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『2』
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『2』
俺はジェンティルに叫んだ。
しかしジェンティルは氷属性魔法を放つ。
魔女にも思える笑顔だった。
氷属性魔法の氷の波動激は、ダンジョン最深部を一瞬で包んだ。
本当に殺す。
最後まで俺は馬鹿だったのか。
確かにジェンティルが言うように俺の代わりはいくらでもいるだろう。
三人からしたら、補助要因は、魔王の討伐までの命だったわけだ。
最初から殺す予定だった。
ゲオルギウスを倒した後に殺してしまう計画だった。
気づけなかった俺。
氷の波が一面に。
俺はサリオスに飛ばされていて、ゲオルギウスの近くにいた。
近くで見ると巨大竜だった。
死んでいるとは言え怖い。
悔しい。
俺は悔しかった。
ここまで頑張ってきたのはなんのためだったのか。
こんな三人のために俺は人生を捧げてきたのか。
森の王に所属できて幸せだなんて思った自分が情けなくなった。
もう全てが遅かった。
氷漬けになって死ぬ。
氷のかたまり。
けども悔しい。
俺は納得いかなかった。
まだ魔力に余力がある。
せめて、最後まで抵抗したい。
残りの僅かな人生をまっとうしたい。
最後の魔力を使う。
「ヒール!」
俺は自分の持つ魔力を振り絞りヒールをした。
ヒールした相手は隣にいる魔王竜ゲオルギウスだった。
もう死んでいるかもしれないが、賭けだった。
人生を一発のヒールに賭けてみた。
少ししてもゲオルギウスは反応無かった。
死んでいたらヒールは無効である。
無駄かな。
ヒール魔法はあくまで回復魔法に属している。
死者を回復させるのはヒール魔法ではなく、蘇生魔法に分類される。
あいにく俺は蘇生魔法を持ち合わせていなかった。
そもそも蘇生魔法はヒール魔法と違い、最高位魔法に数えられる。
ヒールのように、そこらの低レベル冒険者が使う魔法と違う。
俺は死を確信した時だった。
『お前がヒールしたのか』
突然に頭の中に声が聞こえた。
「そうです」
ちょっと答えてみた。
ゲオルギウスなのか?
『我が命は無くなる寸前だった。しかし残念ながら今のヒールでは我が命は全回復は遠い』
間違いなくゲオルギウスだった。
えっ、話せるの?
まぁいいか。
俺のヒールで僅かだが命が回復したらしい。
ほんの少しだけだが。
ちょっとイタズラ心だったのに!
『どうやら、勇者に裏切られたようだな。どうせ我はもう時期死ぬ体。助からぬ。そこでお前に我から贈り物をやろう。勇者に復讐してみろ。悔しいなら勇者に』
「俺に贈り物を……」
『そうだ、贈り物だ。どう使うかはお前が決めろ……』
「ちょっとゲオルギウス……」
ええっ、それで終わり!
俺は意味が良くわからないまま、魔王竜ゲオルギウスは息を引き取ったようだ。
俺のヒールでほんの少しだけ長く生き延びたお礼なのか、俺に贈り物をしたらしい。
しかし何のことかわからい俺。
なぜか俺は氷の波に完全に冒されていなかった。
氷漬けにするはずだが。
よく見ると俺の体は魔王竜ゲオルギウスの体で防御されていたらしい。
その分、ジェンティルの氷の波動激の効果を減少を生んでいた。
つまりは竜の体が壁になってけれたわけだ。
ゲオルギウスが俺を守ったわけではないだろうから、偶然にも生きながらえる。
「ゲオルギウスは死んでいるのは判定した。魔石の回収をしよう」
サリオスがゲオルギウスに接近して言った。
聖剣の光による体力魔力の減少で、かなり披露が見れた。
俺は死んだふりをした。
死んでいるものと思っているに違いない。
氷の波動激をまともに受けて、生き残れる俺ではないからな。
「ふふ、トレイルもかわいそうだったわね。最後なんて泣きそうだったわね。ちょっと笑いそうになったわ!」
ジェンティルが言ったのが耳に届く。
おぇっ!
