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石の階段を降りる。1つ下はお話し部屋、その下は入れない部屋で扉があるであろう場所に扉は無い。ホントに入る場所が無いようだ。更に1つ下の階に降り、扉を開け中に入る。
うわぁ、埃臭い。
中には家具が押し込められている。かなり古いようだ。
「ココの家具は歴代の天狗が使っていたモノだ。俺も前天狗の家具をココに運んでもらった」
中の通れそうな所だけ歩いてみる。
ん?
「気のせいかもしれないけど、上の部屋よりも広い?」
上の部屋が細かく仕切られていたからだろうか?何となくこの部屋の方が断然広く感じる。
「古い建物だからな。今程建築技術も無いだろうから多少はアバウトなんだろ?この部屋、埃臭いな。俺はもう出るぞ」
カミーユが部屋から出た後、窓から外を見る。ココは1階だ。1階?
おかしい。
「カミーユっ!!おかしいっ!!」
「あ?どうした?」
「ココは1階なんだ」
「ああ?ああ」
「お話し部屋は何階?」
「2階だな」
「カミーユの部屋は?」
「3階だ」
「入れない部屋は?」
「1階・・・のはずはないな」
「そう、階段と部屋の階がズレてるのよ。普通の折り返し階段であればすぐに気づくわ。でも螺旋階段でカミーユは自分の部屋とお話し部屋しか移動しない。自分が何階にいても気にならない。屋敷内の通常の階段では、私の部屋は2階だったわ。ねえ、ダリは気づいていたの?」
ひっそりと後を付いてきていたダリにたずねる。
「ええ、知っていましたよ。外から見た事があるのでカミーユの部屋が1階分ズレていると。階段がトリックなんだと気が付いていましたが、入れない部屋に行く方法は見つけられませんでした。入れない部屋があるフロアは誰も行けないのです。カレン様は目の付け所が素晴らしいですね」
「でも、入れない部屋の行き方が分からないわ。あの部屋はホントに天狗と関係無いのか、有るのかも」
「そうですね。今日はココまでにして、続きはまた明日にしましょう」
ダリの言葉で今日のお話し時間は終わりになったのだが。
降りる分には楽な階段も、実質3階分を上がるとなるとかなりキツかった。
うわぁ、埃臭い。
中には家具が押し込められている。かなり古いようだ。
「ココの家具は歴代の天狗が使っていたモノだ。俺も前天狗の家具をココに運んでもらった」
中の通れそうな所だけ歩いてみる。
ん?
「気のせいかもしれないけど、上の部屋よりも広い?」
上の部屋が細かく仕切られていたからだろうか?何となくこの部屋の方が断然広く感じる。
「古い建物だからな。今程建築技術も無いだろうから多少はアバウトなんだろ?この部屋、埃臭いな。俺はもう出るぞ」
カミーユが部屋から出た後、窓から外を見る。ココは1階だ。1階?
おかしい。
「カミーユっ!!おかしいっ!!」
「あ?どうした?」
「ココは1階なんだ」
「ああ?ああ」
「お話し部屋は何階?」
「2階だな」
「カミーユの部屋は?」
「3階だ」
「入れない部屋は?」
「1階・・・のはずはないな」
「そう、階段と部屋の階がズレてるのよ。普通の折り返し階段であればすぐに気づくわ。でも螺旋階段でカミーユは自分の部屋とお話し部屋しか移動しない。自分が何階にいても気にならない。屋敷内の通常の階段では、私の部屋は2階だったわ。ねえ、ダリは気づいていたの?」
ひっそりと後を付いてきていたダリにたずねる。
「ええ、知っていましたよ。外から見た事があるのでカミーユの部屋が1階分ズレていると。階段がトリックなんだと気が付いていましたが、入れない部屋に行く方法は見つけられませんでした。入れない部屋があるフロアは誰も行けないのです。カレン様は目の付け所が素晴らしいですね」
「でも、入れない部屋の行き方が分からないわ。あの部屋はホントに天狗と関係無いのか、有るのかも」
「そうですね。今日はココまでにして、続きはまた明日にしましょう」
ダリの言葉で今日のお話し時間は終わりになったのだが。
降りる分には楽な階段も、実質3階分を上がるとなるとかなりキツかった。
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