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 翌月曜日、セキュリティの前には翔さんがいる。

「おはようございますっ」

 いつもの様に挨拶してくれる。

「おはようございます」

 にっこり笑って返す。

「城田さん、おはよう」

「西河さん、おはよございます」

 いつもはもっと早く出勤する西河さんにしては珍しい時間の出勤だ。

「城田さん、警備の人と仲いいの?」

「え?」

「昨日、カフェで見かけたから」

「あ。本屋で偶然会ってお茶したんですよ~。甘党らしくて、来週もカフェ行こうって。ずっと行きたかったお店なんですよ~」

「ふ~ん?付き合ってるの?」

「えっ、付き合ってないですよ?お茶友達?みたいなもんですよ」

「じゃ、俺がカフェ誘っても一緒に行ってくれる?」

「はい、もちろんですよ。西河さんも甘党なんですね?」

 話してるうちに部署に着く。

「じゃ、詳しくはまたね」



 その週末の金曜日、西河さんから社内メールが届く。明日の土曜日、カフェに行かないかと。西河さんが行ってみたい所があるらしい。

『行きます』

 返事をすると、すぐに待ち合わせ場所と時間が送られてきて、了解の返事をする。



 翌日、待ち合わせ場所に向かうと、すでに西河さんはいた。落ち着いた雰囲気の西河さんは安心する。向かった先はホテルの高級アフタヌーンティーだ。

 うわ~っ。憧れのアフタヌーンティーだぁ!3段のお皿にスコーン・サンドイッチ・ケーキが沢山乗っていて、紅茶も沢山の種類から選び放題!しかも、イケメン西河さん付き!
もぐもぐとご機嫌で食べ始める。

「城田さん、美味しい?」

「はい、おいしいです」

「スコーンも?」

「はい、美味しいです」

「お茶も美味しい?」

「はい、美味しいです」

「俺と付き合う?」

「はい、付き合いま・・・す?え?」

 えっ!?

 にやりと西河さんが笑う。

「ありがと、付き合ってくれるんだ?」

「は、あ、いや、違っ・・・?」

「明日、もし警備の人に告られても『恋人います』って言ってね?」

 ウィンクしながら頭を撫ででくる。
 
 そして、おもむろに小さな箱を取り出すと、亜美の指に指輪をはめる。サイズはピッタリだ。

「え?」

「俺のモノの証し。仕事にもちゃんとして来てね」



 そして翌日、翔と待ち合わせ場所に向かった亜美だが、翔を見た瞬間、謝る。

『ごめんなさい、彼が出来たので2人でお茶は出来ない』

 そんな亜美に翔は、『いいよ』と言ってくれる。優しい人だ。

 すぐに別れ、亜美が振り返るとそこには西河さんがいる

「亜美、よく出来ました」

 満面の笑みで頭を撫で、甘く優しいキスをする。 


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