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スノーランドの分教会の馬の葉パンの販売初日、現場の人だけで作業をしてもらうが、何かあった時のためにローゼリアも立ち会っていた。もちろん敢えて手助けはしない。
しかし、教会の孤児院を卒院した子達3人は手際よく馬の葉パンを作っていく。元々普通のパン作りをしていたので、馬の葉の粉末を加える作業が増えても、難なくこなして、ふっくらしたパンわ焼き上げていた。
ローゼリアは冷ましたソレを1つ食べる。
「うんっ、美味しいわ。馬の葉パンも完璧ね。分教会だけのオリジナルパンも将来的に考えても面白いかもね?もちろん、もう少し慣れてからだけどね?」
朝から売り出したパンはお昼前に売り切れた。買えなかった人はまた、明日買いに来ると言っていた。
「じゃあ、明日からもお願いね?困った事があったらいつでも連絡してね?1週間に1度は様子を見に来るわ」
シスターにも挨拶をし、お昼過ぎには帰る事にしたのだが・・・。
「ああ、君はカサブランカの元義娘ではないか。今から昼食を食べに行くのだが、一緒に如何だね?」
オペラを観に行ったときに、カサブランカの横にいた、脂ぎった小太りオヤジだ。
「いえ、私はこの後、予定がありますので。申し訳ありません」
内心は『何であなたとなんか食事に行かなくてならないの?行くわけないでしょ?』だが、顔に出さない様に断る。しかし、
「一緒に来てもらいますよ」
と、ナイフを首に当てられた。
しまった。
御者のみで、警護はつけていない。
御者には目配せし、男について馬車に乗る事になった。さて、どうしよう。馬車が出る時に、少し振動があった。あまり乗り心地は良くなさそうだ。ローゼリアが乗るはずだった馬車は助けを求め、屋敷方面に走って行った。因みにこの馬車はローゼリアの屋敷とは逆方面に進んでいた。
2時間程走った所で、馬車は古ぼけた屋敷の敷地に入って行った。壁には蔦が絡まり、かなり陰鬱な印象を受ける。
ああ、ココは怪しげな仮面パーティが行われていると言う、没落貴族の屋敷つだはなかっただろうか?馬車が止まり、外に連れ出された。
男に引っ張られながら、イヤイヤ屋敷の中に連れられて行く。中は装飾品もあまり無く、荒れており、床もギシギシと音が鳴る。ドアの前をいくつか通過し、一つの部屋に押し込められ、外から鍵を掛けられてしまった。
「大人しくしてろよ?お前は今日のゲストになるんだからな」
デヘヘヘヘッ、気持ち悪い笑いを残し、男は去って行った。
しかし、教会の孤児院を卒院した子達3人は手際よく馬の葉パンを作っていく。元々普通のパン作りをしていたので、馬の葉の粉末を加える作業が増えても、難なくこなして、ふっくらしたパンわ焼き上げていた。
ローゼリアは冷ましたソレを1つ食べる。
「うんっ、美味しいわ。馬の葉パンも完璧ね。分教会だけのオリジナルパンも将来的に考えても面白いかもね?もちろん、もう少し慣れてからだけどね?」
朝から売り出したパンはお昼前に売り切れた。買えなかった人はまた、明日買いに来ると言っていた。
「じゃあ、明日からもお願いね?困った事があったらいつでも連絡してね?1週間に1度は様子を見に来るわ」
シスターにも挨拶をし、お昼過ぎには帰る事にしたのだが・・・。
「ああ、君はカサブランカの元義娘ではないか。今から昼食を食べに行くのだが、一緒に如何だね?」
オペラを観に行ったときに、カサブランカの横にいた、脂ぎった小太りオヤジだ。
「いえ、私はこの後、予定がありますので。申し訳ありません」
内心は『何であなたとなんか食事に行かなくてならないの?行くわけないでしょ?』だが、顔に出さない様に断る。しかし、
「一緒に来てもらいますよ」
と、ナイフを首に当てられた。
しまった。
御者のみで、警護はつけていない。
御者には目配せし、男について馬車に乗る事になった。さて、どうしよう。馬車が出る時に、少し振動があった。あまり乗り心地は良くなさそうだ。ローゼリアが乗るはずだった馬車は助けを求め、屋敷方面に走って行った。因みにこの馬車はローゼリアの屋敷とは逆方面に進んでいた。
2時間程走った所で、馬車は古ぼけた屋敷の敷地に入って行った。壁には蔦が絡まり、かなり陰鬱な印象を受ける。
ああ、ココは怪しげな仮面パーティが行われていると言う、没落貴族の屋敷つだはなかっただろうか?馬車が止まり、外に連れ出された。
男に引っ張られながら、イヤイヤ屋敷の中に連れられて行く。中は装飾品もあまり無く、荒れており、床もギシギシと音が鳴る。ドアの前をいくつか通過し、一つの部屋に押し込められ、外から鍵を掛けられてしまった。
「大人しくしてろよ?お前は今日のゲストになるんだからな」
デヘヘヘヘッ、気持ち悪い笑いを残し、男は去って行った。
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