上 下
4 / 232

『3−1』

しおりを挟む
『3-1』

 とにかく町にたどり着くのが先決だ。
 歩いて行くとフォークテイル国の領土に入り、町に到着。
 良かった。
 まだ俺は終了していない。 そして生きていくには、生活費を稼ぐ必要があった。
 スライムから魔石を回収してあるし、いくらかの報酬にはなる。
 お給料を確保するのが当面の課題だ。
 とは言え、最低限のお金は持っていたので、即死はないから、今後は冒険者ギルドで報酬稼ぎとなりそうだ。
 生きていくには何通りかの生き方はある。
 冒険者ギルドでクエスト探しに行く方法。
 主にギルドでの報酬の探し方は、冒険者登録をして、クエストと呼ばれる課題をクリアし、魔物の報酬を得ることだ。
 魔物討伐以外には、貴族の防衛を受け、安全に移動したり、家を防犯したりするのもある。
 これはかなりの腕がないと逆に命を落とす結果になる。
 商人の馬車の護衛も人気がある。
 商人は仕事がら、荷物を運ぶことが多い。
 森や草原には魔物が出現し馬車を襲う。
 魔物以外にも盗賊から狙われることもあり、護衛は絶対に守らなければならない仕事だ。
 商人によって報酬額も変わる。
 商人や貴族から気に入られると、常駐化して安定した報酬が得られる利点はある。
 今の俺はヒールしかない。
 正確には魔王竜ヒールではあるが、単独よりも仲間と一緒にクエストを受けるのがベストな選択だな。
 

 冒険者ギルドに入店した。 ギルド内は混雑しているのは、いつものことである。
 冒険者ギルドは、クエストを探すのが目的で多く、掲示板に張られたクエストを探す。
 クエストランクがあり、冒険者のレベルに応じて選択する。
 俺のレベルはスライムを倒してやっと3になったばかりであるから、Fとなる。
 E、D、C、B、Aランクと順番に上がるにつれて、強いとされる。
 Fは駆け出しの初心者冒険者になるし、D、Cは中級者扱いをされて、報酬は高めになり、一人前に見られる。
 Bランクになると、上級者とみなされて、名前も知られる存在えと変わる。
 各国の中でも数は少ない。
 貴重な冒険者だ。
 Aランクはさらに少ない。
 誰からも尊敬される冒険者。
 どんな魔物にも恐れない圧倒的な強さの者にしか与えられないランクだ。
 見ることさえない貴重な人材なため、各国から引っ張りだこになる。
 その上にはSランク冒険者もあるとされるが、世界に何人いるかさえ把握されていない伝説級な人だ。
 俺などには無関係と言える。
 掲示板からクエストを取り受付嬢に持っていくと受け付けてもらえる仕組みだ。
 俺はFランクなので、最低なクエストを探してみるとした。
 掲示板を眺めていると、騒がしくなっている空気を感じた。
 聞いたことのある名前が耳に入ったから。
 
「サリオスが魔王竜ゲオルギウスを倒したらしいぜ!」
「やっぱり凄えな。勇者だもんな!」

 ギルドの耳には早くもサリオス達の噂が届いていた。
 早いな。
 もう情報が出まわっている。
 みんなサリオス、ジェンティルらを偉大な冒険者と思っているけど、本当はとんでもない連中なのを知らない。
 けど今の俺が真実を言っても、誰も信じないだろうけどな。
 ちょっと早すぎる気もするが、魔王の一角を倒したのだから、次元の違う話になる。
 俺も今頃は英雄扱いされていた……はずだった。
 下級回復魔法使いの俺が、ここからクエストをして、サリオスに追いつくのが、俺の計画で、目標となった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

辺境伯家次男は転生チートライフを楽しみたい

ベルピー
ファンタジー
☆8月23日単行本販売☆ 気づいたら異世界に転生していたミツヤ。ファンタジーの世界は小説でよく読んでいたのでお手のもの。 チートを使って楽しみつくすミツヤあらためクリフ・ボールド。ざまぁあり、ハーレムありの王道異世界冒険記です。 第一章 テンプレの異世界転生 第二章 高等学校入学編 チート&ハーレムの準備はできた!? 第三章 高等学校編 さあチート&ハーレムのはじまりだ! 第四章 魔族襲来!?王国を守れ 第五章 勇者の称号とは~勇者は不幸の塊!? 第六章 聖国へ ~ 聖女をたすけよ ~ 第七章 帝国へ~ 史上最恐のダンジョンを攻略せよ~ 第八章 クリフ一家と領地改革!? 第九章 魔国へ〜魔族大決戦!? 第十章 自分探しと家族サービス

のぞまぬ転生 暴国のパンドラ

夏カボチャ
ファンタジー
逆恨みから1000回目の転生に繋がる異世界転生、全ての世界の経験が1人の元少女を強くする!

妹と歩く、異世界探訪記

東郷 珠
ファンタジー
ひょんなことから異世界を訪れた兄妹。 そんな兄妹を、数々の難題が襲う。 旅の中で増えていく仲間達。 戦い続ける兄妹は、世界を、仲間を守る事が出来るのか。 天才だけど何処か抜けてる、兄が大好きな妹ペスカ。 「お兄ちゃんを傷つけるやつは、私が絶対許さない!」 妹が大好きで、超過保護な兄冬也。 「兄ちゃんに任せろ。お前は絶対に俺が守るからな!」 どんなトラブルも、兄妹の力で乗り越えていく! 兄妹の愛溢れる冒険記がはじまる。

悠々自適な転生冒険者ライフ ~実力がバレると面倒だから周りのみんなにはナイショです~

こばやん2号
ファンタジー
とある大学に通う22歳の大学生である日比野秋雨は、通学途中にある工事現場の事故に巻き込まれてあっけなく死んでしまう。 それを不憫に思った女神が、異世界で生き返る権利と異世界転生定番のチート能力を与えてくれた。 かつて生きていた世界で趣味で読んでいた小説の知識から、自分の実力がバレてしまうと面倒事に巻き込まれると思った彼は、自身の実力を隠したまま自由気ままな冒険者をすることにした。 果たして彼の二度目の人生はうまくいくのか? そして彼は自分の実力を隠したまま平和な異世界生活をおくれるのか!? ※この作品はアルファポリス、小説家になろうの両サイトで同時配信しております。

チートがちと強すぎるが、異世界を満喫できればそれでいい

616號
ファンタジー
 不慮の事故に遭い異世界に転移した主人公アキトは、強さや魔法を思い通り設定できるチートを手に入れた。ダンジョンや迷宮などが数多く存在し、それに加えて異世界からの侵略も日常的にある世界でチートすぎる魔法を次々と編み出して、自由にそして気ままに生きていく冒険物語。

えっ、能力なしでパーティ追放された俺が全属性魔法使い!? ~最強のオールラウンダー目指して謙虚に頑張ります~

たかたちひろ【令嬢節約ごはん23日発売】
ファンタジー
コミカライズ10/19(水)開始! 2024/2/21小説本編完結! 旧題:えっ能力なしでパーティー追放された俺が全属性能力者!? 最強のオールラウンダーに成り上がりますが、本人は至って謙虚です ※ 書籍化に伴い、一部範囲のみの公開に切り替えられています。 ※ 書籍化に伴う変更点については、近況ボードを確認ください。 生まれつき、一人一人に魔法属性が付与され、一定の年齢になると使うことができるようになる世界。  伝説の冒険者の息子、タイラー・ソリス(17歳)は、なぜか無属性。 勤勉で真面目な彼はなぜか報われておらず、魔法を使用することができなかった。  代わりに、父親から教わった戦術や、体術を駆使して、パーティーの中でも重要な役割を担っていたが…………。 リーダーからは無能だと疎まれ、パーティーを追放されてしまう。  ダンジョンの中、モンスターを前にして見捨てられたタイラー。ピンチに陥る中で、その血に流れる伝説の冒険者の能力がついに覚醒する。  タイラーは、全属性の魔法をつかいこなせる最強のオールラウンダーだったのだ! その能力のあまりの高さから、あらわれるのが、人より少し遅いだけだった。  タイラーは、その圧倒的な力で、危機を回避。  そこから敵を次々になぎ倒し、最強の冒険者への道を、駆け足で登り出す。  なにせ、初の強モンスターを倒した時点では、まだレベル1だったのだ。 レベルが上がれば最強無双することは約束されていた。 いつか彼は血をも超えていくーー。  さらには、天下一の美女たちに、これでもかと愛されまくることになり、モフモフにゃんにゃんの桃色デイズ。  一方、タイラーを追放したパーティーメンバーはというと。 彼を失ったことにより、チームは瓦解。元々大した力もないのに、タイラーのおかげで過大評価されていたパーティーリーダーは、どんどんと落ちぶれていく。 コメントやお気に入りなど、大変励みになっています。お気軽にお寄せくださいませ! ・12/27〜29 HOTランキング 2位 記録、維持 ・12/28 ハイファンランキング 3位

退屈な人生を歩んでいたおっさんが異世界に飛ばされるも無自覚チートで無双しながらネットショッピングしたり奴隷を買ったりする話

菊池 快晴
ファンタジー
無難に生きて、真面目に勉強して、最悪なブラック企業に就職した男、君内志賀(45歳)。 そんな人生を歩んできたおっさんだったが、異世界に転生してチートを授かる。 超成熟、四大魔法、召喚術、剣術、魔力、どれをとっても異世界最高峰。 極めつけは異世界にいながら元の世界の『ネットショッピング』まで。 生真面目で不器用、そんなおっさんが、奴隷幼女を即購入!? これは、無自覚チートで無双する真面目なおっさんが、元の世界のネットショッピングを楽しみつつ、奴隷少女と異世界をマイペースに旅するほんわか物語です。

ギルドから追放された実は究極の治癒魔法使い。それに気付いたギルドが崩壊仕掛かってるが、もう知らん。僕は美少女エルフと旅することにしたから。

yonechanish
ファンタジー
僕は治癒魔法使い。 子供の頃、僕は奴隷として売られていた。 そんな僕をギルドマスターが拾ってくれた。 だから、僕は自分に誓ったんだ。 ギルドのメンバーのために、生きるんだって。 でも、僕は皆の役に立てなかったみたい。 「クビ」 その言葉で、僕はギルドから追放された。 一人。 その日からギルドの崩壊が始まった。 僕の治癒魔法は地味だから、皆、僕がどれだけ役に立ったか知らなかったみたい。 だけど、もう遅いよ。 僕は僕なりの旅を始めたから。

処理中です...