39 / 52
33 香奈子の戦い
しおりを挟む
伊吹山には結局、その日のうちには行くことができなかった。新幹線が名古屋までしか走っていなかったのだ。
「これって、八匹目の八岐大蛇が伊吹山に向かった、って言うのと何か関係があるのかな?」芹那はネットで調べたニュースを僕と香奈子に見せながら言った。
ニュースには、伊吹山で火山の噴火が始まり、滋賀県、岐阜県の広範囲の地域で避難指示が出されたと書かれていた。またそれにともない、新幹線は京都名古屋間が運休となり、高速道路を始めとした一般道路の乗り入れも全面禁止となっていた。
「でもなんとか大垣市までは行けそうよ? まだJRが使えるみたい。そこからは、そうね……」
「もう言わなくてもわかってるよ」僕はうんざりしながら言った。
「わかってるってどう言うこと?」香奈子が聞いた。
「歩くのよ」「歩くんだよ」と、僕と芹那は同時に言った。
大垣市からは距離的に三十キロくらいだろうか。けれど伊吹山に登らなければいけない分、距離で計算する以上の時間がかかることが予想された。
「そんな暇がないことはわかるんだけど、少し休みましょう……」大垣市から歩き、関ヶ原まで来たところで芹那がそう言った。
「それは賛成だけど、どこで?」僕は眠気と疲労で顔を上げることもできずそう聞いた。豊玉姫の一件から、僕と芹那はほとんど睡眠をとっていない。香奈子にしても、歩き慣れていない分、僕たち以上に疲れていてもおかしくないはずだ。
「あそこなんかどうかしら?」芹那が指さしたのは、池のほとりにあるレストランのような場所だった。
「でも、開いてるかな……」
「開いてるもなにも、誰もいないわよ。さっきから人っ子一人いないわ。この辺の人はみんな避難していないのよ」
「それもそうか。じゃあ……」
「勝手に入って休みましょう。トイレも水もあるだろうし、誰も文句は言わないわ」
そんなわけで、僕と芹那と香奈子は誰もいなくなったレストランで休憩を取ることにした。
中に入るとそこは、レストランと言うよりも、レストランが併設した広いお土産物屋になっていた。
「もう駄目、わたし寝る……」そう言うが早いか、芹那はレストランのソファーにぐったりと横になり、僕と香奈子が自販機で飲み物を買って戻ってくる頃にはもう寝息を立てていた。
「和也も、横になって。疲れてるんでしょ?」
「うん。でも……」僕はなんだか疲れを通り越して、すぐには眠れそうも無かった。
「なんだか少し、寒くなって来たね」香奈子は僕の隣に座り、肩に頭をあずけながらそう言った。
「うん。もう十一月だ」僕はペットボトルの温かいお茶を飲みながら、香奈子の腰に手を回し、そっと抱き寄せた。
香奈子の温もり、その匂い、声、目を閉じていても感じられるそれらのすべてが、僕の昂った気持ちを落ち着け、安らぎを与えてくれた。
体から力が抜け、眠りに落ちる意識の中で、僕は本気で香奈子を守りたい、一緒にいたいと心に願った。
異質な気配に目を覚ました。
辺りはまだ暗い。
見慣れない場所だ。
あまりに深い眠りを貪っていたせいで、自分がどこにいるのかわからなかった。
それどころか、周りの景色を見ても、頭の中をぐるぐるといろんな記憶が回るだけで、どれが夢で、どれが妄想で、どれが現実の出来事なのかを選別することさえできなかった。目を開けているつもりが、再び眠りの中に引き戻されそうになった。
頭に美津子の顔が思い浮かんだ。正人もいる。三人で教室で笑い合っている。その夢を見ながら自分の部屋のベッドの上で目を覚ました。はずなのにそれは夢で、寝ぼけながら目を覚ます僕をスサノオが笑いながら見下ろしている。「和也、腹減ったろ? 魚が焼けてるから食え!」そんな声を聞きながら目を覚ましたはずなのに……。
起き上がってみると、窓の外で誰かが戦っていた。
体が白い靄で覆われ、微かだが金色の光を放っている。
体が「ドスンッ!」と窓に叩きつけられる。
どこだ、ここは……。
だれだ、あれは……。
三匹の河童に襲われていた。
女の子だ……。
か、香奈子……、「香奈子!!!」
僕は慌てて飛び起き、天叢雲剣を手に外に飛び出した。
竹刀を持った香奈子は、一匹に脇腹を噛みつかれながらも飛び掛かってくる一匹の攻撃をよけ、すかさず首を切り落とした。だがその隙にもう一匹の河童に首元を噛みつかれ、悲鳴を押し殺しながらその一匹を力づくで引き剥がした。脇腹に噛みつく河童を両手に持った竹刀で突き刺し、さらに体制を立て直して飛び掛かってきたさっきの一匹を真っ二つに切り裂いた。
香奈子は何とか三匹の河童に勝ったものの、力尽きてその場に倒れてしまった。
「香奈子!」僕は泣きそうな思いで香奈子に駆け寄り、その体を抱きしめた。
「香奈子、怪我は? 首は、首は大丈夫なのか?」そう言って僕は香奈子の首元に触れた。手に血はつかない。
「和也……、私……、もう……」そう言って香奈子は目を閉じようとした。
「香奈子!」
「ねえ、最後にキスして……」
「そ、そんな……、香奈子、香奈子!」そう叫んだところで、目を閉じた香奈子が笑っていることに気が付いた。
「か、香奈子?」
「もうっ! どうしてキスしてくれないの?」香奈子はそう言って目を開けた。
「な、なんだよ……、僕は……、僕は……」
「ちょっと和也、そんな顔しないで」
「どうして起こさないんだよ!」
「起こしたくなかった」
「だからって、怪我でもしちゃ」
「和也は心配し過ぎなのよ。まあ、大切な彼女ですものね? それくらい心配してくれてもいいけど」
「なに言ってんだよ……」
「それより私、ちゃんと戦えた。見ててくれた? やっぱり震えちゃったけど、和也が八岐大蛇の鱗で私を強くしてくれたんだって信じたら、ちゃんと戦えたよ? 最初に和也の戦いを見た時みたいに、竹刀でも化け物に勝てたよ?」
「うん。うん、そうだね」僕は香奈子のその言葉を聞き、やっと肩の力が抜けてきた。
「ちゃんと褒めて」
「よくやった、香奈子。強くなった。ありがとう」そう言って僕は香奈子の頭を何度も撫でた。
「ねえ和也?」香奈子は僕の胸の中で安心したように目を閉じ、言った。
「なに?」
「少し、デートしたい」
「デート?」
「そう。この池を、一周でいいから、和也と手を繋いで歩きたい」
「うん。歩こう」僕はそう言って香奈子の手を引っ張って立たせ、ゆっくりと池の周りを歩き始めた。
やはり僕はまだ眠りから覚めていないのか、夢の中にいるように足がふわふわした。
ただ、横を歩く香奈子の温もりは本物で、目に映る笑顔や耳に聞こえる笑い声はキラキラとしていたし、なにより重ねた唇の柔らかさは決して夢の中で感じることのできないものだった。
「これって、八匹目の八岐大蛇が伊吹山に向かった、って言うのと何か関係があるのかな?」芹那はネットで調べたニュースを僕と香奈子に見せながら言った。
ニュースには、伊吹山で火山の噴火が始まり、滋賀県、岐阜県の広範囲の地域で避難指示が出されたと書かれていた。またそれにともない、新幹線は京都名古屋間が運休となり、高速道路を始めとした一般道路の乗り入れも全面禁止となっていた。
「でもなんとか大垣市までは行けそうよ? まだJRが使えるみたい。そこからは、そうね……」
「もう言わなくてもわかってるよ」僕はうんざりしながら言った。
「わかってるってどう言うこと?」香奈子が聞いた。
「歩くのよ」「歩くんだよ」と、僕と芹那は同時に言った。
大垣市からは距離的に三十キロくらいだろうか。けれど伊吹山に登らなければいけない分、距離で計算する以上の時間がかかることが予想された。
「そんな暇がないことはわかるんだけど、少し休みましょう……」大垣市から歩き、関ヶ原まで来たところで芹那がそう言った。
「それは賛成だけど、どこで?」僕は眠気と疲労で顔を上げることもできずそう聞いた。豊玉姫の一件から、僕と芹那はほとんど睡眠をとっていない。香奈子にしても、歩き慣れていない分、僕たち以上に疲れていてもおかしくないはずだ。
「あそこなんかどうかしら?」芹那が指さしたのは、池のほとりにあるレストランのような場所だった。
「でも、開いてるかな……」
「開いてるもなにも、誰もいないわよ。さっきから人っ子一人いないわ。この辺の人はみんな避難していないのよ」
「それもそうか。じゃあ……」
「勝手に入って休みましょう。トイレも水もあるだろうし、誰も文句は言わないわ」
そんなわけで、僕と芹那と香奈子は誰もいなくなったレストランで休憩を取ることにした。
中に入るとそこは、レストランと言うよりも、レストランが併設した広いお土産物屋になっていた。
「もう駄目、わたし寝る……」そう言うが早いか、芹那はレストランのソファーにぐったりと横になり、僕と香奈子が自販機で飲み物を買って戻ってくる頃にはもう寝息を立てていた。
