指輪に導かれて

ゆきりん(安室 雪)

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 ソファに座ってぶどうを食べる紅を観察する。幸せそうにパクパク食べる紅は愛らしい。ふふっ、いつもバタバタしてて、ゆっくり紅と過ごす事無かったなぁ。大きい時と違って、手乗りグリフィンの時の紅は毛がフワフワ柔らかく、目もクリクリしてててホント可愛いっ。そんな紅がぶどうを食べ進むに従って千鳥足になってくる。やっぱりぶどうで酔っ払うんだぁ~。

「紅、可愛いねっ。いつも側にいてねっ」

『チュッ』と紅のクチバシにキスする。

 すると、ゆらりと紅が揺らめき形を変える。現れたのはーーー。

 美少年!?

 何で?

「優、きちんと触れてみたかった」

 淡い栗色の髪に紅い眼のその人は、ギュッと優を抱きしめる。でも、この人、裸なんですけどっ。

 そこにタイミング悪く(?)アレク様が戻り、優の部屋の扉を開ける。

「優、変わった事はーーー!?」

 言いかけた言葉は途中で、アレク様は携えていた剣を構える。

「何者だ?優を離せ!」

 ギロリとこちらを睨むアレク様は、普段の顔と違い、かなりの迫力があり怖い。

「ふふふっ、どうしようかな。受けて立とうかなぁ。優、願いの箱から剣を出して」

 紅もどきが言う。

「危ないから出さないって」

「ふ~ん、素手でもいいけどね?」

「止めてよ、紅っ!」

「紅?」

 アレク様げ不審な声をあげる。

「そうなんです、アレク様。コレ紅なんです。怪しい人じゃないんで、剣はしまって下さい」

「どうして紅が人間に?」

 アレク様、それについては出来心で・・・。

「優がこうしてくれたんだよ」

 ふふっと笑いながら、アレク様に見せつけるように、紅は優の頤を掴み、上を向かせるとおもむろにキスするのだ。




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