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13 ライラ視点2
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「ミツキ様っ!!ナツキの容体はっ!?」
ナツキが帰り、ライラは虚脱感が抜けぬまま、ティールームでお茶を飲んでいた。そこにナツキの姉ミツキからの知らせがやってきたのだ。内容は
『ナツキが階段から落ちた。泣き腫らした顔も気になるから1度ライラと話しがしたい』
だった。
すぐに支度をし、向かった。
「それが、階段から落ちた際に頭を打ってしまったみたいで、今は意識不明なのよ。ねえ、ライラちゃん。ナツキと貴方は親友でしょ?あんなに泣き腫らした顔なんて、何があったか教えて頂戴?」
心配そうな顔をしたミツキ様にライラは全て話す決意をした。
「ミツキ様、怒らないで聞いて貰えますか?それと、目を覚ましたナツキにも怒らないで下さい。私もナツキの気持ちが分かるんです。まだ、キチンと恋もしていないのにお金の為に嫁がなきゃいけないなんて」
「ええ。私も分かるわ。だから、今回のナツキの無理なお願いも聞いたのよ。でもね?何故ナツキが悲しい思いをしたのか知りたいのよ」
「わかりました、お話しします。始まりはナツキが最初に泊まりに来た日から始まりますーーー」
私はなるべく事実のまま話した。兄がある人の願いを叶える為に仮面舞踏会に参加するのを許した事。ナツキは気づいていなかったが、ある人と言うのがライトラー殿下だった事。そして、2度目の再会とナツキの決断。
「まあ、短い期間に出会いがあったのね。ライトラー殿下。確かに昔、別荘で出会ったわ。もっとも、あちらは身分を隠されていたから私がキチンと知ったのは、夫と出会った後よ。何となく見覚えのある顔だったから。そうね、でもナツキとハズキはまだ幼かったからハッキリとは覚えていないわね。でも、あの別荘を手放す時、ナツキは最後までゴネていたわ。それを私や両親で忘れる様に説得したわ」
「ええ、私も覚えています。ナツキが別荘が無くなったら会えなくなる人がいるって昔言ってたの」
2人、無言になり溜息をついた。
「それはそうと、ミツキ様。ハズキは今どうなのですか?花嫁の入れ替わりでオラハルト家やハズキからの連絡は無いのですか?」
ハズキがナツキの代わりに嫁いでから3ヶ月程経っている。まだ男だとバレていないのだろうか?
「こちらも無理強いをした手前、連絡しずらくて。そうだわ。午後から親友の貴方と2人で遊びに行って、状況を確認しましょうよ。ナツキがオラハルト家に行くにしても、今どんな状況か全く分からないものね」
「分かりました。ご一緒させて頂きます」
ミツキ様は急いでハズキ宛の手紙をオラハルト家に届ける手配をしたのだ。
ナツキが帰り、ライラは虚脱感が抜けぬまま、ティールームでお茶を飲んでいた。そこにナツキの姉ミツキからの知らせがやってきたのだ。内容は
『ナツキが階段から落ちた。泣き腫らした顔も気になるから1度ライラと話しがしたい』
だった。
すぐに支度をし、向かった。
「それが、階段から落ちた際に頭を打ってしまったみたいで、今は意識不明なのよ。ねえ、ライラちゃん。ナツキと貴方は親友でしょ?あんなに泣き腫らした顔なんて、何があったか教えて頂戴?」
心配そうな顔をしたミツキ様にライラは全て話す決意をした。
「ミツキ様、怒らないで聞いて貰えますか?それと、目を覚ましたナツキにも怒らないで下さい。私もナツキの気持ちが分かるんです。まだ、キチンと恋もしていないのにお金の為に嫁がなきゃいけないなんて」
「ええ。私も分かるわ。だから、今回のナツキの無理なお願いも聞いたのよ。でもね?何故ナツキが悲しい思いをしたのか知りたいのよ」
「わかりました、お話しします。始まりはナツキが最初に泊まりに来た日から始まりますーーー」
私はなるべく事実のまま話した。兄がある人の願いを叶える為に仮面舞踏会に参加するのを許した事。ナツキは気づいていなかったが、ある人と言うのがライトラー殿下だった事。そして、2度目の再会とナツキの決断。
「まあ、短い期間に出会いがあったのね。ライトラー殿下。確かに昔、別荘で出会ったわ。もっとも、あちらは身分を隠されていたから私がキチンと知ったのは、夫と出会った後よ。何となく見覚えのある顔だったから。そうね、でもナツキとハズキはまだ幼かったからハッキリとは覚えていないわね。でも、あの別荘を手放す時、ナツキは最後までゴネていたわ。それを私や両親で忘れる様に説得したわ」
「ええ、私も覚えています。ナツキが別荘が無くなったら会えなくなる人がいるって昔言ってたの」
2人、無言になり溜息をついた。
「それはそうと、ミツキ様。ハズキは今どうなのですか?花嫁の入れ替わりでオラハルト家やハズキからの連絡は無いのですか?」
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「分かりました。ご一緒させて頂きます」
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