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ガイナード様に連れられ王宮に戻る。ちなみに、ミーシャもサリナもメイド服+変装だ。一見して2人は正体を見破られる事は無いだろうという位の変装の出来だった。
ガイナード様に連れられ、2人はある部屋に通される。そこにいたのは
「フレッド!!」
小走りでフレッドの元に行こうとすると、フレッドも大股で歩いてくる。2人は抱き合い、キスを交わす。周りが薔薇で埋め尽くされた頃、
「あ~、兄貴。そろそろいいか?」
遠慮がちに声がかかる。
しまった!!部屋には他にも人が・・・、生暖かい視線を感じる。ガイナード様は慣れているが顔が引きつっているし、サリナはやれやれといった顔だ。
ソファーに座るがもちろんフレッドの膝の上だ。向かいにはガイナード様が座り、お茶を入れたサリナはガイナード様のソファーの横に立った。
「君も座りなよ、サリナ」
ガイナード様が声を掛けるが、サリナは断っていた。
「俺が命じる、サリナ座れ」
フレッドに言われ、目を丸くしたサリナだったがフレッドの言葉に従わない訳にはいかない。大人しくガイナード様の横に座った。
「よし、では今後の流れを話す。今日の夕方女性騎士2人にミーシャとサリナのフリをしてもらい、この王宮に帰って来てもらう。そしてーーー」
とフレッドは私達2人に説明を続けた。その説明によると、私達はとりあえずやる事はない。大人しく王宮内で身を潜めておく事だけだ。せっかく帰ってきたのに。
「大丈夫だ、犯人の手がかりが掴めれば協力してもらうからな」
ニヤリとフレッドは笑った。
ミーシャはこの部屋の中で繋がっている寝室を使い、サリナはその部屋に付随している侍女用の部屋を使う事になった。この部屋は諸外国の要人を招いた際に使う部屋らしい。応接室・主寝室・バス・トイレ・メイド部屋・メイド用水回りが完備されている。サリナはガイナード様にお願いして花瓶を持ってきてもらった。そして愛の花を飾り、飾りきれない分をガイナード様に手渡した。
「フレデリック殿下とミーシャ様が数週間振りに会うのでしたら、愛の花は必須アイテムですわ」
「なるほどな、そうだな」
ガイナード様は愛の花を箱で隠して持って行った。
ガイナード様に連れられ、2人はある部屋に通される。そこにいたのは
「フレッド!!」
小走りでフレッドの元に行こうとすると、フレッドも大股で歩いてくる。2人は抱き合い、キスを交わす。周りが薔薇で埋め尽くされた頃、
「あ~、兄貴。そろそろいいか?」
遠慮がちに声がかかる。
しまった!!部屋には他にも人が・・・、生暖かい視線を感じる。ガイナード様は慣れているが顔が引きつっているし、サリナはやれやれといった顔だ。
ソファーに座るがもちろんフレッドの膝の上だ。向かいにはガイナード様が座り、お茶を入れたサリナはガイナード様のソファーの横に立った。
「君も座りなよ、サリナ」
ガイナード様が声を掛けるが、サリナは断っていた。
「俺が命じる、サリナ座れ」
フレッドに言われ、目を丸くしたサリナだったがフレッドの言葉に従わない訳にはいかない。大人しくガイナード様の横に座った。
「よし、では今後の流れを話す。今日の夕方女性騎士2人にミーシャとサリナのフリをしてもらい、この王宮に帰って来てもらう。そしてーーー」
とフレッドは私達2人に説明を続けた。その説明によると、私達はとりあえずやる事はない。大人しく王宮内で身を潜めておく事だけだ。せっかく帰ってきたのに。
「大丈夫だ、犯人の手がかりが掴めれば協力してもらうからな」
ニヤリとフレッドは笑った。
ミーシャはこの部屋の中で繋がっている寝室を使い、サリナはその部屋に付随している侍女用の部屋を使う事になった。この部屋は諸外国の要人を招いた際に使う部屋らしい。応接室・主寝室・バス・トイレ・メイド部屋・メイド用水回りが完備されている。サリナはガイナード様にお願いして花瓶を持ってきてもらった。そして愛の花を飾り、飾りきれない分をガイナード様に手渡した。
「フレデリック殿下とミーシャ様が数週間振りに会うのでしたら、愛の花は必須アイテムですわ」
「なるほどな、そうだな」
ガイナード様は愛の花を箱で隠して持って行った。
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