俺は吐き気がした。
「まぁ、トレイルの代わりはまた探そうぜ。冒険者ギルドに行けば、直ぐに集まる。トレイルもそうだったからな、あはははは!」
ムジカの喜ぶ顔は見たくなかったが、声が嫌でも耳に入る。
ゲオルギウスの魔石の回収を終えたらしく、サリオスは最深部から遠ざかる足音。
どうやら俺が生きていると思っていないで去っていく。
助かったのか俺は。
素直に喜べないが。
一緒に戦ってきた記憶が脳をよぎる。
許せない思いが込上げる。
サリオス、ジェンティル、ムジカの三人に対する怨念だった。
怨念はあっても俺に彼らに戦いを挑んでも無駄だ。
一瞬で殺されるのは明らかである。
その時に俺の中で異変が起きていた。
ステータスの変化が知らされたからだ。
名前 トレイル
職種 回復術士
種族 人族
性別 男
年齢 18
レベル 2
体力 10
魔力 10
防御力 10
素早さ 10
ゲオルギウスの加護
スキル
魔法
魔王竜ヒール
新しいスキルを獲得しました。
ゲオルギウスの加護を獲得しました。
魔法が進化しました。
魔王竜ヒールとなりました。
この世界ではステータスで冒険者の能力は表示される。
ステータスは冒険者のレベルがあり、数値が高い程に強いとなる。
経験値を積むことでレベルはアップするのが一般的だ。
職種には剣士、攻撃を専門とした職で、攻撃適正の高い者が適している。
他にも魔道士や盗賊、回復職があり、俺は回復職種だ。
体力や魔力はそのままの意味であり、数値の高さが、そのまま魔物との戦いで影響する。
自分よりも数値の高い魔物との戦いは死ぬ可能性がある。
スキルは個人に与えられた特殊な技能だ。
俺は持っていなかったが、なぜか現在のステータスにはゲオルギウスの加護とあった。
これは一体どうしたものか?
そして魔法の欄には、ヒールであるはずなのに、魔王竜ヒールとあった。
ヒールと魔王竜ヒールの何が違うのかわからなかったし、そもそもなぜステータスが変わったのか。
思い当たるのがゲオルギウスが死ぬ前に俺に贈り物をくれたと言ったのを思い出した。
言われた時は、特に考えていなかったけども、ゲオルギウスの加護とあるし、これが贈り物だと推測される。
その影響からか、ヒールが魔王竜ヒールに変化したと考えていいだろう。
いったいどんな魔法なのか知る前に俺はこのダンジョンから出る必要があった。
全てはダンジョンから出ないことには始まらないからで、地上に出る体力は殆どない。
サリオスら三人はもうこの階層にはいなくて、すでに地上に向かっているはずだ。
俺は今ある体力を振り絞り立ち上がる。
「何としても……地上に出たい……」
果たして地上に戻れるだろうか。
途中には魔物がいるはずで、ジェンティルなら簡単に魔法で倒せても俺は無理だ。
100階層もあるダンジョンを戻るのは無理だと思った。
しかし生きたいのもあり、上の階層に行くとした。
怖いけど、なんとかなるかな。
上の階層に行くと、予定通りに魔物がいた。
タイタンである。
終わったか?
もう俺は終わったか。
行きに、サリオスが倒した魔物だが、俺には到底無理だろう。
あきらめて死ぬのを覚悟していると、タイタンは動かないでいた。
なぜかわからないが、タイタンは俺に対して攻撃をしてこないのだ。
変だな?
もう魔王が死んだからなのか。
考えてみるとゲオルギウスの加護のスキルを獲得したのと関係しているかもしれないと思った。
このダンジョンはゲオルギウスの支配下にあった。
魔王竜のダンジョン。
いわばゲオルギウスの手下であるし、ご主人様となる。
今の俺にはゲオルギウスの加護があるので、このダンジョンの魔物からしたら、俺はゲオルギウスの加護を受けているわけで、ご主人に攻撃をすることはないと考えてみた。
もしかしたらだが、上の階層に行っても結果は同じだった。
魔物はいても、俺には全く攻撃をしてこないのである。
助かった!
死ぬのが確実だったのに、かろうじて生き残れそうな気がした。
ありがとう、ゲオルギウス。
俺は心の中でつぶやいた。
魔王にお礼を言うのも変ではあるが、言いたかったのだ。
そうして、ダンジョンは最上階層に達して地上に到達。
信じられないことに俺一人で地上まで来れた。
自分でも信じられなかった。
ー--------------
勇者視点
あははははは!
最高!
バカトレイルを頃して最高におもしれー。
トレイルはよく働いてくれたよ、俺も感謝してるし、雑用係としてはめちゃくちゃ優秀だったな。
殺すのは惜しい部分もあったけど、けども殺しておくのがいい。
俺は勇者だ。
だから許される。
何をしても許されるんだな。
雑用係はパーティーの荷物だったり、食事の準備、後片付け、ゴミの始末までする。
トレイルは完璧に近いくらいに雑用係をしてくれていた。
だけど雑用係を少し長い間すると必ずや調子に乗ってくる。
トレイル以前の雑用係がそうだった。
報酬を上げろとか、休日をくれとか言って来るから、うざい。
そこで俺はある程度、雑用係を使用したら追放する。
またはトレイルみたいにダンジョンで死んだことにしてしまう。
それでギルドは怪しまないのがわかった。
俺はSランクパーティーの勇者サリオスだから、疑うことは絶対にしないのさ。
あははははは!
殺そうとした時のトレイルの顔。
助けてと命乞いしてくるトレイルの声ったら、最高だった。
どうせトレイルはFランクの最低の回復魔法使いだったから、捨てても誰も不思議がらないのさ。
そして勇者だから俺は何をしても許される存在てことだ。
魔王竜ゲオルギウスの討伐は成功した。
もちろんトレイルがよく働いてくれたことには感謝している。
可愛そうなトレイルと嘘なきでもして冒険者ギルドには報告しよう。
ダンジョンで死んだと伝えよう。
ギルドの受付嬢もトレイルの死を悲しむはずで、それでトレイルは役割を果たしたとなる。
俺のために死んで世界に貢献したのだ。
俺が世界一の冒険者であるとなるための犠牲となってくれたわけだ。
ありがとうトレイル!
俺はジェンティルに叫んだ。
しかしジェンティルは氷属性魔法を放つ。
魔女にも思える笑顔だった。
氷属性魔法の氷の波動激は、ダンジョン最深部を一瞬で包んだ。
本当に殺す。
最後まで俺は馬鹿だったのか。
確かにジェンティルが言うように俺の代わりはいくらでもいるだろう。
三人からしたら、補助要因は、魔王の討伐までの命だったわけだ。
最初から殺す予定だった。
ゲオルギウスを倒した後に殺してしまう計画だった。
気づけなかった俺。
氷の波が一面に。
俺はサリオスに飛ばされていて、ゲオルギウスの近くにいた。
近くで見ると巨大竜だった。
死んでいるとは言え怖い。
悔しい。
俺は悔しかった。
ここまで頑張ってきたのはなんのためだったのか。
こんな三人のために俺は人生を捧げてきたのか。
森の王に所属できて幸せだなんて思った自分が情けなくなった。
もう全てが遅かった。
氷漬けになって死ぬ。
氷のかたまり。
けども悔しい。
俺は納得いかなかった。
まだ魔力に余力がある。
せめて、最後まで抵抗したい。
残りの僅かな人生をまっとうしたい。
最後の魔力を使う。
「ヒール!」
俺は自分の持つ魔力を振り絞りヒールをした。
ヒールした相手は隣にいる魔王竜ゲオルギウスだった。
もう死んでいるかもしれないが、賭けだった。
人生を一発のヒールに賭けてみた。
少ししてもゲオルギウスは反応無かった。
死んでいたらヒールは無効である。
無駄かな。
ヒール魔法はあくまで回復魔法に属している。
死者を回復させるのはヒール魔法ではなく、蘇生魔法に分類される。
あいにく俺は蘇生魔法を持ち合わせていなかった。
そもそも蘇生魔法はヒール魔法と違い、最高位魔法に数えられる。
ヒールのように、そこらの低レベル冒険者が使う魔法と違う。
俺は死を確信した時だった。
『お前がヒールしたのか』
突然に頭の中に声が聞こえた。
「そうです」
ちょっと答えてみた。
ゲオルギウスなのか?
『我が命は無くなる寸前だった。しかし残念ながら今のヒールでは我が命は全回復は遠い』
間違いなくゲオルギウスだった。
えっ、話せるの?
まぁいいか。
俺のヒールで僅かだが命が回復したらしい。
ほんの少しだけだが。
ちょっとイタズラ心だったのに!
『どうやら、勇者に裏切られたようだな。どうせ我はもう時期死ぬ体。助からぬ。そこでお前に我から贈り物をやろう。勇者に復讐してみろ。悔しいなら勇者に』
「俺に贈り物を……」
『そうだ、贈り物だ。どう使うかはお前が決めろ……』
「ちょっとゲオルギウス……」
ええっ、それで終わり!
俺は意味が良くわからないまま、魔王竜ゲオルギウスは息を引き取ったようだ。
俺のヒールでほんの少しだけ長く生き延びたお礼なのか、俺に贈り物をしたらしい。
しかし何のことかわからい俺。
なぜか俺は氷の波に完全に冒されていなかった。
氷漬けにするはずだが。
よく見ると俺の体は魔王竜ゲオルギウスの体で防御されていたらしい。
その分、ジェンティルの氷の波動激の効果を減少を生んでいた。
つまりは竜の体が壁になってけれたわけだ。
ゲオルギウスが俺を守ったわけではないだろうから、偶然にも生きながらえる。
「ゲオルギウスは死んでいるのは判定した。魔石の回収をしよう」
サリオスがゲオルギウスに接近して言った。
聖剣の光による体力魔力の減少で、かなり披露が見れた。
俺は死んだふりをした。
死んでいるものと思っているに違いない。
氷の波動激をまともに受けて、生き残れる俺ではないからな。
「ふふ、トレイルもかわいそうだったわね。最後なんて泣きそうだったわね。ちょっと笑いそうになったわ!」
ジェンティルが言ったのが耳に届く。
おぇっ!
俺は吐き気がした。
「まぁ、トレイルの代わりはまた探そうぜ。冒険者ギルドに行けば、直ぐに集まる。トレイルもそうだったからな、あはははは!」
ムジカの喜ぶ顔は見たくなかったが、声が嫌でも耳に入る。
ゲオルギウスの魔石の回収を終えたらしく、サリオスは最深部から遠ざかる足音。
どうやら俺が生きていると思っていないで去っていく。
助かったのか俺は。
素直に喜べないが。
一緒に戦ってきた記憶が脳をよぎる。
許せない思いが込上げる。
サリオス、ジェンティル、ムジカの三人に対する怨念だった。
怨念はあっても俺に彼らに戦いを挑んでも無駄だ。
一瞬で殺されるのは明らかである。
その時に俺の中で異変が起きていた。
ステータスの変化が知らされたからだ。
名前 トレイル
職種 回復術士
種族 人族
性別 男
年齢 18
レベル 2
体力 10
魔力 10
防御力 10
素早さ 10
ゲオルギウスの加護
スキル
魔法
魔王竜ヒール
新しいスキルを獲得しました。
ゲオルギウスの加護を獲得しました。
魔法が進化しました。
魔王竜ヒールとなりました。
この世界ではステータスで冒険者の能力は表示される。
ステータスは冒険者のレベルがあり、数値が高い程に強いとなる。
経験値を積むことでレベルはアップするのが一般的だ。
職種には剣士、攻撃を専門とした職で、攻撃適正の高い者が適している。
他にも魔道士や盗賊、回復職があり、俺は回復職種だ。
体力や魔力はそのままの意味であり、数値の高さが、そのまま魔物との戦いで影響する。
自分よりも数値の高い魔物との戦いは死ぬ可能性がある。
スキルは個人に与えられた特殊な技能だ。
俺は持っていなかったが、なぜか現在のステータスにはゲオルギウスの加護とあった。
これは一体どうしたものか?
そして魔法の欄には、ヒールであるはずなのに、魔王竜ヒールとあった。
ヒールと魔王竜ヒールの何が違うのかわからなかったし、そもそもなぜステータスが変わったのか。
思い当たるのがゲオルギウスが死ぬ前に俺に贈り物をくれたと言ったのを思い出した。
言われた時は、特に考えていなかったけども、ゲオルギウスの加護とあるし、これが贈り物だと推測される。
その影響からか、ヒールが魔王竜ヒールに変化したと考えていいだろう。
いったいどんな魔法なのか知る前に俺はこのダンジョンから出る必要があった。
全てはダンジョンから出ないことには始まらないからで、地上に出る体力は殆どない。
サリオスら三人はもうこの階層にはいなくて、すでに地上に向かっているはずだ。
俺は今ある体力を振り絞り立ち上がる。
「何としても……地上に出たい……」
果たして地上に戻れるだろうか。
途中には魔物がいるはずで、ジェンティルなら簡単に魔法で倒せても俺は無理だ。
100階層もあるダンジョンを戻るのは無理だと思った。
しかし生きたいのもあり、上の階層に行くとした。
怖いけど、なんとかなるかな。
上の階層に行くと、予定通りに魔物がいた。
タイタンである。
終わったか?
もう俺は終わったか。
行きに、サリオスが倒した魔物だが、俺には到底無理だろう。
あきらめて死ぬのを覚悟していると、タイタンは動かないでいた。
なぜかわからないが、タイタンは俺に対して攻撃をしてこないのだ。
変だな?
もう魔王が死んだからなのか。
考えてみるとゲオルギウスの加護のスキルを獲得したのと関係しているかもしれないと思った。
このダンジョンはゲオルギウスの支配下にあった。
魔王竜のダンジョン。
いわばゲオルギウスの手下であるし、ご主人様となる。
今の俺にはゲオルギウスの加護があるので、このダンジョンの魔物からしたら、俺はゲオルギウスの加護を受けているわけで、ご主人に攻撃をすることはないと考えてみた。
もしかしたらだが、上の階層に行っても結果は同じだった。
魔物はいても、俺には全く攻撃をしてこないのである。
助かった!
死ぬのが確実だったのに、かろうじて生き残れそうな気がした。
ありがとう、ゲオルギウス。
俺は心の中でつぶやいた。
魔王にお礼を言うのも変ではあるが、言いたかったのだ。
そうして、ダンジョンは最上階層に達して地上に到達。
信じられないことに俺一人で地上まで来れた。
自分でも信じられなかった。
ー--------------
勇者視点
あははははは!
最高!
バカトレイルを頃して最高におもしれー。
トレイルはよく働いてくれたよ、俺も感謝してるし、雑用係としてはめちゃくちゃ優秀だったな。
殺すのは惜しい部分もあったけど、けども殺しておくのがいい。
俺は勇者だ。
だから許される。
何をしても許されるんだな。
雑用係はパーティーの荷物だったり、食事の準備、後片付け、ゴミの始末までする。
トレイルは完璧に近いくらいに雑用係をしてくれていた。
だけど雑用係を少し長い間すると必ずや調子に乗ってくる。
トレイル以前の雑用係がそうだった。
報酬を上げろとか、休日をくれとか言って来るから、うざい。
そこで俺はある程度、雑用係を使用したら追放する。
またはトレイルみたいにダンジョンで死んだことにしてしまう。
それでギルドは怪しまないのがわかった。
俺はSランクパーティーの勇者サリオスだから、疑うことは絶対にしないのさ。
あははははは!
殺そうとした時のトレイルの顔。
助けてと命乞いしてくるトレイルの声ったら、最高だった。
どうせトレイルはFランクの最低の回復魔法使いだったから、捨てても誰も不思議がらないのさ。
そして勇者だから俺は何をしても許される存在てことだ。
魔王竜ゲオルギウスの討伐は成功した。
もちろんトレイルがよく働いてくれたことには感謝している。
可愛そうなトレイルと嘘なきでもして冒険者ギルドには報告しよう。
ダンジョンで死んだと伝えよう。
ギルドの受付嬢もトレイルの死を悲しむはずで、それでトレイルは役割を果たしたとなる。
俺のために死んで世界に貢献したのだ。
俺が世界一の冒険者であるとなるための犠牲となってくれたわけだ。
ありがとうトレイル!
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