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座敷牢に繋いだ娘は最初、暴れていたが拘束された縄が解けないと分かると澤に懇願してきた。
「お金が欲しいなんてもう、言わない。だから助けてっ」
必死で言うが、澤は聞くつもりが無い。
いっその事、このまま死んでくれても構わない。さて、どうしたものか。この娘の血は欲しい、だがここから出せば面倒な事になる。血さえ貰えれば・・・。アヘン付けにしてここに繋ぎ、必要な血だけ採取しに来ればいいのかも。そうね、そうすればいつでも血が手に入る。しかし、娘はアヘン1日目にして死んだ。頭を強く打ちつけてしまったのだ。
澤は屋敷の下男を呼び、『敷地内を散策していて死体を発見した。屋敷の醜聞になってしまうので処分して欲しい』と僅かなお金を握らせ、処分させた。下男は『誰にも言わない、もしまた困る事があれば自分に依頼して欲しい』と言った。
完全にこの下男を信用した訳では無いが、他に方法も無いので、託した。娘は屋敷から出て行くのを、この下男が目撃したと話し、特に搜索される事は無かった。
案外、使える下男だったわ。澤はニヤリと笑った。
十和子には、噂通りの情報を流した。
『夜にこっそり出て行くのを、下男が見ていたようだと』
十和子は納得した様だ。
「お金が欲しいなんてもう、言わない。だから助けてっ」
必死で言うが、澤は聞くつもりが無い。
いっその事、このまま死んでくれても構わない。さて、どうしたものか。この娘の血は欲しい、だがここから出せば面倒な事になる。血さえ貰えれば・・・。アヘン付けにしてここに繋ぎ、必要な血だけ採取しに来ればいいのかも。そうね、そうすればいつでも血が手に入る。しかし、娘はアヘン1日目にして死んだ。頭を強く打ちつけてしまったのだ。
澤は屋敷の下男を呼び、『敷地内を散策していて死体を発見した。屋敷の醜聞になってしまうので処分して欲しい』と僅かなお金を握らせ、処分させた。下男は『誰にも言わない、もしまた困る事があれば自分に依頼して欲しい』と言った。
完全にこの下男を信用した訳では無いが、他に方法も無いので、託した。娘は屋敷から出て行くのを、この下男が目撃したと話し、特に搜索される事は無かった。
案外、使える下男だったわ。澤はニヤリと笑った。
十和子には、噂通りの情報を流した。
『夜にこっそり出て行くのを、下男が見ていたようだと』
十和子は納得した様だ。
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