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国王が落ち着くのを待ち、マリアンヌが話し出した。
「あの・・・、私の事は今まで通りマリーでお願いします。それで、あの、皆様にお伝えしたい事はもう一点。ランチェス王国の現国王のダリー・ダンダンと息子ゴリー・ダンダンには、幼少の頃面識がありまして・・・」
「「ダリー・ダンダン、ゴリー・ダンダンっ!!」
プハッと、アリアとサイノスは笑ってしまった。いや、知識として名前は知っていたが、言葉で聞くと笑える。2人は珍しく素でケタケタと笑い転げた。
「あの、続きいいでしょうか?2人は体型が丸くて、陰口で『ブタ』と呼ばれていました」
「あ、王太子は『ブタ王子』って今、呼ばれてるぞ」
サイノスが補足する。
「そのゴリーに昔、しつこく付きまとわれた事があります。私はまだ5歳でしたので、とても怖かった。兄様・・・、私の兄様は5歳上でゴリーから守ってくれたのですが。婚約話も持ち出していたようです。私の容姿と皇女の地位にこだわっていて。なので、アリア様て私は似ている上に、アリア様は現皇女様です。絶対にゴリーには気をつけて下さいませっ!!1人では行動しないで下さい。侍女と護衛を必ず付けて下さいっ!!」
「は、はい」
初めて聞く、マリーの切実な叫びに近いお願いに皆びっくりしてしまった。
「護衛はリュークでいいんじゃないか?アリア親しいし」
サイノスの声に、父様は頷き部屋を出て行く。その際にもマリー向かい
「代わりにはなれないかもしれないが、本当の父・母て思い頼って欲しい。すぐには無理だが、マリアンヌ、君を養女として迎えたい」
の言葉を残した。
「マリーが養女、妹・・・」
サイノスがブツブツ言っているが、とりあえず聞き流しておいた。
「アリア様、ゴリーは臭いんです。風下には立たないでくださいね。手もネッチョリして気持ち悪いんです。握手はなるべく避けて下さい。手袋は必須です。換えは侍女に持ち運ばせて下さい。お手拭きもいります」
マリーは注意事項を念押した。
「あ、ありがとうマリー。それから今後は私の事は「アリア」で良いですよ?従姉妹ですものね?」
「はい、アリアありがとう」
にっこり笑ってマリーは寮に向かって行った。
「あの・・・、私の事は今まで通りマリーでお願いします。それで、あの、皆様にお伝えしたい事はもう一点。ランチェス王国の現国王のダリー・ダンダンと息子ゴリー・ダンダンには、幼少の頃面識がありまして・・・」
「「ダリー・ダンダン、ゴリー・ダンダンっ!!」
プハッと、アリアとサイノスは笑ってしまった。いや、知識として名前は知っていたが、言葉で聞くと笑える。2人は珍しく素でケタケタと笑い転げた。
「あの、続きいいでしょうか?2人は体型が丸くて、陰口で『ブタ』と呼ばれていました」
「あ、王太子は『ブタ王子』って今、呼ばれてるぞ」
サイノスが補足する。
「そのゴリーに昔、しつこく付きまとわれた事があります。私はまだ5歳でしたので、とても怖かった。兄様・・・、私の兄様は5歳上でゴリーから守ってくれたのですが。婚約話も持ち出していたようです。私の容姿と皇女の地位にこだわっていて。なので、アリア様て私は似ている上に、アリア様は現皇女様です。絶対にゴリーには気をつけて下さいませっ!!1人では行動しないで下さい。侍女と護衛を必ず付けて下さいっ!!」
「は、はい」
初めて聞く、マリーの切実な叫びに近いお願いに皆びっくりしてしまった。
「護衛はリュークでいいんじゃないか?アリア親しいし」
サイノスの声に、父様は頷き部屋を出て行く。その際にもマリー向かい
「代わりにはなれないかもしれないが、本当の父・母て思い頼って欲しい。すぐには無理だが、マリアンヌ、君を養女として迎えたい」
の言葉を残した。
「マリーが養女、妹・・・」
サイノスがブツブツ言っているが、とりあえず聞き流しておいた。
「アリア様、ゴリーは臭いんです。風下には立たないでくださいね。手もネッチョリして気持ち悪いんです。握手はなるべく避けて下さい。手袋は必須です。換えは侍女に持ち運ばせて下さい。お手拭きもいります」
マリーは注意事項を念押した。
「あ、ありがとうマリー。それから今後は私の事は「アリア」で良いですよ?従姉妹ですものね?」
「はい、アリアありがとう」
にっこり笑ってマリーは寮に向かって行った。
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