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『ヒール196』

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『ヒール196』



大魔導士ジェンティル 視点


 サリオスが精霊の加護が欲しいと言ってきた。

 あの時に私は反対しなかった。

 ムジカは反対してたかな。

 精霊の加護は、伝説によると魔王を倒したパーティーが加護をしていたとかあった。

 本当かどうか微妙ではあるが、サリオスについていった。

 精霊の泉があった。

 私にも見えた精霊神。

 精霊神の条件で加護を受けた。

 あまり信じる気になれなかったのは、伝記の話でしょうから。

 嘘も本当も混じっていると思って。

 うわわわああああああああああああああ!

 ステータスは、別人に上昇して、思わず叫んでしまう、声にはしてないけど。

 ムジカは声にしてた。

 同じく精霊の加護を受けたから。

 猫人と兎人が私をバカにした。

 どうせCランクと言っていた、中級ランクの2人。

 精霊の加護がなくなったから、私に勝てると?

 そんな単純な理由で勝てると思って?

 ふざけんなああああああああ!

 あんたのとこのトレイルが変なヒールしたからだろ!

 余計なヒールしたのを、どう取り次ぐろうのよ!

 もう精霊の加護は使えないなら、私のランクは以前の加護を受ける前だ。

 こうなったらトレイルの竜の守りは全員、帰さない。

 この場で始末してやる。

 トレイルも要らない。

 今までは森の王の雑用係にしてやるとなっていたから、多めに見ていた。

 変なゲオルギウスのヒールをしたので、森の王にも要らない。

 消すのみ!

 先ずは猫人のローズと兎人のシシリエンヌとか言ったな。

 トレイルは後にしてもいいので、先に2人を片付ける。

 以前の能力は戻ったとしても、魔力を上手くコントロールしたら、魔法は使える。

 氷の月魔法を打つ。

 魔力は抑え気味に使った。

 竜神様との戦いの際は、最大限に魔力を使い、結果は小雪が一粒となった。

 ふふふふふふ、氷の魔法で猫人も兎人も氷にしてやろう。

 氷で埋めつくしてやろう。

 この町ごと氷づけにしてやる。

 あれ、猫人は走っている?

 なぜ走れる?

 氷にした地面を走れるわけない。

 速い!

 これが猫人の速さか!

 この強さはなんだ?

 トレイルは回復術士の域を超えている。

 体力を完全に回復するし、何人でも回復するし、魔力は消費しない。

 これがあの、あの最弱の回復術士のトレイルなの。

 つい最近まで雑用係をしていた、トレイルと同じ人物なの。

 信じられないし、信じたくないわよね。

 私の可愛いトレイルなんだから、私に逆らうわけないものね、ええええっ、回復してる!

 私にはヒール回復魔法ぜすに、猫人と兎人を回復してる。

 このままだと、体力と魔力でいくら私が上でも、限界があるのに、相手はトレイルが回復するから回復してしまう!

 サリオスが先にトレイルを倒さないと、何回でもこの子らは回復しちゃう。

 サリオス、サリオス、早くトレイルを倒しなさい、あなたがトレイルと戦うのなら。
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