22 / 44
第22話
しおりを挟む
受付嬢から仮の冒険者カードを受け取り、シアンから話を聞くことになった。
「冒険者が仕事したいときはまず、あそこのボードに貼られている紙を見ます。そこで自分に見合った内容や報酬金の多いものなどを確認し、したい依頼の紙を手にとって受付嬢に渡す。と言った具合です!」
「そう考えたら中々自由度が高い……というか、自主性が求められるってわけか」
件のボードに向かい、ざっとクエストを見比べる。
魔物退治や薬草採取、さらには家で猫探し。他にもダンジョン探索や素材納品など、言っていたとおり多種多様なクエストがあった。
「早速何か頼んでみますかー?」
「そうだな、せっかくだしお前の修行を兼ねて数個やってみるか」
「わ~いっ!」
ボードに張り出されている紙を数枚手に取り、受付嬢さんに手渡して受理してもらった。受注したクエストは4つだ。
1:回復薬の納品。
2:魔獣の素材納品。
3:黒顎蟲の巣攻略。
4:不可解な迷路攻略。
後半二つは『ダンジョン』と呼ばれる、魔王が作った迷路のようなところを攻略するクエストだ。
ダンジョンからは魔物が大量に発生するので、内部にある心臓部を破壊するのが大まかな目的だ。
魔獣の素材納品は、魔獣を倒すついでにシアンに稽古をつけるといった具合だ。
「まずはどのクエストから行くんですか?」
「そうだな……。シアン、お前は魔術を使うか?」
「はい! 基本的に剣ですけど、魔術も色々使えます!」
「ならまずは黒顎蟲の巣に行こう。そこで魔術について色々教える」
「了解しました! えへへ、修業だ~♪」
鼻歌まで歌い始めるほどご機嫌なシアン。
そんなシアンを近づけ、【空間転移】でギルドを発ち、ダンジョンのすぐ近くまで転移した。
周囲は木々が全くないが、天にそびえ立つ茶色の三角柱が目に入った。山かと思うほどのコレこそがダンジョンらしい。
「この黒顎蟲の巣というダンジョンはめぼしいものも無いわ魔物の蟻も強いわで早く壊してほしいとのことですよ?」
「ふーん。じゃあ丁度いいな」
内部を鑑定したところ、数百万という魔物がいることがわかった。ジャイアントアントという巨大な蟻の魔物だが、ここまで多いと気持ち悪い。
「人はいないな……よし。シエル」
「はいっ?」
「一回魔術を見せてくれ。初級魔術でいいから」
「もちろんです! 行きますよ~? 【ウォーターボール】!」
ポンッと音を立てて水の玉が放出される。
ただのウォーターボールだが、中々質の良い魔術だ。これだったら教えることは少ないし、すぐ終わりそうだ。
「悔しいが良い出来だな」
「本当ですか!? ボクは褒めると伸びるタイプなのでもっと褒めてください!!」
「……はいはい。ヨーシヨシ、すごいぞシエル、偉いぞシエル」
『ヒャ~♡』と声を上げ、目を瞑って嬉しそうにするシエル。
生意気に口答えする奴だったら鬼畜コースにしようと思ってたが、こいつなら大丈夫そうだ。
「今から教えることは予備知識として覚えてもらおう。
……まず、魔術はその魔術名を発し、回路を展開することで発生する。だが、その魔術の詠唱をすることで威力が2倍になるんだ」
「に、2倍!? 詠唱でですか!?」
「あぁ。昔は詠唱魔術が基本だったが、今ではそれをする人は限りなく少なくなったらしいけどね」
詠唱破棄にはメリットがあるが、詠唱することで得られるメリットももちろんある。
けどまぁ、いかんせん発動までに時間がかかるから使われなくなったというのが主流だろう。
「実際に見た方が早いだろうから、早速見せようか」
「え? ダンジョンに入らないんですか?」
「ん? なんでダンジョンにわざわざ入る必要があるんだ?」
「ん~???」
「まぁいいから見とけって。あと危ないから僕に掴まってて」
「わぷ」
シアンを抱き寄せた後、そびえ立つ茶色のダンジョンに手をかざしてぶつぶつと詠唱をし始める。
「〝黒絹に咲くは零の華。黒洞々たる万喰の渦、今此処に顕れよ〟。
壊星魔術――【黝】」
詠唱終了後、ダンジョンのてっぺんに太陽を飲み込むが如く巨大な黒い球体が現れる。その球体は地面を抉り、そしてダンジョンを破壊し、光さえも吸い込み始めた。
試合の時にイアが見せた【黝】とは比べられないものだ。これが完全詠唱の魔術。
「き、傷つけることすらできないはずのダンジョンが壊された……!!?」
瞠目させて目の前の光景を見ているシアン。これくらいで驚くとは、本当に魔王を討伐する気があるのだろうか?
地面は巨大なクレーターが出来上がり、半径一キロ圏内何も無い空間になっている。それだけだ。
「やっぱ数十年間高度な魔術を使わないと腕が鈍るなぁ。シアンは毎日魔術の特訓をするように。今の【黝】だって、きちんと継続して特訓してたら100倍の威力は出たよ」
「ひゃ、ひゃくばいぃ……!?』
そう思えば、あの試合でよくあそこまで戦えたなぁ。まぁイアも魔王も手加減はしてくれていたみたいだったしな。
あんぐりと口を開けてドロドロと溶け出すシアンだが、修行は始まったばかりだ。ちゃ~んと修行をしてあげようか……!
僕の口角が少し上がると、シエルはぶるるっと身震いをした。
「冒険者が仕事したいときはまず、あそこのボードに貼られている紙を見ます。そこで自分に見合った内容や報酬金の多いものなどを確認し、したい依頼の紙を手にとって受付嬢に渡す。と言った具合です!」
「そう考えたら中々自由度が高い……というか、自主性が求められるってわけか」
件のボードに向かい、ざっとクエストを見比べる。
魔物退治や薬草採取、さらには家で猫探し。他にもダンジョン探索や素材納品など、言っていたとおり多種多様なクエストがあった。
「早速何か頼んでみますかー?」
「そうだな、せっかくだしお前の修行を兼ねて数個やってみるか」
「わ~いっ!」
ボードに張り出されている紙を数枚手に取り、受付嬢さんに手渡して受理してもらった。受注したクエストは4つだ。
1:回復薬の納品。
2:魔獣の素材納品。
3:黒顎蟲の巣攻略。
4:不可解な迷路攻略。
後半二つは『ダンジョン』と呼ばれる、魔王が作った迷路のようなところを攻略するクエストだ。
ダンジョンからは魔物が大量に発生するので、内部にある心臓部を破壊するのが大まかな目的だ。
魔獣の素材納品は、魔獣を倒すついでにシアンに稽古をつけるといった具合だ。
「まずはどのクエストから行くんですか?」
「そうだな……。シアン、お前は魔術を使うか?」
「はい! 基本的に剣ですけど、魔術も色々使えます!」
「ならまずは黒顎蟲の巣に行こう。そこで魔術について色々教える」
「了解しました! えへへ、修業だ~♪」
鼻歌まで歌い始めるほどご機嫌なシアン。
そんなシアンを近づけ、【空間転移】でギルドを発ち、ダンジョンのすぐ近くまで転移した。
周囲は木々が全くないが、天にそびえ立つ茶色の三角柱が目に入った。山かと思うほどのコレこそがダンジョンらしい。
「この黒顎蟲の巣というダンジョンはめぼしいものも無いわ魔物の蟻も強いわで早く壊してほしいとのことですよ?」
「ふーん。じゃあ丁度いいな」
内部を鑑定したところ、数百万という魔物がいることがわかった。ジャイアントアントという巨大な蟻の魔物だが、ここまで多いと気持ち悪い。
「人はいないな……よし。シエル」
「はいっ?」
「一回魔術を見せてくれ。初級魔術でいいから」
「もちろんです! 行きますよ~? 【ウォーターボール】!」
ポンッと音を立てて水の玉が放出される。
ただのウォーターボールだが、中々質の良い魔術だ。これだったら教えることは少ないし、すぐ終わりそうだ。
「悔しいが良い出来だな」
「本当ですか!? ボクは褒めると伸びるタイプなのでもっと褒めてください!!」
「……はいはい。ヨーシヨシ、すごいぞシエル、偉いぞシエル」
『ヒャ~♡』と声を上げ、目を瞑って嬉しそうにするシエル。
生意気に口答えする奴だったら鬼畜コースにしようと思ってたが、こいつなら大丈夫そうだ。
「今から教えることは予備知識として覚えてもらおう。
……まず、魔術はその魔術名を発し、回路を展開することで発生する。だが、その魔術の詠唱をすることで威力が2倍になるんだ」
「に、2倍!? 詠唱でですか!?」
「あぁ。昔は詠唱魔術が基本だったが、今ではそれをする人は限りなく少なくなったらしいけどね」
