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 翌日も同じ時間に出勤し、まずは調理場でお手伝いし、盛りつける。なんか、給食のおばさんの気分だ。そして、昨日と同じように急かされる事もなく、洗い物、掃除をしてお茶の時間だ。

 掃除している間にお菓子の箱が置かれている。今日のおやつは何だろう?お湯を沸かしながら箱を開ける。

 うわぁ、竹に入った水羊羹っ!!高そうっ!

 ちゃんと冷えてるし冷えてるしっ!!

 そこに生田さんが現れる。

 「あっ、生田さんっ!おやつは水羊羹ですよ。竹に入ってて、すっごく美味しそうです」

 「ああ、和菓子屋さんで人気って言ってましたね」

 「えっ、生田さんが選んでるんですか?」

 「1人で選んでる訳じゃ無いですよ。では」

 生田さんがお菓子を抱え、茶髪の人が湯呑みとヤカンを持って行った。

 1人になり、早速休憩室で頂く。

 「むふっ、こんなに美味しい水羊羹はじめてっ!幸せっ!!」

 「そんなに美味いか?」

 「うんっ、すっごく美味しい・・・、はっ」

 声がした方を見ると、京極さんが部屋の前で襖を開けて佇んでいた。

 「えっ、あっ、すいま・・・、きゃっ、あつっ!!」

 慌てて、湯呑みをひっくり返してしまい、正座していた脚にかかる。

 「お前っ、火傷してないか?」

 手際良く、パンツ(ズボン)を脱がされる。

 「ああ、赤くなってるだけだな、良かったな。水ぶくれじゃなくて」

 京極さんは安心した顔をするが、私は

 「キャーッ!!」

 と叫んでしまった。

 仕方ない、いきなり脱がされてしまってパニックになったのだ。その叫んでる口を手で押さえつけられ、バランスを崩して後ろに転がってしまう。

 「どうしましたか、竹田さん?・・・、樹さん。何襲ってるんですか?」

 バタバタと走ってきた生田さんは、目を見開いている。そうだよね、当事者の私も、何でこんな格好になってるのか意味不明だもん。

 
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