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「ジュリアちゃん、ジオン様と付き合ってるの?」
休み明けの翌日、シャリルから朝一で聞かれる。
「付き合ってないですっ!!ちょっと色々あって洗濯係を請け負っただけです」
部屋が汚いから掃除のバイトをしてる事を言うのは避けてみた。何となくイメージ悪いし、洗濯位ならいいかな?
「ふ~ん?」
しかし、ジオン様とジュリアが付き合ってると言う噂は何故か広がっていくのだった。
数日後、見かねたラルク様が助け船を出してくれた。昼食時にトレーを持って並んでたラルク様が話しかけてきたのだ。
「ジュリアちゃん。ごめんね~、俺達が洗濯とか頼んじゃったから変な噂になっちゃって。ジオンと付き合ってないのにね~?」
笑顔で否定してくれる。
「あ、はいっ!皆さん噂好きなんですね。びっくりしちゃいました。私とジオン様じゃ釣り合い取れないですよ。考えればわかりますよね~」
あははっと、笑う。
「まあ、釣り合い取れなくはないけどね?ジオンと付き合ってないんだからさ、俺と付き合わない?」
「は?」
「考えてみてよね?ジュリアちゃん」
ウィンクをして去って行く。
ラルク様まで、なんて事言うんですかっ!
食堂内はザワザワといつも以上の喧騒に包まれた。
またまた数日で、ジュリアはラルク様とジオン様兄弟(やはり兄弟だった!!)に言い寄られている子と、騎士食堂内で噂に噂になってしまった。
ううっ、ジオン様は不可抗力だし、ラルク様のは助け船+冗談だし。
食堂でジオン様とラルク様と話している時の、皆さんの生暖かい目が苦しい。
そんなある日曜日、2人の部屋へ掃除に向かうと、ラルク様がお休みらしく共有スペースのソファーでのんびりしていた。飲んでいるのは紙パックのコーヒー牛乳だ。
「ラルク様、コーヒー牛乳なんですね」
確かにゴミ箱には紙パックがいくつかあった気がする。
「仕事がある時は、騎士塔に行けばコーヒーがあるんだがな。休みの日はココで飲めるパックだ」
「う~ん、それならモノ置きになってるミニキッチン片付けて、お湯沸かせるようにしませんか?そしたら冬になっても暖かいコーヒーが飲めますよ?」
「飲み終わったコップ片付けるのが面倒だ」
お湯は沸かす気はあるんですね。
「飲んだ直後なら水ですすげば大丈夫ですよ?最悪カリカリになったら私が洗います。1週間なら付け洗いすれば汚れは落ちますから」
「本当かっ!?じゃあ、午後から部屋でコーヒー飲む時に必要なモノ買いに行こうかな。ジュリアちゃんも午後予定が無ければ一緒に行かないかな?美味いパスタとケーキをご馳走するよ?」
「えっ!行きたいですっ!!」
初日に比べ、部屋の掃除は楽になっていた。タオルとその他がカゴに分けて入れられているのは大きい。部屋中から洗濯物を集めなくていいのだ。
掃除を終わらせ、ジュリアは一旦部屋に帰り、着替えてからラルク様と街に出た。
休み明けの翌日、シャリルから朝一で聞かれる。
「付き合ってないですっ!!ちょっと色々あって洗濯係を請け負っただけです」
部屋が汚いから掃除のバイトをしてる事を言うのは避けてみた。何となくイメージ悪いし、洗濯位ならいいかな?
「ふ~ん?」
しかし、ジオン様とジュリアが付き合ってると言う噂は何故か広がっていくのだった。
数日後、見かねたラルク様が助け船を出してくれた。昼食時にトレーを持って並んでたラルク様が話しかけてきたのだ。
「ジュリアちゃん。ごめんね~、俺達が洗濯とか頼んじゃったから変な噂になっちゃって。ジオンと付き合ってないのにね~?」
笑顔で否定してくれる。
「あ、はいっ!皆さん噂好きなんですね。びっくりしちゃいました。私とジオン様じゃ釣り合い取れないですよ。考えればわかりますよね~」
あははっと、笑う。
「まあ、釣り合い取れなくはないけどね?ジオンと付き合ってないんだからさ、俺と付き合わない?」
「は?」
「考えてみてよね?ジュリアちゃん」
ウィンクをして去って行く。
ラルク様まで、なんて事言うんですかっ!
食堂内はザワザワといつも以上の喧騒に包まれた。
またまた数日で、ジュリアはラルク様とジオン様兄弟(やはり兄弟だった!!)に言い寄られている子と、騎士食堂内で噂に噂になってしまった。
ううっ、ジオン様は不可抗力だし、ラルク様のは助け船+冗談だし。
食堂でジオン様とラルク様と話している時の、皆さんの生暖かい目が苦しい。
そんなある日曜日、2人の部屋へ掃除に向かうと、ラルク様がお休みらしく共有スペースのソファーでのんびりしていた。飲んでいるのは紙パックのコーヒー牛乳だ。
「ラルク様、コーヒー牛乳なんですね」
確かにゴミ箱には紙パックがいくつかあった気がする。
「仕事がある時は、騎士塔に行けばコーヒーがあるんだがな。休みの日はココで飲めるパックだ」
「う~ん、それならモノ置きになってるミニキッチン片付けて、お湯沸かせるようにしませんか?そしたら冬になっても暖かいコーヒーが飲めますよ?」
「飲み終わったコップ片付けるのが面倒だ」
お湯は沸かす気はあるんですね。
「飲んだ直後なら水ですすげば大丈夫ですよ?最悪カリカリになったら私が洗います。1週間なら付け洗いすれば汚れは落ちますから」
「本当かっ!?じゃあ、午後から部屋でコーヒー飲む時に必要なモノ買いに行こうかな。ジュリアちゃんも午後予定が無ければ一緒に行かないかな?美味いパスタとケーキをご馳走するよ?」
「えっ!行きたいですっ!!」
初日に比べ、部屋の掃除は楽になっていた。タオルとその他がカゴに分けて入れられているのは大きい。部屋中から洗濯物を集めなくていいのだ。
掃除を終わらせ、ジュリアは一旦部屋に帰り、着替えてからラルク様と街に出た。
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