指輪に導かれて

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 翌朝、登城したアレク様と優はすぐにライ様に宝剣が２つに分かれ、2人の左手にある事を話す。

「それはラッキーだね。1人しか出来なかった事が、2人とも出来るんだ。2人でドンドン浄化できるんじゃないか？となると、作戦を変更してもいいかもな」

 とライ様はブツブツと言い始める。そう、作戦の決行は明日なのだ。今までは優の宝剣のみの体制だったのだが、アレクにも宝剣があるとなれば、また違った方法が取れる。

「あっ、忘れない内に言っておくけど、2人は今日の夜、愛し合わないでね。また宝剣に変化あると困るから」

 ライ様は真顔で2人に言う。

「ちょ、ライ様っ！朝から何て事をっ」

 優は顔を真っ赤にして怒る。

 アレク様はそんな優の横で『今日はダメなのか』と呟くのだ。



 そして午後からは、グリフィン騎士団と騎馬騎士団合同会議で、明日のラトニア降伏作戦の最終の詰めをする。そこには勿論当事者のファイ様も参加している。なるべく民を傷つける事無く鎮圧する計画ではあるが、それでも犠牲は出てしまう。それを思うと苦痛の顔をせずにはいられない。

「ファイ様、私とアレク様で浄化を1番にして行きますから、ラトニアの兵達の心を元に戻します。そしたら、無駄に戦う事は無いはずです！」

 優は、ファイ様の手を握り締めながら納得してもらう。

「そうだな、頼むっ」

 ファイ様は頭を下げながら言う。

「頭を上げて下さい、ファイ様っ！みんなでラトニアの民の為に頑張りましょう！」

 うお～っ！と野太い声が響き、明日の為会議は早々に解散になる。

 明日、1日で終わりますようにっ！