指輪に導かれて

ゆきりん(安室 雪)

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 早々とアレク様の屋敷に戻った優は、エマに明日から遠征でアレク様と1週間出掛ける旨を伝え、アレク様の執事にも伝えて欲しいとお願いする。

 ふう~っ、今日もバタバタで疲れたなぁ。

 服などの必要な物はエマが荷造りしてくれているので、優は夕食を食べた後、部屋でのんびりくつろいでいる。

「優様、素敵な薔薇のオイルを頂いたのでお風呂のお湯に入れてみてください」

 エマがバタバタしながら教えてくれる。

 明日からのんびりお風呂に入れないかもだから、入れちゃおう。

 そのオイルは凄く良い香りがして肌がツルツルになった。お風呂から出で髪を乾かしていると式が飛んでくる。

『優、今日は一緒に寝れるから、俺のベッドにいて。早く優を抱きしめたい』

 微笑むアレク様。

 うっ、何だか恥ずかしいなぁ。




 中々アレク様が戻らないので、優はアレク様のベッドで先に寝る。

 眠りに就いていた優だが、ベッドがギシリと沈む気配で、ぼんやり目が覚める。

「アレク様、お帰りなさい」

「優、起こしてすまない。でも・・・」

 優の目を見つめながら、アレク様の顔が近寄ってくる。思わずそっと目を閉じた優を『クスッ』とアレク様は笑い、唇を柔らかく塞ぐ。何度かキスを重ね、優を抱きしめる。アレク様の手が優のネグリジェの中にスルリと入ってきて、直にまさぐられる。優はキスの合間に甘い吐息を漏らしてしまう。

「あっ・・・、んっ。はぁ・・・」

 抱きしめたアレク様の手がピクリと動きを止める。

「ごめん、優。明日からに備えてもう、やすもう。おやすみ、優」

 不意に唇が離れ、アレク様の胸に抱き込められる。そして、頭に『チュッ』とキスを落とされる。

 アレク様?もっとキスしたかった・・・。

 口には出せず、そのまま眠りにつく。



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