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アンバネラ
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数日後、ようやく部隊が整い、アンバネラのモンスターを一掃する作戦が開始された。
幸い、アンバネラには友好国が複数あったので、部隊はかなり強力な構成に。
……それを後押ししたのは、兵が全員逃げ出し、国王と王子が取り残されているという情報。
なんとか逃げ出した姫二人には、同情の声もたくさん寄せられたのだった。
☆ ☆ ☆
対モンスター部隊として集まった多国籍軍は強力で、僅か半日程度で、全てのモンスターを討伐することに成功した。
……早い段階で支援を要求していれば、きっと助かる命も多かっただろう。
「……フレイア様。間違いないですか?」
「ひぅっ……。うぅうう」
フレイアは泣きながら頷いた。
彼女の前には、体中を食い散らかされた、ミゲルと思わしき男の死体がある。
王宮の一階。死体の近くに落ちていた剣と、来ている服……。さらに、妹であるフレイアの目視により、それがミゲルの死体であることが確定した。
レオノンは、精神的な負担が強すぎて、医務室から出られなくなってしまっている。
フレイアの体を動かすのは、姉であるという僅かながらの自覚と、こんなことは現実ではない。という逃避的な希望だけだった。
レジャーノラの兵をまとめる総隊長、バンジャノフは、フレイアの背中を擦った。
ミゲルは妹を逃がすため、勇敢に戦ったのだろう……。
だが、なぜ援軍を要請しなかったのか。それだけが理解に苦しむ。
今度は王室に向かった。国王の死体を発見するためだが……。
見つかったのは、小さな骨だけだった。国王の物であるかどうかもわからない。
おそらく、食べつくされてしまったのだろう。
……死体が残っていたミゲルは、まだ運が良かったのかもしれない。
役目を果たしたフレイアは、気を失い、倒れてしまった。
すぐに医務室へと運ばれる。ここまでよく頑張ったと、レジャーノラの兵は、彼女を称えた。
「さて。この国は……。どうなるのだろうか」
「壊すしかないさ。モンスターが住み着いても困るからな」
バンジャノフの発言は残酷だったが、その通りだった。
レジャーノラの医師、サムセーは、ため息をついた。
「バンジャノフよ。どうせ壊すのであれば……。最後に、葬式をここでやってあげてくれないか」
「……葬式を?」
「もちろん、我が国でやるほうが、手っ取り早いだろうが……。彼女たちのことを思うと、胸が痛い」
バンジャノフは、サムセーの意見を受け入れることにした。
アンバネラという国自体が消えてしまう……。
それを受け入れ、新たに一歩踏み出すためにも、あの二人にとって、必要な儀式だと思えた。
「二人に伝えてくるよ」
「……待て。まだきっと、眠っておる」
「……そうだな」
バンジャノフは、二人が、ほんのわずかな休息を得ている間に、関連諸国へ、手紙を書くことにした。
……そう言えば、ミゲルには、体調不良が原因で、最近婚約を破棄した令嬢がいたような。
幸い、アンバネラには友好国が複数あったので、部隊はかなり強力な構成に。
……それを後押ししたのは、兵が全員逃げ出し、国王と王子が取り残されているという情報。
なんとか逃げ出した姫二人には、同情の声もたくさん寄せられたのだった。
☆ ☆ ☆
対モンスター部隊として集まった多国籍軍は強力で、僅か半日程度で、全てのモンスターを討伐することに成功した。
……早い段階で支援を要求していれば、きっと助かる命も多かっただろう。
「……フレイア様。間違いないですか?」
「ひぅっ……。うぅうう」
フレイアは泣きながら頷いた。
彼女の前には、体中を食い散らかされた、ミゲルと思わしき男の死体がある。
王宮の一階。死体の近くに落ちていた剣と、来ている服……。さらに、妹であるフレイアの目視により、それがミゲルの死体であることが確定した。
レオノンは、精神的な負担が強すぎて、医務室から出られなくなってしまっている。
フレイアの体を動かすのは、姉であるという僅かながらの自覚と、こんなことは現実ではない。という逃避的な希望だけだった。
レジャーノラの兵をまとめる総隊長、バンジャノフは、フレイアの背中を擦った。
ミゲルは妹を逃がすため、勇敢に戦ったのだろう……。
だが、なぜ援軍を要請しなかったのか。それだけが理解に苦しむ。
今度は王室に向かった。国王の死体を発見するためだが……。
見つかったのは、小さな骨だけだった。国王の物であるかどうかもわからない。
おそらく、食べつくされてしまったのだろう。
……死体が残っていたミゲルは、まだ運が良かったのかもしれない。
役目を果たしたフレイアは、気を失い、倒れてしまった。
すぐに医務室へと運ばれる。ここまでよく頑張ったと、レジャーノラの兵は、彼女を称えた。
「さて。この国は……。どうなるのだろうか」
「壊すしかないさ。モンスターが住み着いても困るからな」
バンジャノフの発言は残酷だったが、その通りだった。
レジャーノラの医師、サムセーは、ため息をついた。
「バンジャノフよ。どうせ壊すのであれば……。最後に、葬式をここでやってあげてくれないか」
「……葬式を?」
「もちろん、我が国でやるほうが、手っ取り早いだろうが……。彼女たちのことを思うと、胸が痛い」
バンジャノフは、サムセーの意見を受け入れることにした。
アンバネラという国自体が消えてしまう……。
それを受け入れ、新たに一歩踏み出すためにも、あの二人にとって、必要な儀式だと思えた。
「二人に伝えてくるよ」
「……待て。まだきっと、眠っておる」
「……そうだな」
バンジャノフは、二人が、ほんのわずかな休息を得ている間に、関連諸国へ、手紙を書くことにした。
……そう言えば、ミゲルには、体調不良が原因で、最近婚約を破棄した令嬢がいたような。
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