「和也も、横になって。疲れてるんでしょ?」
「うん。でも……」僕はなんだか疲れを通り越して、すぐには眠れそうも無かった。
「なんだか少し、寒くなって来たね」香奈子は僕の隣に座り、肩に頭をあずけながらそう言った。
「うん。もう十一月だ」僕はペットボトルの温かいお茶を飲みながら、香奈子の腰に手を回し、そっと抱き寄せた。
香奈子の温もり、その匂い、声、目を閉じていても感じられるそれらのすべてが、僕の昂った気持ちを落ち着け、安らぎを与えてくれた。
体から力が抜け、眠りに落ちる意識の中で、僕は本気で香奈子を守りたい、一緒にいたいと心に願った。
異質な気配に目を覚ました。
辺りはまだ暗い。
見慣れない場所だ。
あまりに深い眠りを貪っていたせいで、自分がどこにいるのかわからなかった。
それどころか、周りの景色を見ても、頭の中をぐるぐるといろんな記憶が回るだけで、どれが夢で、どれが妄想で、どれが現実の出来事なのかを選別することさえできなかった。目を開けているつもりが、再び眠りの中に引き戻されそうになった。
頭に美津子の顔が思い浮かんだ。正人もいる。三人で教室で笑い合っている。その夢を見ながら自分の部屋のベッドの上で目を覚ました。はずなのにそれは夢で、寝ぼけながら目を覚ます僕をスサノオが笑いながら見下ろしている。「和也、腹減ったろ? 魚が焼けてるから食え!」そんな声を聞きながら目を覚ましたはずなのに……。
起き上がってみると、窓の外で誰かが戦っていた。
体が白い靄で覆われ、微かだが金色の光を放っている。
体が「ドスンッ!」と窓に叩きつけられる。
どこだ、ここは……。
だれだ、あれは……。
三匹の河童に襲われていた。
女の子だ……。
か、香奈子……、「香奈子!!!」
僕は慌てて飛び起き、天叢雲剣を手に外に飛び出した。
竹刀を持った香奈子は、一匹に脇腹を噛みつかれながらも飛び掛かってくる一匹の攻撃をよけ、すかさず首を切り落とした。だがその隙にもう一匹の河童に首元を噛みつかれ、悲鳴を押し殺しながらその一匹を力づくで引き剥がした。脇腹に噛みつく河童を両手に持った竹刀で突き刺し、さらに体制を立て直して飛び掛かってきたさっきの一匹を真っ二つに切り裂いた。
香奈子は何とか三匹の河童に勝ったものの、力尽きてその場に倒れてしまった。
「香奈子!」僕は泣きそうな思いで香奈子に駆け寄り、その体を抱きしめた。
「香奈子、怪我は? 首は、首は大丈夫なのか?」そう言って僕は香奈子の首元に触れた。手に血はつかない。
「和也……、私……、もう……」そう言って香奈子は目を閉じようとした。
「香奈子!」
「ねえ、最後にキスして……」
「そ、そんな……、香奈子、香奈子!」そう叫んだところで、目を閉じた香奈子が笑っていることに気が付いた。
「か、香奈子?」
「もうっ! どうしてキスしてくれないの?」香奈子はそう言って目を開けた。
「な、なんだよ……、僕は……、僕は……」
「ちょっと和也、そんな顔しないで」
「どうして起こさないんだよ!」
「起こしたくなかった」
「だからって、怪我でもしちゃ」
「和也は心配し過ぎなのよ。まあ、大切な彼女ですものね? それくらい心配してくれてもいいけど」
「なに言ってんだよ……」
「それより私、ちゃんと戦えた。見ててくれた? やっぱり震えちゃったけど、和也が八岐大蛇の鱗で私を強くしてくれたんだって信じたら、ちゃんと戦えたよ? 最初に和也の戦いを見た時みたいに、竹刀でも化け物に勝てたよ?」
「うん。うん、そうだね」僕は香奈子のその言葉を聞き、やっと肩の力が抜けてきた。
「ちゃんと褒めて」
「よくやった、香奈子。強くなった。ありがとう」そう言って僕は香奈子の頭を何度も撫でた。
「ねえ和也?」香奈子は僕の胸の中で安心したように目を閉じ、言った。
「なに?」
「少し、デートしたい」
「デート?」
「そう。この池を、一周でいいから、和也と手を繋いで歩きたい」
「うん。歩こう」僕はそう言って香奈子の手を引っ張って立たせ、ゆっくりと池の周りを歩き始めた。
やはり僕はまだ眠りから覚めていないのか、夢の中にいるように足がふわふわした。
ただ、横を歩く香奈子の温もりは本物で、目に映る笑顔や耳に聞こえる笑い声はキラキラとしていたし、なにより重ねた唇の柔らかさは決して夢の中で感じることのできないものだった。
0
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説
王が気づいたのはあれから十年後
基本二度寝
恋愛
王太子は妃の肩を抱き、反対の手には息子の手を握る。
妃はまだ小さい娘を抱えて、夫に寄り添っていた。
仲睦まじいその王族家族の姿は、国民にも評判がよかった。
側室を取ることもなく、子に恵まれた王家。
王太子は妃を優しく見つめ、妃も王太子を愛しく見つめ返す。
王太子は今日、父から王の座を譲り受けた。
新たな国王の誕生だった。
【完結】20年後の真実
ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。
マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。
それから20年。
マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。
そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。
おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。
全4話書き上げ済み。
【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
【完結】生贄になった婚約者と間に合わなかった王子
ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
フィーは第二王子レイフの婚約者である。
しかし、仲が良かったのも今は昔。
レイフはフィーとのお茶会をすっぽかすようになり、夜会にエスコートしてくれたのはデビューの時だけだった。
いつしか、レイフはフィーに嫌われていると噂がながれるようになった。
それでも、フィーは信じていた。
レイフは魔法の研究に熱心なだけだと。
しかし、ある夜会で研究室の同僚をエスコートしている姿を見てこころが折れてしまう。
そして、フィーは国守樹の乙女になることを決意する。
国守樹の乙女、それは樹に喰らわれる生贄だった。
余命宣告を受けたので私を顧みない家族と婚約者に執着するのをやめることにしました
結城芙由奈
恋愛
【余命半年―未練を残さず生きようと決めた。】
私には血の繋がらない父と母に妹、そして婚約者がいる。しかしあの人達は私の存在を無視し、空気の様に扱う。唯一の希望であるはずの婚約者も愛らしい妹と恋愛関係にあった。皆に気に入られる為に努力し続けたが、誰も私を気に掛けてはくれない。そんな時、突然下された余命宣告。全てを諦めた私は穏やかな死を迎える為に、家族と婚約者に執着するのをやめる事にした―。
2021年9月26日:小説部門、HOTランキング部門1位になりました。ありがとうございます
*「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
※2023年8月 書籍化
旦那様、前世の記憶を取り戻したので離縁させて頂きます
結城芙由奈
恋愛
【前世の記憶が戻ったので、貴方はもう用済みです】
ある日突然私は前世の記憶を取り戻し、今自分が置かれている結婚生活がとても理不尽な事に気が付いた。こんな夫ならもういらない。前世の知識を活用すれば、この世界でもきっと女1人で生きていけるはず。そして私はクズ夫に離婚届を突きつけた―。
あなたの子ですが、内緒で育てます
椿蛍
恋愛
「本当にあなたの子ですか?」
突然現れた浮気相手、私の夫である国王陛下の子を身籠っているという。
夫、王妃の座、全て奪われ冷遇される日々――王宮から、追われた私のお腹には陛下の子が宿っていた。
私は強くなることを決意する。
「この子は私が育てます!」
お腹にいる子供は王の子。
王の子だけが不思議な力を持つ。
私は育った子供を連れて王宮へ戻る。
――そして、私を追い出したことを後悔してください。
※夫の後悔、浮気相手と虐げられからのざまあ
※他サイト様でも掲載しております。
※hotランキング1位&エールありがとうございます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる