21 / 36
21
しおりを挟む
「・・・ィー、ソフィー。そろそろ起きないと、襲うよ?」
心地よい眠りの中、ソフィーの意識を急浮上させる声が聞こえてくる。
「ん・・・、お・そう?」
「襲って欲しいんだ?」
ちょっと意地悪そうな声色に変えた呟きが聞こえ、ソフィーの唇に暖かいモノが押し当てられる。
「!?」
バチっと目を覚ましたソフィーの目の前には、目を閉じたドアップのグレイ様の顔があり、唇に押し当てたモノの中からヌルリとしたものがソフィーの唇を押し開けて入ってきた。
「・・・んっんっ!」
全く準備が出来てなかったソフィーはすぐに息苦しくなり、グレイ様の顔を引き剥がそうとするが、ギュっと抱きしめられ身動き取れない。
「ふっ、朝から可愛いな。おはようソフィー」
唇を離され、満面の笑みでグレイ様は言うが・・・。
「・・・、朝から死ぬかと思いました」
朝食を2人でとり、食べ終わればグレイ様とはココでお別れで、日を改めて婚約の申し込みを再度受ける事に話し合って決めていた。
しばらく会えなくなるのに、2人とも黙々と朝食を食べ、食後のお茶を飲んでいる。
「では、グレイ様。お名残惜しいですが、そろそろ失礼しますわ」
いつまでもココに留まってもいられない。両親もソフィアの帰りを首を長くして待っているだろう。
「俺も一緒に出るよ、ソフィー荷物はそれだけ?」
「ええ」
ソフィアが答えると、グレイ様がサッと荷物を持ってくれる。
「えっ、侍女に運ばせるので・・・」
「俺が運んだ方が早いだろ。行くぞ」
スタスタと歩き始めるグレイ様を追いかけて行く。退去の手続きをして外に出ると、スッと一台の豪華な馬車が目の前に止まる。馭者が降りてきてグレイ様から荷物を預かると荷物台に積み始め、グレイ様はソフィーに馬車に乗るようにエスコートしてくれる。
「グレイ様、うちの馬車も迎えに来るので大丈夫ですよ?」
「もう、荷物も積んだし。ソフィーは俺と一緒の馬車はイヤか?」
ソフィーの手を握りしめたまま、目尻を少し下げながら問われる。
「イヤなんて・・・。では、遠回りになりますがお願いします」
答えると、優しく微笑みながら、
「久しぶりのソフィーの家、楽しみだな」
と言うのだ。
心地よい眠りの中、ソフィーの意識を急浮上させる声が聞こえてくる。
「ん・・・、お・そう?」
「襲って欲しいんだ?」
ちょっと意地悪そうな声色に変えた呟きが聞こえ、ソフィーの唇に暖かいモノが押し当てられる。
「!?」
バチっと目を覚ましたソフィーの目の前には、目を閉じたドアップのグレイ様の顔があり、唇に押し当てたモノの中からヌルリとしたものがソフィーの唇を押し開けて入ってきた。
「・・・んっんっ!」
全く準備が出来てなかったソフィーはすぐに息苦しくなり、グレイ様の顔を引き剥がそうとするが、ギュっと抱きしめられ身動き取れない。
「ふっ、朝から可愛いな。おはようソフィー」
唇を離され、満面の笑みでグレイ様は言うが・・・。
「・・・、朝から死ぬかと思いました」
朝食を2人でとり、食べ終わればグレイ様とはココでお別れで、日を改めて婚約の申し込みを再度受ける事に話し合って決めていた。
しばらく会えなくなるのに、2人とも黙々と朝食を食べ、食後のお茶を飲んでいる。
「では、グレイ様。お名残惜しいですが、そろそろ失礼しますわ」
いつまでもココに留まってもいられない。両親もソフィアの帰りを首を長くして待っているだろう。
「俺も一緒に出るよ、ソフィー荷物はそれだけ?」
「ええ」
ソフィアが答えると、グレイ様がサッと荷物を持ってくれる。
「えっ、侍女に運ばせるので・・・」
「俺が運んだ方が早いだろ。行くぞ」
スタスタと歩き始めるグレイ様を追いかけて行く。退去の手続きをして外に出ると、スッと一台の豪華な馬車が目の前に止まる。馭者が降りてきてグレイ様から荷物を預かると荷物台に積み始め、グレイ様はソフィーに馬車に乗るようにエスコートしてくれる。
「グレイ様、うちの馬車も迎えに来るので大丈夫ですよ?」
「もう、荷物も積んだし。ソフィーは俺と一緒の馬車はイヤか?」
ソフィーの手を握りしめたまま、目尻を少し下げながら問われる。
「イヤなんて・・・。では、遠回りになりますがお願いします」
答えると、優しく微笑みながら、
「久しぶりのソフィーの家、楽しみだな」
と言うのだ。
1
お気に入りに追加
560
あなたにおすすめの小説
【R18】悪役令嬢を犯して罪を償わせ性奴隷にしたが、それは冤罪でヒロインが黒幕なので犯して改心させることにした。
白濁壺
恋愛
悪役令嬢であるベラロルカの数々の悪行の罪を償わせようとロミリオは単身公爵家にむかう。警備の目を潜り抜け、寝室に入ったロミリオはベラロルカを犯すが……。
今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。
そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。
だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。
そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。
マイナー18禁乙女ゲームのヒロインになりました
東 万里央(あずま まりお)
恋愛
十六歳になったその日の朝、私は鏡の前で思い出した。この世界はなんちゃってルネサンス時代を舞台とした、18禁乙女ゲーム「愛欲のボルジア」だと言うことに……。私はそのヒロイン・ルクレツィアに転生していたのだ。
攻略対象のイケメンは五人。ヤンデレ鬼畜兄貴のチェーザレに男の娘のジョバンニ。フェロモン侍従のペドロに影の薄いアルフォンソ。大穴の変人両刀のレオナルド……。ハハッ、ロクなヤツがいやしねえ! こうなれば修道女ルートを目指してやる!
そんな感じで涙目で爆走するルクレツィアたんのお話し。
腹黒王子は、食べ頃を待っている
月密
恋愛
侯爵令嬢のアリシア・ヴェルネがまだ五歳の時、自国の王太子であるリーンハルトと出会った。そしてその僅か一秒後ーー彼から跪かれ結婚を申し込まれる。幼いアリシアは思わず頷いてしまい、それから十三年間彼からの溺愛ならぬ執愛が止まらない。「ハンカチを拾って頂いただけなんです!」それなのに浮気だと言われてしまいーー「悪い子にはお仕置きをしないとね」また今日も彼から淫らなお仕置きをされてーー……。
悪役令嬢は王太子の妻~毎日溺愛と狂愛の狭間で~
一ノ瀬 彩音
恋愛
悪役令嬢は王太子の妻になると毎日溺愛と狂愛を捧げられ、
快楽漬けの日々を過ごすことになる!
そしてその快感が忘れられなくなった彼女は自ら夫を求めるようになり……!?
※この物語はフィクションです。
R18作品ですので性描写など苦手なお方や未成年のお方はご遠慮下さい。
《R18短編》優しい婚約者の素顔
あみにあ
恋愛
私の婚約者は、ずっと昔からお兄様と慕っていた彼。
優しくて、面白くて、頼りになって、甘えさせてくれるお兄様が好き。
それに文武両道、品行方正、眉目秀麗、令嬢たちのあこがれの存在。
そんなお兄様と婚約出来て、不平不満なんてあるはずない。
そうわかっているはずなのに、結婚が近づくにつれて何だか胸がモヤモヤするの。
そんな暗い気持ちの正体を教えてくれたのは―――――。
※6000字程度で、サクサクと読める短編小説です。
※無理矢理な描写がございます、苦手な方はご注意下さい。
妻と夫と元妻と
キムラましゅろう
恋愛
復縁を迫る元妻との戦いって……それって妻(わたし)の役割では?
わたし、アシュリ=スタングレイの夫は王宮魔術師だ。
数多くの魔術師の御多分に漏れず、夫のシグルドも魔術バカの変人である。
しかも二十一歳という若さで既にバツイチの身。
そんな事故物件のような夫にいつの間にか絆され絡めとられて結婚していたわたし。
まぁわたしの方にもそれなりに事情がある。
なので夫がバツイチでもとくに気にする事もなく、わたしの事が好き過ぎる夫とそれなりに穏やかで幸せな生活を営んでいた。
そんな中で、国王肝入りで魔術研究チームが組まれる事になったのだとか。そしてその編成されたチームメイトの中に、夫の別れた元妻がいて………
相も変わらずご都合主義、ノーリアリティなお話です。
不治の誤字脱字病患者の作品です。
作中に誤字脱字が有ったら「こうかな?」と脳内変換を余儀なくさせられる恐れが多々ある事をご了承下さいませ。
性描写はありませんがそれを連想させるワードが出てくる恐れがありますので、破廉恥がお嫌いな方はご自衛下さい。
小説家になろうさんでも投稿します。
【R18】殿下!そこは舐めてイイところじゃありません! 〜悪役令嬢に転生したけど元潔癖症の王子に溺愛されてます〜
茅野ガク
恋愛
予想外に起きたイベントでなんとか王太子を救おうとしたら、彼に執着されることになった悪役令嬢の話。
☆他サイトにも投稿しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる