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『ヒール193』

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『ヒール193』


大剣士ムジカ 視点


 オレはサリオスの考えに反対だ。

 精霊神がいるのかいないのか、オレの考えでは、たぶんいないだろうな。

 伝説的な神だからな。

 話には聞いたのは、精霊神は魔族とも単独で戦える力がある。

 人族に力を貸す加護があるとも。

 しかし伝説は人の作った創作のも多くあった。

 言い伝えであったり、誰かの創作だったりする。

 精霊神なんて無視していいと言うと、サリオスはムキになった。

 サリオスはどうしても精霊神を探すと言い出してきかない。

 それでジェンティルは、あきれていた。

 仕方ないからサリオスに従い、精霊神を探すと精霊の森を偶然にも発見した。

 あるのかよ!

 絶対に嘘だと思っていたから驚いた。

 嘘みたいだが精霊の泉という言い伝えがあり、森には泉もあった。

 泉もあるのかよ!

 探してみるものだ。

 サリオスはやたら喜んでいて、あきらめないところがある。

 サリオスの良い点と悪い点でもあるな。

 常に上を目指すところは、オレにも良い影響を与えてくれているが、逆にうざいところもある。

 一度言い出すと、誰にも耳を貸さないからだ。

 サリオスは精霊神と会話して、加護をしろと言い出す。

 無理だろうなと思っていたら、とんでもない条件をつけてきた精霊神。

 Bランク以上の冒険者を泉に入れるという、それも50人分。

 頭がおかしいのか、精霊神ではなく魔族だろうと思ったほどだ。

 サリオス、本気かよ!

 当然にオレは反対したら、サリオスは必ずすると断言し、オレと口論となった。

 ジェンティルは前向きだったのは、もっと魔導士を極めたいと思っていたらしい。

 その時はジェンティルもオレもサリオスも、Bランク冒険者で、森の王のパーティーランクもBランク。

 そしてBランクから評価は止まっていた。

 最初は勢いはあって、F、E、D、Cランクまでは、スムーズにランクアップしたのは嬉しかった。

 けどBランクになり、勢いは止まった。

 BランクとAランクには大きな壁があり、ランクアップされるパーティーは極端に減る。

 つまりAランクパーティーは国にも少ない数しかいない。

 森の王はAランクには遠いとギルドに言われてサリオスは、いらついていた。
 
 なぜAランクになれないのかと。

 精霊神の条件とおりにBランク冒険者50人を集め、精霊の森に行った。

 サリオスが大嘘を言った。

 勇者になれるとか、絶対に無理な話をでっち上げた。

 騙されたまま、しかもしびれ薬を飲ました。

 とんでもない極悪な人間だよサリオスは!

 50人ものBランク冒険者は、国には貴重な人材。

 クエストもCランクにはできない難易度の高いダンジョンにも行けるし、魔物から守るのに大いに貢献している。

 そのBランク冒険者を殺そうとしているのだ。

 理由はオレのために死ぬのは彼らに撮って無駄な死ではないとか。

 バカか!

 あまりの自分勝手な論理に背中を切りそうになった。

 そして、しびれたところで、冒険者を泉に入れるとサリオスは言った。

 しびれ始めたあたりで、オレは気が変わった。

 もうここまでやってしまったら、あと戻りは無理だ。

 しびれさせて苦しんでいるのだから、言い訳はできないよな。

 精霊神は、今ならまだ引き返せるとか言った。

 しかしオレは逆。

 引き返せるくらいなら、このまま行くしかないとなる。

 どうせBランクからランクアップしないのはわかっていた。

 それなら精霊の加護をしてみるのもありかなと。

 ずっと反対していたサリオスはオレの変わりように驚いた。

 Bランク冒険者を50人を一気に投げた、泉に。

 精霊神は契約とおりに加護となって、姿は消えた。

 加護になると姿は消えるようだ。

 そしたらオレのなかで変化が起きた。

 あああああああああああああああああああああああああああああ。

 こいつは凄えええええええええええええええええええええ!

 精霊の加護をその場で実感した。

 まるで神になった気分だああああああああああああああああ!
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