147 / 232
『ヒール135』
しおりを挟む
『ヒール135』
勇者パーティー編
護衛カザルスはサリオスの戦闘の意思を知った時に仲間の護衛にも伝える。
「サリオスは今後敵と見なします。戦いの準備を!」
「カザルスさん、いくら勇者でも僕たち5人を相手には勝ち目はありません」
「そうです。サリオスにわからせてやります」
「面白い。勇者の戦い方を教えてやろう」
カザルスと護衛4人はサリオスと対面した。
神殿の入り口は戦いの場となりつつあったのを遠目からジェンティルは見ていた。
ジェンティルはサリオスに任せたから交渉には行かなかったものの、交渉が上手くいくとは思っておらず、帰ってくると思っていた。
「サリオスは交渉成功したらそれはそれでいいとして、剣が手に入るのだし。けども交渉が失敗したら帰ってくるわね。私はサリオスが失敗し帰って来ると思う」
「そうかな。サリオスが大人しく引き下がるかな。交渉を絶対に引かない性格だろ。だから、グチグチ言って中に入れてもらうんじゃねえか」
ムジカは逆に交渉を成功すると言った。
サリオスの引かない性格を知っていたから。
負けず嫌いなサリオスの性格を。
「それ、あるかも。サリオスは面倒くさい。負けず嫌いだから」
「それ、お前が言うか。お前こそ面倒くさい性格してるよ」
「ムジカもね」
「それよりサリオスの様子がおかしくないか。護衛達と会話していたが戦い始めたぜ!」
ジェンティルと会話していた時にサリオスと護衛カザルスが戦いに突入したのを見た。
戦いに参加するには距離がある。
参戦するなら距離を縮める。
「あいつなぜ交渉しに行って戦い始めるんだ。バカか。私は行かないよ。サリオスが悪いんだから、サリオスに全てやらせる」
サリオスの全責任としてジェンティルは知らんぷりした。
「護衛と戦って大丈夫なのか。もし護衛に何かあったなら、騎士団や国王も敵にまわすぜ」
ムジカが心配した時にはサリオスは護衛カザルスと剣がぶつかり合っていた。
「勇者の剣をどうぞ竜人族さん、ブレードソード」
「来るがいい、偽物勇者!」
カザルスは竜人族の住む町の中でも最強の剣士と呼ばれる。
世界には、人族、猫人族、エルフ族、ドワーフ族、兎人族など多くの人種は存在しており、特徴的な性質を持つ。
猫人のローズは爪が特に強く、爪での攻撃が可能であり、猫らしく素早さもある。
エルフ族はパピアナと同じで魔法適正が高く、魔力も豊富な面があるし、攻撃魔法にも防御魔法も使える。
ドワーフ族はミヤマがダンジョンに居たように、ダンジョンで採掘をして素材を集める者が多い。
さらに素材から錬金術で武器防具やアイテムまでも造れる技術を持つ。
兎人族はシシリエンヌの特徴である跳躍力。
人族の跳躍力と比べたら数倍にもなり、大きな谷も超えられる程。
人族は武器での戦闘と魔法による戦闘もこなせる器用さがあり、バランスが取れていると言える。
竜人族は人族と比べ腕力が高い傾向を持つ。
さらに剣と魔法を合わせた攻撃も可能な特徴がある。
カザルスも魔法剣を使える。
サリオスのブレードソードを瞬時に防御した。
防御したもののあまりの強さに後方に吹き飛ぶ。
神殿の柱に激突。
サリオスが有利になった。
「カザルス!」
「立てる。まだ戦える」
カザルスは柱に激突して仲間に心配されるも、直ぐに立ち上がり余裕をみせる。
カザルスにとって勇者と戦うのは初めてだった。
勇者なら本来は神殿に案内するはずが残念ながらサリオスと戦うことになった。
勇者認定されるくらいなので強いのは当然。
剣の強さは感じたことのない強さ。
それに剣の速さも並のレベルではなかった。
勇者と戦うには自分の持つ全てを出し切るしかないなと今の一撃でわかってしまった。
簡単には勝てそうにないと判断しカザルスも攻撃に移る。
「勇者と言うのは本当のようだな。今の剣は強かった」
「当たり前だろ、俺は勇者なんだ。最初から言ってるだろう。早く中に入れろよ」
「入れるわけには行きません。竜人族の剣を受けなさい。偽勇者さん、ファイアソード」
カザルスの剣は銀色の鉄だったが、魔法剣のファイアソードを使うと、剣は赤みを帯びていく。
真っ赤な炎が剣を包み込んだ。
「魔法剣か。来るなら来なよ!」
ファイアソードがサリオスに向かう。
炎で包まれた剣を剣で受ける。
サリオスは魔法剣を経験済みだった。
通常の剣との戦いよりも難しいのはわかっていたが、十分に防げる範囲にあると判断した。
それに魔王クラスの魔物とも戦ってきたサリオスからは竜人族だろうが、怖くはなかった。
剣で防御した。
「くっ!」
サリオスは防御したにも関わらず、剣が弾かれる。
傷を負った。
ドラゴンや魔王級の相手なら傷は当たり前だが、人に傷つけられるのは久しぶりだった。
苦い顔をしたら、カザルスは攻撃を続ける。
チャンスと見たからで、勇者を倒せると思った。
「今だっ、竜人族を甘くみるなっ!」
ファイアソードがサリオスに降りかかる。
猛烈な連打にサリオスは防戦となる。
勇者をここまで攻勢をかけられる者は多くない。
カザルスは竜人族でも指折りの剣使いだった。
神殿を守る役割を得たのは、カザルスには光栄な仕事となり、誇りを持っている。
絶対にサリオスには渡さないと決める。
自分の命にかけて守り抜く闘志が剣に伝わった。
それをサリオスは感じ取る。
竜人族の剣士かここまでして守りたい剣。
どうしても欲しい。
どうしても欲しくてたまらなくなる。
欲しくなったら手に入れるのがサリオスで、
「竜人の剣、ますます欲しくなったぞ!」
「絶対に渡さない!」
「悪いなカザルス、俺の欲求本能がお前を上回った」
ここまで攻勢に来ていたファイアソードを受け止めて、ブレードソードが押し返した。
サリオスの欲しい欲求が爆発した形となる。
カザルスは吹き飛んだ。
「ああああ!」
「カザルス!」
同じ竜人族の護衛が吹き飛んだカザルスを助けに行った。
体は傷だらけであり、大量の血を流す姿に、ショックを隠しきれない。
もう戦える状態ではなかったのは明らかだった。
護衛達は怒りが湧き上がる。
自分たちの護衛長であるカザルスを瀕死にさせた勇者に対して。
4人の護衛が剣を構えた。
勇者パーティー編
護衛カザルスはサリオスの戦闘の意思を知った時に仲間の護衛にも伝える。
「サリオスは今後敵と見なします。戦いの準備を!」
「カザルスさん、いくら勇者でも僕たち5人を相手には勝ち目はありません」
「そうです。サリオスにわからせてやります」
「面白い。勇者の戦い方を教えてやろう」
カザルスと護衛4人はサリオスと対面した。
神殿の入り口は戦いの場となりつつあったのを遠目からジェンティルは見ていた。
ジェンティルはサリオスに任せたから交渉には行かなかったものの、交渉が上手くいくとは思っておらず、帰ってくると思っていた。
「サリオスは交渉成功したらそれはそれでいいとして、剣が手に入るのだし。けども交渉が失敗したら帰ってくるわね。私はサリオスが失敗し帰って来ると思う」
「そうかな。サリオスが大人しく引き下がるかな。交渉を絶対に引かない性格だろ。だから、グチグチ言って中に入れてもらうんじゃねえか」
ムジカは逆に交渉を成功すると言った。
サリオスの引かない性格を知っていたから。
負けず嫌いなサリオスの性格を。
「それ、あるかも。サリオスは面倒くさい。負けず嫌いだから」
「それ、お前が言うか。お前こそ面倒くさい性格してるよ」
「ムジカもね」
「それよりサリオスの様子がおかしくないか。護衛達と会話していたが戦い始めたぜ!」
ジェンティルと会話していた時にサリオスと護衛カザルスが戦いに突入したのを見た。
戦いに参加するには距離がある。
参戦するなら距離を縮める。
「あいつなぜ交渉しに行って戦い始めるんだ。バカか。私は行かないよ。サリオスが悪いんだから、サリオスに全てやらせる」
サリオスの全責任としてジェンティルは知らんぷりした。
「護衛と戦って大丈夫なのか。もし護衛に何かあったなら、騎士団や国王も敵にまわすぜ」
ムジカが心配した時にはサリオスは護衛カザルスと剣がぶつかり合っていた。
「勇者の剣をどうぞ竜人族さん、ブレードソード」
「来るがいい、偽物勇者!」
カザルスは竜人族の住む町の中でも最強の剣士と呼ばれる。
世界には、人族、猫人族、エルフ族、ドワーフ族、兎人族など多くの人種は存在しており、特徴的な性質を持つ。
猫人のローズは爪が特に強く、爪での攻撃が可能であり、猫らしく素早さもある。
エルフ族はパピアナと同じで魔法適正が高く、魔力も豊富な面があるし、攻撃魔法にも防御魔法も使える。
ドワーフ族はミヤマがダンジョンに居たように、ダンジョンで採掘をして素材を集める者が多い。
さらに素材から錬金術で武器防具やアイテムまでも造れる技術を持つ。
兎人族はシシリエンヌの特徴である跳躍力。
人族の跳躍力と比べたら数倍にもなり、大きな谷も超えられる程。
人族は武器での戦闘と魔法による戦闘もこなせる器用さがあり、バランスが取れていると言える。
竜人族は人族と比べ腕力が高い傾向を持つ。
さらに剣と魔法を合わせた攻撃も可能な特徴がある。
カザルスも魔法剣を使える。
サリオスのブレードソードを瞬時に防御した。
防御したもののあまりの強さに後方に吹き飛ぶ。
神殿の柱に激突。
サリオスが有利になった。
「カザルス!」
「立てる。まだ戦える」
カザルスは柱に激突して仲間に心配されるも、直ぐに立ち上がり余裕をみせる。
カザルスにとって勇者と戦うのは初めてだった。
勇者なら本来は神殿に案内するはずが残念ながらサリオスと戦うことになった。
勇者認定されるくらいなので強いのは当然。
剣の強さは感じたことのない強さ。
それに剣の速さも並のレベルではなかった。
勇者と戦うには自分の持つ全てを出し切るしかないなと今の一撃でわかってしまった。
簡単には勝てそうにないと判断しカザルスも攻撃に移る。
「勇者と言うのは本当のようだな。今の剣は強かった」
「当たり前だろ、俺は勇者なんだ。最初から言ってるだろう。早く中に入れろよ」
「入れるわけには行きません。竜人族の剣を受けなさい。偽勇者さん、ファイアソード」
カザルスの剣は銀色の鉄だったが、魔法剣のファイアソードを使うと、剣は赤みを帯びていく。
真っ赤な炎が剣を包み込んだ。
「魔法剣か。来るなら来なよ!」
ファイアソードがサリオスに向かう。
炎で包まれた剣を剣で受ける。
サリオスは魔法剣を経験済みだった。
通常の剣との戦いよりも難しいのはわかっていたが、十分に防げる範囲にあると判断した。
それに魔王クラスの魔物とも戦ってきたサリオスからは竜人族だろうが、怖くはなかった。
剣で防御した。
「くっ!」
サリオスは防御したにも関わらず、剣が弾かれる。
傷を負った。
ドラゴンや魔王級の相手なら傷は当たり前だが、人に傷つけられるのは久しぶりだった。
苦い顔をしたら、カザルスは攻撃を続ける。
チャンスと見たからで、勇者を倒せると思った。
「今だっ、竜人族を甘くみるなっ!」
ファイアソードがサリオスに降りかかる。
猛烈な連打にサリオスは防戦となる。
勇者をここまで攻勢をかけられる者は多くない。
カザルスは竜人族でも指折りの剣使いだった。
神殿を守る役割を得たのは、カザルスには光栄な仕事となり、誇りを持っている。
絶対にサリオスには渡さないと決める。
自分の命にかけて守り抜く闘志が剣に伝わった。
それをサリオスは感じ取る。
竜人族の剣士かここまでして守りたい剣。
どうしても欲しい。
どうしても欲しくてたまらなくなる。
欲しくなったら手に入れるのがサリオスで、
「竜人の剣、ますます欲しくなったぞ!」
「絶対に渡さない!」
「悪いなカザルス、俺の欲求本能がお前を上回った」
ここまで攻勢に来ていたファイアソードを受け止めて、ブレードソードが押し返した。
サリオスの欲しい欲求が爆発した形となる。
カザルスは吹き飛んだ。
「ああああ!」
「カザルス!」
同じ竜人族の護衛が吹き飛んだカザルスを助けに行った。
体は傷だらけであり、大量の血を流す姿に、ショックを隠しきれない。
もう戦える状態ではなかったのは明らかだった。
護衛達は怒りが湧き上がる。
自分たちの護衛長であるカザルスを瀕死にさせた勇者に対して。
4人の護衛が剣を構えた。
0
お気に入りに追加
752
あなたにおすすめの小説
異世界転生漫遊記
しょう
ファンタジー
ブラック企業で働いていた主人公は
体を壊し亡くなってしまった。
それを哀れんだ神の手によって
主人公は異世界に転生することに
前世の失敗を繰り返さないように
今度は自由に楽しく生きていこうと
決める
主人公が転生した世界は
魔物が闊歩する世界!
それを知った主人公は幼い頃から
努力し続け、剣と魔法を習得する!
初めての作品です!
よろしくお願いします!
感想よろしくお願いします!
転生料理人の異世界探求記(旧 転生料理人の異世界グルメ旅)
しゃむしぇる
ファンタジー
こちらの作品はカクヨム様にて先行公開中です。外部URLを連携しておきましたので、気になる方はそちらから……。
職場の上司に毎日暴力を振るわれていた主人公が、ある日危険なパワハラでお失くなりに!?
そして気付いたら異世界に!?転生した主人公は異世界のまだ見ぬ食材を求め世界中を旅します。
異世界を巡りながらそのついでに世界の危機も救う。
そんなお話です。
普段の料理に使えるような小技やもっと美味しくなる方法等も紹介できたらなと思ってます。
この作品は「小説家になろう」様及び「カクヨム」様、「pixiv」様でも掲載しています。
ご感想はこちらでは受け付けません。他サイトにてお願いいたします。
悪役令嬢?何それ美味しいの? 溺愛公爵令嬢は我が道を行く
ひよこ1号
ファンタジー
過労で倒れて公爵令嬢に転生したものの…
乙女ゲーの悪役令嬢が活躍する原作小説に転生していた。
乙女ゲーの知識?小説の中にある位しか無い!
原作小説?1巻しか読んでない!
暮らしてみたら全然違うし、前世の知識はあてにならない。
だったら我が道を行くしかないじゃない?
両親と5人のイケメン兄達に溺愛される幼女のほのぼの~殺伐ストーリーです。
本人無自覚人誑しですが、至って平凡に真面目に生きていく…予定。
※アルファポリス様で書籍化進行中(第16回ファンタジー小説大賞で、癒し系ほっこり賞受賞しました)
※残虐シーンは控えめの描写です
※カクヨム、小説家になろうでも公開中です
異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します
桂崇
ファンタジー
小さな町で酒場の手伝いをする母親と2人で住む少年イールスに転生覚醒する、チートする方法も無く、母親の死により、実の父親の家に引き取られる。イールスは、冒険者になろうと目指すが、周囲はその才能を惜しんでいる
元勇者パーティーの雑用係だけど、実は最強だった〜無能と罵られ追放されたので、真の実力を隠してスローライフします〜
一ノ瀬 彩音
ファンタジー
元勇者パーティーで雑用係をしていたが、追放されてしまった。
しかし彼は本当は最強でしかも、真の実力を隠していた!
今は辺境の小さな村でひっそりと暮らしている。
そうしていると……?
※第3回HJ小説大賞一次通過作品です!
ユニークスキルの名前が禍々しいという理由で国外追放になった侯爵家の嫡男は世界を破壊して創り直します
かにくくり
ファンタジー
エバートン侯爵家の嫡男として生まれたルシフェルトは王国の守護神から【破壊の後の創造】という禍々しい名前のスキルを授かったという理由で王国から危険視され国外追放を言い渡されてしまう。
追放された先は王国と魔界との境にある魔獣の谷。
恐ろしい魔獣が闊歩するこの地に足を踏み入れて無事に帰った者はおらず、事実上の危険分子の排除であった。
それでもルシフェルトはスキル【破壊の後の創造】を駆使して生き延び、その過程で救った魔族の親子に誘われて小さな集落で暮らす事になる。
やがて彼の持つ力に気付いた魔王やエルフ、そして王国の思惑が複雑に絡み大戦乱へと発展していく。
鬱陶しいのでみんなぶっ壊して創り直してやります。
※小説家になろうにも投稿しています。
愛されない王妃は王宮生活を謳歌する
Dry_Socket
ファンタジー
小国メンデエル王国の第2王女リンスターは、病弱な第1王女の代わりに大国ルーマデュカ王国の王太子に嫁いできた。
政略結婚でしかも歴史だけはあるものの吹けば飛ぶような小国の王女などには見向きもせず、愛人と堂々と王宮で暮らしている王太子と王太子妃のようにふるまう愛人。
まあ、別にあなたには用はないんですよわたくし。
私は私で楽しく過ごすんで、あなたもお好きにどうぞ♡
【作者注:この物語には、主人公にベタベタベタベタ触りまくる男どもが登場します。お気になる方は閲覧をお控えくださるようお願いいたします】
恋愛要素の強いファンタジーです。
初投稿です。
魔法が使えない令嬢は住んでいた小屋が燃えたので家出します
怠惰るウェイブ
ファンタジー
グレイの世界は狭く暗く何よりも灰色だった。
本来なら領主令嬢となるはずの彼女は領主邸で住むことを許されず、ボロ小屋で暮らしていた。
彼女はある日、棚から落ちてきた一冊の本によって人生が変わることになる。
世界が色づき始めた頃、ある事件をきっかけに少女は旅をすることにした。
喋ることのできないグレイは旅を通して自身の世界を色付けていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる