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その場にいた全員が安堵の表情を浮かべているが、ファイ様だけが悲しみを堪えた顔をしている。
「ファイ様・・・」
優は次の言葉が浮かばなかった。今まで受けた仕打ちは酷いものだったが、ファイ様にとっては兄上だったのだ。
「大丈夫だよ、優。こうなる事は分かっていた。分かっていたが・・・」
とファイは目を伏せ、灰を見つめる。
「ファイ様、全部は無理かも知れませんが、一部だけでも埋葬しましょう」
ぎゅっとファイ様の手を握り締めながら言う。ライ様がどこからともなく、小さな木箱を取り出し、灰を入れてファイ様に手渡す。ソレをぎゅっと握り締めながらファイ様は呟く。
「兄上・・・」
今回の奇襲攻撃は最小限の犠牲に留めれた。国王以外は聖剣に黒いモヤを払われた後『あれ?俺何してた?』と記憶が曖昧の様だ。
「早くこの国を立ち直らさなければ」
キッと前を向き、言い放つファイ様は最初会った時とは違い、生気溢れている。うん、ファイ様なら大丈夫そうだ。
「ファイ様、私達も復興のお手伝いします。ストニアで実績もありますし」
「ラビリオ陛下にも状況を伝えすぐに支援するように伝えます」
アレク様が言う。
「何から何まで、お世話をかけますが、よろしくお願いします。私は今からこの城に住み、立て直しを図ります」
「では、私達は一旦戻り、また整えてすぐに戻ります」
アレク様とライ様、グリフィン騎士団は礼を取り、退城する。優も後に続くが、思い着いた事があり、城の裏手の森に向かう。
「どうした?優?」
アレク様に声をかけられる。
「うん、とりあえず置き土産しようと思って」
言いながら、ワサワサと森を切り開き、畑を作る。そして広大なバナナ畑を作ったのだ。
「とりあえず、すぐに食べれて栄養のあるものを。農村部は明日から整えましょ?」
紅に乗りながらアレク様と話す。
明日からはまた忙しくなりそうな、グリフィン騎士団なのだ。
「ファイ様・・・」
優は次の言葉が浮かばなかった。今まで受けた仕打ちは酷いものだったが、ファイ様にとっては兄上だったのだ。
「大丈夫だよ、優。こうなる事は分かっていた。分かっていたが・・・」
とファイは目を伏せ、灰を見つめる。
「ファイ様、全部は無理かも知れませんが、一部だけでも埋葬しましょう」
ぎゅっとファイ様の手を握り締めながら言う。ライ様がどこからともなく、小さな木箱を取り出し、灰を入れてファイ様に手渡す。ソレをぎゅっと握り締めながらファイ様は呟く。
「兄上・・・」
今回の奇襲攻撃は最小限の犠牲に留めれた。国王以外は聖剣に黒いモヤを払われた後『あれ?俺何してた?』と記憶が曖昧の様だ。
「早くこの国を立ち直らさなければ」
キッと前を向き、言い放つファイ様は最初会った時とは違い、生気溢れている。うん、ファイ様なら大丈夫そうだ。
「ファイ様、私達も復興のお手伝いします。ストニアで実績もありますし」
「ラビリオ陛下にも状況を伝えすぐに支援するように伝えます」
アレク様が言う。
「何から何まで、お世話をかけますが、よろしくお願いします。私は今からこの城に住み、立て直しを図ります」
「では、私達は一旦戻り、また整えてすぐに戻ります」
アレク様とライ様、グリフィン騎士団は礼を取り、退城する。優も後に続くが、思い着いた事があり、城の裏手の森に向かう。
「どうした?優?」
アレク様に声をかけられる。
「うん、とりあえず置き土産しようと思って」
言いながら、ワサワサと森を切り開き、畑を作る。そして広大なバナナ畑を作ったのだ。
「とりあえず、すぐに食べれて栄養のあるものを。農村部は明日から整えましょ?」
紅に乗りながらアレク様と話す。
明日からはまた忙しくなりそうな、グリフィン騎士団なのだ。
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