29 / 44
第29話
しおりを挟む
――翌朝。
どうやらイアが【念話】で魔王と話をつけていたらしく、家の前では骸の馬が引く馬車が迎えに来ていた。
「わざわざ話もつけてくれてありがとな、イア」
「お安い御用」
「んじゃ、行ってくるよ」
「行ってらっしゃい」
イアに手を振った後、馬車の中にいたスケルトンに案内されて中に乗ってここを発った。
###
馬車に揺られること数分、外からは雷の音や地響きが聞こえてきた。
チラッと外を覗くと、そこは暗雲立ち込める空に、マグマが地面から溢れる大地の大陸が広がっている。しかし、マグマを避けるようにして建物が建てられている。
「ここが魔王の領地か。随分と発展してるんだな」
もうしばらく馬車に揺られ、ついに馬鹿でかい魔王城の入り口まで到着した。
「魔王様から話は聞いておりますアッシュ様。どうぞこちらに」
「こりゃどうも」
馬車の外から声が聞こえてて外を覗くと、そこには召使いのような人が佇んでいた。言われた通り外に出て魔王城の入り口に到着する。
『こちらについてきてください』と言われたのでついて行こうとしたのだが……後ろから誰かに不満げさをたんまり孕んだ声で呼ばれた。
『おい! 貴様がアッシュとやらだな』
「え、はぁ。そうです。誰ですか?」
『オレの名はベルゼデウス、二つの大罪を束ねる者であり、魔王軍幹部である四天王の一人だ。
オレは貴様を認めんぞ……。何処の馬の骨かも知らん、ゴミの掃き溜めに住む人間風情が』
後ろにいたのは、頭からは山羊のツノ、背中からは蝿の羽を生やしているベルゼデウスと名乗る謎の男だった。堅物そうだが、小物そうな雰囲気も感じ取れる。
僕から見たベルゼデウスさんとやらの率直な感想は、『羽虫』。多少なりとも強そうだがな。
「さいですか。では俺はこれにて……」
『待て! 貴様とはここで、一勝負してもらう。力量を測るためゆえ、半殺しにしても恨むな人間。ここは魔界だ』
ニヤリと不敵な笑みを浮かべるベルゼデウスさん。
要はあれだ、魔王様にスカウトされたのが気に食わなくって嫉妬し、僕をボコボコにしてストレス発散しようって魂胆だ。
『ここで暴れたら魔王様が来るだろう、だが貴様は無様に負けるのだ。これは魔王軍幹部であるオレからの命令だ。わかったな』
「……はぁい」
魔王軍幹部と言っていたし、重要な人(?)と見た。ここはおとなしくボコられて不祥事を起こさないようにしたほうがよさそうだ。スカウトの件も無しにされちゃうかもだし、引き受けるとしよう。
……今から始めるのは、そう――
――八百長試合だ。
『ケヒヒッ、では行くぞ!!!』
その後、僕はベルゼデウスとやらにボコボコにされ続けていた。
ま、身体を強化してるから大丈夫だけれども。
『ケヒヒッ! 雑魚が、雑魚がッ! ほ~らほら、貴様が大好きそうな魔界産泥水を顔面からかけてやるぞ。ケヒッ、多少は良い面になったなァ!』
騒ぎを聞きつけた野次馬たちが集まって僕らを観戦しており、哀れみの視線が送られる。
「――これは一体どういう状況か、説明をしろ」
その言葉とともにピリッと周囲が凍てつき、誰も動けなくなるくらいの威圧感が走る。
有象無象どもは少し足りとも動けていなかったが、ベルゼデウスはぎこちない体を動かして片膝をついた。
「あ、魔王だ」
騒ぎを聞きつけたのか、城の中からわざわざ魔王様がやってきていたのだ。
黒いローブはもう身につけておらず、その姿が露わとなっている。腰まで伸びる漆黒の髪をハーフアップにし、吸い込まれそうな紫水晶《アメシスト》の瞳、そして立派な角は天を穿つ勢いだった。
『魔王様ッ! このものが貴女様の配下にしようとしている噂を小耳に挟みました。しかし見てください今の体たらくをッ! こんななも間抜けで、ひ弱で、薄汚い人間を仲間にするなど――』
「黙れ、ベルゼデウス。貴様は一体何様だ? なんの命令も無しに、我の客人に手をかけるなど……!」
『ッ!?!?』
どうやら魔王様、相当怒っていらっしゃるようだ。殺気がビリビリと伝わってくる。
「貴様を四天王が一柱にしたのは間違いだったかもしれぬな。ここまで阿呆だったとは……」
『お、お待ちください魔王様ッ! 実際に今、オレより貧弱で使い物にならないことがはっきりしておりますッッ!!!』
「我にそのようなハッタリが通用すると思われるとは……舐められたものだ」
『違いますッ! 断じて違いますッッ!!!』
必死に言い訳をするベルゼデウスを横目にして、魔王様は僕の前にやってきて顔の泥を魔術で消す。そして手を差し伸べてきた。
頭の上のツノを隠せば、女神と見紛う人が現れるだろうというくらい美しい顔だ。
「全く……分身とはいえ我に勝った者だぞ。負けてもらっては困る、アッシュ」
「いや~、魔界の常識がわからないんで不祥事を起こすのではないかって思っちゃいまして」
「ククッ、それもそうだな。まず人間は魔界の常識を知ろうなんぞ思わぬからな」
「普通は、ですね」
「ふっ、貴様は確かに普通ではない」
『グギギグギグググ……ッッ!!!!』
僕と魔王か仲睦まじげに話すと、歯を鳴らして怒りを露わにするベルゼデウス。
「アッシュ」
「何ですか、魔王様」
「もう必要ない」
「えっ……?」
魔王から言われた言葉で、僕は素っ頓狂な声が漏れ出た。
僕はこの瞬間、あの八百長試合で金を稼いでいた頃と、ザムアの顔を思い出した。
「必要ないと言っている。力を隠す必要はない」
「!」
「ここは魔界、弱肉強食の世界だ。力を示せ、それがこの世界では美徳とされる行為だ」
……う~ん……。魔王様にそこまで言われちゃったら、仕方ないなぁ!
僕は魔王様の手を取り立ち上がり、ベルゼデウスに体を向けた。
「わかりましたよ魔王様、期待に答えましょうか。……あのー、ベルゼデウスさん」
『何だよ……ッ!』
ニヤリと口角を上げ、こう宣戦布告をした。
「――八百長試合を引き受けていたが、もう必要ないって言われたんで圧勝させてもらいますよ……!!」
どうやらイアが【念話】で魔王と話をつけていたらしく、家の前では骸の馬が引く馬車が迎えに来ていた。
「わざわざ話もつけてくれてありがとな、イア」
「お安い御用」
「んじゃ、行ってくるよ」
「行ってらっしゃい」
イアに手を振った後、馬車の中にいたスケルトンに案内されて中に乗ってここを発った。
###
馬車に揺られること数分、外からは雷の音や地響きが聞こえてきた。
チラッと外を覗くと、そこは暗雲立ち込める空に、マグマが地面から溢れる大地の大陸が広がっている。しかし、マグマを避けるようにして建物が建てられている。
「ここが魔王の領地か。随分と発展してるんだな」
もうしばらく馬車に揺られ、ついに馬鹿でかい魔王城の入り口まで到着した。
「魔王様から話は聞いておりますアッシュ様。どうぞこちらに」
「こりゃどうも」
馬車の外から声が聞こえてて外を覗くと、そこには召使いのような人が佇んでいた。言われた通り外に出て魔王城の入り口に到着する。
『こちらについてきてください』と言われたのでついて行こうとしたのだが……後ろから誰かに不満げさをたんまり孕んだ声で呼ばれた。
『おい! 貴様がアッシュとやらだな』
「え、はぁ。そうです。誰ですか?」
『オレの名はベルゼデウス、二つの大罪を束ねる者であり、魔王軍幹部である四天王の一人だ。
オレは貴様を認めんぞ……。何処の馬の骨かも知らん、ゴミの掃き溜めに住む人間風情が』
後ろにいたのは、頭からは山羊のツノ、背中からは蝿の羽を生やしているベルゼデウスと名乗る謎の男だった。堅物そうだが、小物そうな雰囲気も感じ取れる。
僕から見たベルゼデウスさんとやらの率直な感想は、『羽虫』。多少なりとも強そうだがな。
「さいですか。では俺はこれにて……」
『待て! 貴様とはここで、一勝負してもらう。力量を測るためゆえ、半殺しにしても恨むな人間。ここは魔界だ』
ニヤリと不敵な笑みを浮かべるベルゼデウスさん。
要はあれだ、魔王様にスカウトされたのが気に食わなくって嫉妬し、僕をボコボコにしてストレス発散しようって魂胆だ。
『ここで暴れたら魔王様が来るだろう、だが貴様は無様に負けるのだ。これは魔王軍幹部であるオレからの命令だ。わかったな』
「……はぁい」
魔王軍幹部と言っていたし、重要な人(?)と見た。ここはおとなしくボコられて不祥事を起こさないようにしたほうがよさそうだ。スカウトの件も無しにされちゃうかもだし、引き受けるとしよう。
……今から始めるのは、そう――
