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リアーナとブライリー

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「リアーナ!」

私は思わず、リアーナに抱き着いてしまった。

「会いたかったわ……ベネット」
「ごめんなさい。今から挨拶をしに行くつもりだったのだけれど……」
「気にしなくていいの。私がどうしても早く会いたくて、先に来てしまっただけだから」

リアーナは侯爵令嬢だけど、全く飾ったところがない、とても優しい女の子だ。小さい時から良く遊んでいて、親友と呼べる存在だった。

「リアーナ。ちょうどバターサンドを食べていたところだったの、良かったら一緒に――」

そこまで言いかけたところで、私はようやく、もう一人の来客に気が付いた。

真っ白な髪、凛とした碧い瞳。
王太子の、ブライリー・カムロフ様……!?

「ぶ、ブライリー様。どうしてここに」
「私が呼んだの。一緒にベネットのところに行きましょうって」
「そんな……。わざわざ申し訳ございません」
「いやいや。僕もベネットのことが心配だったから……。それにしても、やっぱり君たちは仲良しだね」

ブライリー様が、にこやかに微笑んだ。
……やっぱりかっこいい。ミゲルなんか、比べ物にならないほど気品があって、美しい方だ。

「ベネット。もし時間があったらで良いんだけど……。これから三人で、王宮の庭の花の手入れをしないかい?」
「もちろんです……。すぐに準備します!」
「ベネットがいなくなってから、花に詳しい人がいなくて、私たちも困っていたの。またベネットと花の話ができるのが楽しみよ?」
「リアーナ……」

大好きな人たちと一緒に、花の手入れをする。
これがどれだけ幸せなことか、私は忘れかけていた。

「その前に、バターサンドを食べるんだったかな?」
「ブ、ブライリー様。それは……」
「あはは!冗談さ。僕は王宮で待ってるから、二人はそれを食べてから来るといいよ」

ブライリー様が行ってしまった……。
恥ずかしいところを見られちゃったなぁ。

「ごめんねリアーナ。私が――」

私が呼びかけたところ――。
リアーナは、去っていくブライリー様を、じっと見つめていた。
その頬は……、赤く染まっている。

「……あっ、えっと、ごめんなさいベネット。何か言った?」
「ううん。大丈夫よ。それより、早く食べないと。ブライリー様を待たせてはいけないわ」
「そうね。いただきます」

……あんなに美しい王子だ。
きっと、私がいない間にも、リアーナは、ブライリー様と、関係を深めていただろう。
もはや、私が出る幕は無いのかもしれない。
いつまでこの三人で、仲良く過ごせるだろうか。

また別の問題が……。どうやら見つかってしまったようだ。
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