詠唱破棄にはメリットがあるが、詠唱することで得られるメリットももちろんある。
けどまぁ、いかんせん発動までに時間がかかるから使われなくなったというのが主流だろう。
「実際に見た方が早いだろうから、早速見せようか」
「え? ダンジョンに入らないんですか?」
「ん? なんでダンジョンにわざわざ入る必要があるんだ?」
「ん~???」
「まぁいいから見とけって。あと危ないから僕に掴まってて」
「わぷ」
シアンを抱き寄せた後、そびえ立つ茶色のダンジョンに手をかざしてぶつぶつと詠唱をし始める。
「〝黒絹に咲くは零の華。黒洞々たる万喰の渦、今此処に顕れよ〟。
壊星魔術――【黝】」
詠唱終了後、ダンジョンのてっぺんに太陽を飲み込むが如く巨大な黒い球体が現れる。その球体は地面を抉り、そしてダンジョンを破壊し、光さえも吸い込み始めた。
試合の時にイアが見せた【黝】とは比べられないものだ。これが完全詠唱の魔術。
「き、傷つけることすらできないはずのダンジョンが壊された……!!?」
瞠目させて目の前の光景を見ているシアン。これくらいで驚くとは、本当に魔王を討伐する気があるのだろうか?
地面は巨大なクレーターが出来上がり、半径一キロ圏内何も無い空間になっている。それだけだ。
「やっぱ数十年間高度な魔術を使わないと腕が鈍るなぁ。シアンは毎日魔術の特訓をするように。今の【黝】だって、きちんと継続して特訓してたら100倍の威力は出たよ」
「ひゃ、ひゃくばいぃ……!?』
そう思えば、あの試合でよくあそこまで戦えたなぁ。まぁイアも魔王も手加減はしてくれていたみたいだったしな。
あんぐりと口を開けてドロドロと溶け出すシアンだが、修行は始まったばかりだ。ちゃ~んと修行をしてあげようか……!
僕の口角が少し上がると、シエルはぶるるっと身震いをした。
33
お気に入りに追加
828
あなたにおすすめの小説
死んで全ての凶運を使い果たした俺は異世界では強運しか残ってなかったみたいです。〜最強スキルと強運で異世界を無双します!〜
猫パンチ
ファンタジー
主人公、音峰 蓮(おとみね れん)はとてつもなく不幸な男だった。
ある日、とんでもない死に方をしたレンは気づくと神の世界にいた。
そこには創造神がいて、レンの余りの不運な死に方に同情し、異世界転生を提案する。
それを大いに喜び、快諾したレンは創造神にスキルをもらうことになる。
ただし、スキルは選べず運のみが頼り。
しかし、死んだ時に凶運を使い果たしたレンは強運の力で次々と最強スキルを引いてしまう。
それは創造神ですら引くほどのスキルだらけで・・・
そして、レンは最強スキルと強運で異世界を無双してゆく・・・。
フリーター転生。公爵家に転生したけど継承権が低い件。精霊の加護(チート)を得たので、努力と知識と根性で公爵家当主へと成り上がる
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
400倍の魔力ってマジ!?魔力が多すぎて範囲攻撃魔法だけとか縛りでしょ
25歳子供部屋在住。彼女なし=年齢のフリーター・バンドマンはある日理不尽にも、バンドリーダでボーカルからクビを宣告され、反論を述べる間もなくガッチャ切りされそんな失意のか、理不尽に言い渡された残業中に急死してしまう。
目が覚めると俺は広大な領地を有するノーフォーク公爵家の長男の息子ユーサー・フォン・ハワードに転生していた。
ユーサーは一度目の人生の漠然とした目標であった『有名になりたい』他人から好かれ、知られる何者かになりたかった。と言う目標を再認識し、二度目の生を悔いの無いように、全力で生きる事を誓うのであった。
しかし、俺が公爵になるためには父の兄弟である次男、三男の息子。つまり従妹達と争う事になってしまい。
ユーサーは富国強兵を掲げ、先ずは小さな事から始めるのであった。
そんな主人公のゆったり成長期!!
