっと赦されない事……」
そうポツリと小さく言うとリリは握っていた手をぎゅっと強く握り、眉根を下げながら、
言葉を告げた。
「ちゃんと罪を償って……それでもう一度やり直そう。今度はわたしもあなたの事を心から信じるから。頼りになるお兄ちゃんじゃなくって、怒ったり、笑ったりしながら本当の顔をお互い見せ合いながらもう一度やりなおそうよ……」
そう言い、リリは泣きそうな顔で無理やり笑った。
「あのね、今さらだけどわたし時雨の嫌いなもの、好きなものとか知らないの。ずっと幼馴染で側にいたのにこんな事も知らなかったんだ。だからね……小さな事でもいいの。昔みたいにもう一度ゼロからやり直そうよ。一緒に一歩一緒にゆっくり歩きながらさ……」
いつからだっただろうか……。
彼女に必要以上に固執し、手に入れたいと思うようになったのは……。
最初彼女が学校で虐められているのを知った時、毎日沈んでいる彼女の顔を見て彼女を助けたいと思った。
アイドルになった時だって彼女が本当に心から笑っているようには感じなかった。
本当は彼女にずっと笑って欲しかった。
……そうか……。俺はずっとただリリに笑っていて欲しかっただけなんだ……
彼の本心とも言える思いが彼女に対する強い恋愛感情が酷く歪み、結果彼女に固執し執着した。
彼女が自分の側にずっといて欲しいが為だけに。
時雨はリリの顔を見ながら眉根を下げ、少し困ったようにそれでいて少しだけ笑った。
「有難うリリ」
その言葉を聞き、リリは微笑みを浮かべながらも頷きそして彼女の瞳からは一筋の涙が頬を伝い、零れ落ちた。
梨乃達が避けた事によって弾丸はステージの上にセットされていた小物を撃ち抜いた。
梨乃達が弾丸を交わした事に多少安堵しながらも悟は強い瞳で前を見据え、次々と襲いかかる弾丸を交わしながら、自らも時雨に向かって幾らか発砲をした。
悟が放つ銃弾は彼の肩、腕、脚などを掠める程度のものだった。
だがそれは敢えてわざと外していた。悟の拳銃の中に込められた弾丸は相手に致命傷を与えるものではなく、例え至近距離から撃ち抜かれたとしても、とても命を落とすような代物ではなかった。
彼が込めた弾丸の成分は身体を麻痺にさせるものだ。麻痺と言っても一時的の感覚麻痺のようなものに近い。
もし仮に撃たれたとしても10分、15分ぐらいですぐに身体が元通りに動ける。元々この弾丸は悟自身が独自に作り上げたものであり、彼の今手にしている拳銃もそれに然りだった。
(とは言え、やっぱりアイツ我を忘れて無茶苦茶に撃って来やがってるな……)
彼の身体からわざと狙いを外して応戦すれば凶器を手にしたことが無い人間の大半は僅かな怯みが生まれる。
だが目の前の男はそれは微塵も感じさせられなかった。
元々彼は愛しい彼女と共に自らの命を絶とうとした。言ってしまえば最初から死ぬつもりだったのだ。
そんな人間が今更自分の命の危険性何てものを考える必要はない。彼の願いはリリと一緒に死ぬ事。
ただそれだけ。
今の彼はただ無闇に暴走している。このままではリリが望むかたちには叶えてやれない。
彼女の願いを叶える為には一度彼を無力化する必要がある。
悟はダッと、床を蹴ると共にその場から駆け出した。
時雨の繰り出す銃弾を回避しながらも、時雨の方へと突進してくる悟を見て時雨は顔をしかめ、舌打ちしながら悟へと銃弾を連射した。
だが悟はそれすらもギリギリのところで交わし続けていき悟の肩をチッと、掠めただけだった。
それを見、時雨は顔色を変えながら何度も引き金を引く。
何度も
何度も
だがいくらトリガーを引いても一発の銃弾ですら目の前の男を撃ち抜けない。
それどころか今拳銃に込めた残りの弾の数ですらも把握出来ずにいた。
銃弾の予備は用意しているがカードリッジを交換しなくてはならない。
しかし今の状況でそんな余裕さえなかった。もし弾が切れてしまったらそこで終わりだ。
本来ならば当初の予定ではすぐに彼らを始末し、リリと自分の分の弾丸さえ残れば良かった。
それは少量の弾丸さえあればこと足りる筈だった。
だが種原悟がこんなに手こずる相手だったとは予想外だった。
弾丸を次々と避け、さらに撃ち返すなんて芸当は普通の人間ではありえない事だ。
……あいつは一体何者なんだ……
一つの疑問が頭の中を駆け巡ると同時に、引き金を引き続けていた拳銃からカチリとした乾いた音が自分の耳へと届いた。
それは弾が全て切れてしまった音だった。
一瞬でゾッと血の気が引くのを感じた。
その時だった。
時雨の懐に悟が潜り込み、時雨の腹部に拳銃をゴリっと押し当てると、
「悪いがこれで終わりだ」
彼は低い声で静かに囁き引き金を引いた。
「!?」
ゼロ距離での攻撃。
ドン!!! 強い痛みと衝撃を受け時雨は真後ろへと吹き飛んだ。
強く地面に叩きつけられ、身体中に痛みを感じながらもその身を起こそうとするが思ったように身体に力が入らない。
……ああ。これで終わりだ……
彼はそう思った。
あの距離で撃たれたのならば無事でいられるはずはない。
きっと自分の身体からはおびただしい赤黒い血が流れていることだろう……。
別に死ぬ事は怖くはない。
心残りが……後悔があるとしたら彼女と一緒に逝けなかったことだけ。
あの日から彼女との距離が遠く感じたあの日から彼女の笑顔が減っていた。
キラキラと輝くステージの中で彼女は笑顔で輝いていた。
だがそれは本当に彼女の心からの笑顔だったのだろうか?
もし違っていたとしたら?
そう思って計画を実行した。
なのに。
なのに。
時雨は視線だけを動かし、リリの方へと向けた。そこには今にも泣きそうな目で自分を見る彼女の姿があった。
───そんな顔をさせる為にやってきたんじゃない……───
(………お前の笑顔がもう一度見たかっただけなんだ………)
そう思い手を伸ばそうとした。
だが彼は自分の身体の違和感に気づいた。
いまだに想像した死に直面するような酷い痛みが襲って来ない。
それどころか身体中が麻痺している感覚に近い。
どう言う事だ……。あの距離で撃たれたのならば運が悪ければ即死。
そうでなくとも死に至るはずだ。
それが何故……?
時雨は必死に手を動かし、自分の腹部へと当てる。貫かれた場所には小さな穴が空いているが、腹部のからは一滴の血が流れてはいなかった。
疑問を巡らせる時雨へと無遠慮な声が飛んできた。
「残念ながらそいつは実弾じゃなくって俺が改良したオリジナルの銃弾。安心しろ死にはしねぇよ」
そう答え、悟は時雨の方へと歩み寄る。
そんな悟の姿を見て時雨は動かない身体に力を入れ、見を起こした。
「お前スゲェな。それ撃ち込まれたら長くても10分ぐらいろくに動けないぞ」
「……さっさと殺せ……」
諦め吐き捨てたように言う時雨に、彼の前に立ち止まった悟は彼を冷たい瞳で見下ろしながら静かに一言告げた。
「殺さねぇよ」
それは何処か重みを帯びた声に近かった。
時雨は一瞬押し黙り、そして口を開こうとするがその前に悟が再び口を開いた。
「お前は罪を犯した。それもけして赦されない罪で一生お前に付き纏うものだ。だけどお前は罪を償う事以前に死ぬ事を先に選ぼうとした。それは自分の罪から逃げ出す事だ」
悟は一度言葉を切り、そして続けた。
「俺はどんな理由があろうが犯罪を犯した奴をけして赦さない。それが況してや自分が犯した罪を償うことから目を背け、死ぬ事で逃げ出そうするならば尚更だ。いいか、俺はお前を殺さない。お前は生きて罪を償え、そして自分の罪と向き合え。それが今お前出来る事だ」
「…………」
そう告げると悟は真剣な表情からいつもと変わらない口調で言った。
「それにお前は死ぬ前提でここまでの騒ぎを起こして、結局のところ後戻りなんて出来ねーとか思ってんのかもしんねぇけどさ、またゼロから初めて見ればいいんじゃねぇの?罪を償いながらさ。今度は間違わないように、自分の足取りでしっかりと歩けるように。人間は何度も間違えをする。最初から間違わない奴なんっていねぇよ」
「…………」
「自分の中にあるギリギリのラインを超えるか、超えないかで変わってくるんだ。だけど今のお前にはまだ待ってくれている奴がいる。そいつの為にもう一度立ち上がって、歩いてみるってのもいいんじゃねぇのか」
「俺にはもう待っている人なんて……」
力なく時雨はそう言葉を口にした。
そんな時雨へとリリは静かな足取りで彼の前に立った。
その姿を見て梨乃は即座に動こうとするが、彼女へと悟は手で制した。
リリは彼に一歩近づき、腰を折ると感覚がない彼の手を取った。
「あなたは間違いを犯した。それはきっと赦されない事……」
そうポツリと小さく言うとリリは握っていた手をぎゅっと強く握り、眉根を下げながら、
言葉を告げた。
「ちゃんと罪を償って……それでもう一度やり直そう。今度はわたしもあなたの事を心から信じるから。頼りになるお兄ちゃんじゃなくって、怒ったり、笑ったりしながら本当の顔をお互い見せ合いながらもう一度やりなおそうよ……」
そう言い、リリは泣きそうな顔で無理やり笑った。
「あのね、今さらだけどわたし時雨の嫌いなもの、好きなものとか知らないの。ずっと幼馴染で側にいたのにこんな事も知らなかったんだ。だからね……小さな事でもいいの。昔みたいにもう一度ゼロからやり直そうよ。一緒に一歩一緒にゆっくり歩きながらさ……」
いつからだっただろうか……。
彼女に必要以上に固執し、手に入れたいと思うようになったのは……。
最初彼女が学校で虐められているのを知った時、毎日沈んでいる彼女の顔を見て彼女を助けたいと思った。
アイドルになった時だって彼女が本当に心から笑っているようには感じなかった。
本当は彼女にずっと笑って欲しかった。
……そうか……。俺はずっとただリリに笑っていて欲しかっただけなんだ……
彼の本心とも言える思いが彼女に対する強い恋愛感情が酷く歪み、結果彼女に固執し執着した。
彼女が自分の側にずっといて欲しいが為だけに。
時雨はリリの顔を見ながら眉根を下げ、少し困ったようにそれでいて少しだけ笑った。
「有難うリリ」
その言葉を聞き、リリは微笑みを浮かべながらも頷きそして彼女の瞳からは一筋の涙が頬を伝い、零れ落ちた。
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