――八百長試合だ。
『ケヒヒッ、では行くぞ!!!』
その後、僕はベルゼデウスとやらにボコボコにされ続けていた。
ま、身体を強化してるから大丈夫だけれども。
『ケヒヒッ! 雑魚が、雑魚がッ! ほ~らほら、貴様が大好きそうな魔界産泥水を顔面からかけてやるぞ。ケヒッ、多少は良い面になったなァ!』
騒ぎを聞きつけた野次馬たちが集まって僕らを観戦しており、哀れみの視線が送られる。
「――これは一体どういう状況か、説明をしろ」
その言葉とともにピリッと周囲が凍てつき、誰も動けなくなるくらいの威圧感が走る。
有象無象どもは少し足りとも動けていなかったが、ベルゼデウスはぎこちない体を動かして片膝をついた。
「あ、魔王だ」
騒ぎを聞きつけたのか、城の中からわざわざ魔王様がやってきていたのだ。
黒いローブはもう身につけておらず、その姿が露わとなっている。腰まで伸びる漆黒の髪をハーフアップにし、吸い込まれそうな紫水晶《アメシスト》の瞳、そして立派な角は天を穿つ勢いだった。
『魔王様ッ! このものが貴女様の配下にしようとしている噂を小耳に挟みました。しかし見てください今の体たらくをッ! こんななも間抜けで、ひ弱で、薄汚い人間を仲間にするなど――』
「黙れ、ベルゼデウス。貴様は一体何様だ? なんの命令も無しに、我の客人に手をかけるなど……!」
『ッ!?!?』
どうやら魔王様、相当怒っていらっしゃるようだ。殺気がビリビリと伝わってくる。
「貴様を四天王が一柱にしたのは間違いだったかもしれぬな。ここまで阿呆だったとは……」
『お、お待ちください魔王様ッ! 実際に今、オレより貧弱で使い物にならないことがはっきりしておりますッッ!!!』
「我にそのようなハッタリが通用すると思われるとは……舐められたものだ」
『違いますッ! 断じて違いますッッ!!!』
必死に言い訳をするベルゼデウスを横目にして、魔王様は僕の前にやってきて顔の泥を魔術で消す。そして手を差し伸べてきた。
頭の上のツノを隠せば、女神と見紛う人が現れるだろうというくらい美しい顔だ。
「全く……分身とはいえ我に勝った者だぞ。負けてもらっては困る、アッシュ」
「いや~、魔界の常識がわからないんで不祥事を起こすのではないかって思っちゃいまして」
「ククッ、それもそうだな。まず人間は魔界の常識を知ろうなんぞ思わぬからな」
「普通は、ですね」
「ふっ、貴様は確かに普通ではない」
『グギギグギグググ……ッッ!!!!』
僕と魔王か仲睦まじげに話すと、歯を鳴らして怒りを露わにするベルゼデウス。
「アッシュ」
「何ですか、魔王様」
「もう必要ない」
「えっ……?」
魔王から言われた言葉で、僕は素っ頓狂な声が漏れ出た。
僕はこの瞬間、あの八百長試合で金を稼いでいた頃と、ザムアの顔を思い出した。
「必要ないと言っている。力を隠す必要はない」
「!」
「ここは魔界、弱肉強食の世界だ。力を示せ、それがこの世界では美徳とされる行為だ」
……う~ん……。魔王様にそこまで言われちゃったら、仕方ないなぁ!
僕は魔王様の手を取り立ち上がり、ベルゼデウスに体を向けた。
「わかりましたよ魔王様、期待に答えましょうか。……あのー、ベルゼデウスさん」
『何だよ……ッ!』
ニヤリと口角を上げ、こう宣戦布告をした。
「――八百長試合を引き受けていたが、もう必要ないって言われたんで圧勝させてもらいますよ……!!」
43
お気に入りに追加
827
あなたにおすすめの小説
転移した場所が【ふしぎな果実】で溢れていた件
月風レイ
ファンタジー
普通の高校2年生の竹中春人は突如、異世界転移を果たした。
そして、異世界転移をした先は、入ることが禁断とされている場所、神の園というところだった。
そんな慣習も知りもしない、春人は神の園を生活圏として、必死に生きていく。
そこでしか成らない『ふしぎな果実』を空腹のあまり口にしてしまう。
そして、それは世界では幻と言われている祝福の果実であった。
食料がない春人はそんなことは知らず、ふしぎな果実を米のように常食として喰らう。
不思議な果実の恩恵によって、規格外に強くなっていくハルトの、異世界冒険大ファンタジー。
大修正中!今週中に修正終え更新していきます!
修行マニアの高校生 異世界で最強になったのでスローライフを志す
佐原
ファンタジー
毎日修行を勤しむ高校生西郷努は柔道、ボクシング、レスリング、剣道、など日本の武術以外にも海外の武術を極め、世界王者を陰ながらぶっ倒した。その後、しばらくの間目標がなくなるが、努は「次は神でも倒すか」と志すが、どうやって神に会うか考えた末に死ねば良いと考え、自殺し見事転生するこができた。その世界ではステータスや魔法などが存在するゲームのような世界で、努は次に魔法を極めた末に最高神をぶっ倒し、やることがなくなったので「だらだらしながら定住先を見つけよう」ついでに伴侶も見つかるといいなとか思いながらスローライフを目指す。
誤字脱字や話のおかしな点について何か有れば教えて下さい。また感想待ってます。返信できるかわかりませんが、極力返します。
また今まで感想を却下してしまった皆さんすいません。
僕は豆腐メンタルなのでマイナスのことの感想は控えて頂きたいです。
不定期投稿になります、週に一回は投稿したいと思います。お待たせして申し訳ございません。
他作品はストックもかなり有りますので、そちらで回したいと思います
神の宝物庫〜すごいスキルで楽しい人生を〜
月風レイ
ファンタジー
グロービル伯爵家に転生したカインは、転生後憧れの魔法を使おうとするも、魔法を発動することができなかった。そして、自分が魔法が使えないのであれば、剣を磨こうとしたところ、驚くべきことを告げられる。
それは、この世界では誰でも6歳にならないと、魔法が使えないということだ。この世界には神から与えられる、恩恵いわばギフトというものがかって、それをもらうことで初めて魔法やスキルを行使できるようになる。
と、カインは自分が無能なのだと思ってたところから、6歳で行う洗礼の儀でその運命が変わった。
洗礼の儀にて、この世界の邪神を除く、12神たちと出会い、12神全員の祝福をもらい、さらには恩恵として神をも凌ぐ、とてつもない能力を入手した。
カインはそのとてつもない能力をもって、周りの人々に支えられながらも、異世界ファンタジーという夢溢れる、憧れの世界を自由気ままに創意工夫しながら、楽しく過ごしていく。
転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】
ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします
ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった
【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。
累計400万ポイント突破しました。
応援ありがとうございます。】
ツイッター始めました→ゼクト @VEUu26CiB0OpjtL
ごめんみんな先に異世界行ってるよ1年後また会おう
味噌汁食べれる
ファンタジー
主人公佐藤 翔太はクラスみんなより1年も早く異世界に、行ってしまう。みんなよりも1年早く異世界に行ってしまうそして転移場所は、世界樹で最強スキルを実でゲット?スキルを奪いながら最強へ、そして勇者召喚、それは、クラスのみんなだった。クラスのみんなが頑張っているときに、主人公は、自由気ままに生きていく
クラス転移で神様に?
空見 大
ファンタジー
集団転移に巻き込まれ、クラスごと異世界へと転移することになった主人公晴人はこれといって特徴のない平均的な学生であった。
異世界の神から能力獲得について詳しく教えられる中で、晴人は自らの能力欄獲得可能欄に他人とは違う機能があることに気が付く。
そこに隠されていた能力は龍神から始まり魔神、邪神、妖精神、鍛冶神、盗神の六つの神の称号といくつかの特殊な能力。
異世界での安泰を確かなものとして受け入れ転移を待つ晴人であったが、神の能力を手に入れたことが原因なのか転移魔法の不発によりあろうことか異世界へと転生してしまうこととなる。
龍人の母親と英雄の父、これ以上ない程に恵まれた環境で新たな生を得た晴人は新たな名前をエルピスとしてこの世界を生きていくのだった。
現在設定調整中につき最新話更新遅れます2022/09/11~2022/09/17まで予定
異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜
KeyBow
ファンタジー
間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。
何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。
召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!
しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・
いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。
その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。
上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。
またぺったんこですか?・・・
『殺す』スキルを授かったけど使えなかったので追放されました。お願いなので静かに暮らさせてください。
晴行
ファンタジー
ぼっち高校生、冷泉刹華(れいぜい=せつか)は突然クラスごと異世界への召喚に巻き込まれる。スキル付与の儀式で物騒な名前のスキルを授かるも、試したところ大した能力ではないと判明。いじめをするようなクラスメイトに「ビビらせんな」と邪険にされ、そして聖女に「スキル使えないならいらないからどっか行け」と拷問されわずかな金やアイテムすら与えられずに放り出され、着の身着のままで異世界をさまよう羽目になる。しかし路頭に迷う彼はまだ気がついていなかった。自らのスキルのあまりのチートさゆえ、世界のすべてを『殺す』権利を手に入れてしまったことを。不思議なことに自然と集まってくる可愛い女の子たちを襲う、残酷な運命を『殺し』、理不尽に偉ぶった奴らや強大な敵、クラスメイト達を蚊を払うようにあしらう。おかしいな、俺は独りで静かに暮らしたいだけなんだがと思いながら――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる