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 のっしのっしと音がしそうにグーは歩き、外に出た。突然眩しくなった外に目を細める。アリアの後ろにリュークが座っていて、アリアを抱きしめる形になっている。

 そのリュークをチラリと後ろを振り返り顔を伺うと、いつもと違う表情をしている。

 うわぁ?

 真剣に前を見つめる顔がカッコイイ!!

「アリア、緊張しなくても大丈夫だ。ほろ、飛ぶぞ?」

 無口になって、固まってしまったアリアにリュークは優しく話しかけるが、問題はソコじゃないのだ。

 うわぁ~、今まで全く気にした事が無かったけど、リューク素敵だっ!!そりゃ、顔はイケメン部類で格好いいなとは思っていたけど。

 なんだろう?

 胸がドキドキする。

 後ろから抱きかかえられているのが、無性に落ち着かない。

 アリアは初めて空を飛ぶというのに、そんな事は頭の隅に追いやられ、ひたすらドキドキしている。その間に、グーはヒラリと空に舞い上がり、高度を上げていく。

「アリア、怖くないか?」

 左腕でアリアを抱きかかえ、右腕は手綱を掴んでいる。しかし、リュークはグーをニーグリップした脚で操っている様だ。

「グリフィンには脚で指示を出すの?手綱があるのに?」

「ああ、そうだ。戦う時には手に剣を持つ事も多いからな。だから、こうしても大丈夫だ」

 リュークは右手の手綱を手放し、両腕でアリアを抱きしめる。

「ちょっ!?リューク?」

「ははっ。ほら、大丈夫だろ?」

 リュークは笑っているが、アリアはそれどころじゃない。

 うわ~っ!

 抱きしめられてるっ!

 絶対に今、顔を見られる訳にはいかないわっ、顔、赤くなってそう!!

 どうしよう、私、リュークが好きなの!?

 ドキドキするっ!




 初めてグリフィンに乗ったにもかかわらず、アリアは空を満喫するどころか、リュークの腕や、背中に当たるリュークの胸しか頭
に残っていない。

 グーが地面に降り立ち、リュークはアリアを抱きかかえグーから飛び降りる。

「アリア、グーはどうだった?ん?顔が赤いな、熱が出たか?」

 リュークは顔が赤くなったアリアを心配そうに覗き込みながら、額に手を当て、熱がないか確認する。

「大丈夫か?医務室、行くか?」

 地面に下ろしたアリアを再び姫抱きし、リュークは歩き出す。またまたリュークの腕の中に包まれてしまったアリアは、がっしりした腕や頬に当たるリュークの胸が落ちつかない。しかも、視線を少しあげるだけで、キュッと一文字になった唇に目が引き寄せられてしまう。

「リュ・リューク!大丈夫だからっ」

 アリアは上擦った声を上げるが、リュークは聞き入れず、騎士塔内にある医務室にアリアを運んで行ったのだ。
 

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