人気MMOの最恐クランと一緒に異世界へ転移してしまったようなので、ひっそり冒険者生活をしています
テツみン
ファンタジー
二〇八✕年、一世を風靡したフルダイブ型VRMMO『ユグドラシル』のサービス終了日。
七年ぶりにログインしたユウタは、ユグドラシルの面白さを改めて思い知る。
しかし、『時既に遅し』。サービス終了の二十四時となった。あとは強制ログアウトを待つだけ……
なのにログアウトされない! 視界も変化し、ユウタは狼狽えた。
当てもなく彷徨っていると、亜人の娘、ラミィとフィンに出会う。
そこは都市国家連合。異世界だったのだ!
彼女たちと一緒に冒険者として暮らし始めたユウタは、あるとき、ユグドラシル最恐のPKクラン、『オブト・ア・バウンズ』もこの世界に転移していたことを知る。
彼らに気づかれてはならないと、ユウタは「目立つような行動はせず、ひっそり生きていこう――」そう決意するのだが……
ゲームのアバターのまま異世界へダイブした冴えないサラリーマンが、チートPK野郎の陰に怯えながら『ひっそり』と冒険者生活を送っていた……はずなのに、いつの間にか救国の勇者として、『死ぬほど』苦労する――これは、そんな話。
*60話完結(10万文字以上)までは必ず公開します。
『お気に入り登録』、『いいね』、『感想』をお願いします!
ド田舎からやってきた少年、初めての大都会で無双する~今まで遊び場にしていたダンジョンは、攻略不可能の規格外ダンジョンだったみたい〜
むらくも航
ファンタジー
ド田舎の村で育った『エアル』は、この日旅立つ。
幼少の頃、おじいちゃんから聞いた話に憧れ、大都会で立派な『探索者』になりたいと思ったからだ。
そんなエアルがこれまでにしてきたことは、たった一つ。
故郷にあるダンジョンで体を動かしてきたことだ。
自然と共に生き、魔物たちとも触れ合ってきた。
だが、エアルは知らない。
ただの“遊び場”と化していたダンジョンは、攻略不可能のSSSランクであることを。
遊び相手たちは、全て最低でもAランクオーバーの凶暴な魔物たちであることを。
これは、故郷のダンジョンで力をつけすぎた少年エアルが、大都会で無自覚に無双し、羽ばたいていく物語──。
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
復讐完遂者は吸収スキルを駆使して成り上がる 〜さあ、自分を裏切った初恋の相手へ復讐を始めよう〜
サイダーボウイ
ファンタジー
「気安く私の名前を呼ばないで! そうやってこれまでも私に付きまとって……ずっと鬱陶しかったのよ!」
孤児院出身のナードは、初恋の相手セシリアからそう吐き捨てられ、パーティーを追放されてしまう。
淡い恋心を粉々に打ち砕かれたナードは失意のどん底に。
だが、ナードには、病弱な妹ノエルの生活費を稼ぐために、冒険者を続けなければならないという理由があった。
1人決死の覚悟でダンジョンに挑むナード。
スライム相手に死にかけるも、その最中、ユニークスキル【アブソープション】が覚醒する。
それは、敵のLPを吸収できるという世界の掟すらも変えてしまうスキルだった。
それからナードは毎日ダンジョンへ入り、敵のLPを吸収し続けた。
増やしたLPを消費して、魔法やスキルを習得しつつ、ナードはどんどん強くなっていく。
一方その頃、セシリアのパーティーでは仲間割れが起こっていた。
冒険者ギルドでの評判も地に落ち、セシリアは徐々に追いつめられていくことに……。
これは、やがて勇者と呼ばれる青年が、チートスキルを駆使して最強へと成り上がり、自分を裏切った初恋の相手に復讐を果たすまでの物語である。
公国の後継者として有望視されていたが無能者と烙印を押され、追放されたが、とんでもない隠れスキルで成り上がっていく。公国に戻る?いやだね!
秋田ノ介
ファンタジー
主人公のロスティは公国家の次男として生まれ、品行方正、学問や剣術が優秀で、非の打ち所がなく、後継者となることを有望視されていた。
『スキル無し』……それによりロスティは無能者としての烙印を押され、後継者どころか公国から追放されることとなった。ロスティはなんとかなけなしの金でスキルを買うのだが、ゴミスキルと呼ばれるものだった。何の役にも立たないスキルだったが、ロスティのとんでもない隠れスキルでゴミスキルが成長し、レアスキル級に大化けしてしまう。
ロスティは次々とスキルを替えては成長させ、より凄いスキルを手にしていき、徐々に成り上がっていく。一方、ロスティを追放した公国は衰退を始めた。成り上がったロスティを呼び戻そうとするが……絶対にお断りだ!!!!
小説家になろうにも掲載しています。
俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる
十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる