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kobito

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kobito


小人

「うわー!なんでおっかけてくるのー?!」

「うるせぇ!!お前がおれたちのはちみつパーティを台無しにしたんだろ!!」

「落とし前はつけてもらうぞ!!このぱんぱんパーティーがな!!」

 僕は花びらの花弁を踏んでジャンプする。昔から走り回るのは得意だったのが幸いした。
 
 いつもはちみつで羽虫を食べる同好会があると聞いて、様子を見てみたのだが、、彼らがはちみつから目を話しているうちに、少し味見したくなっただけなのに・・!!間違えてこぼしてしまったのだ。
 
 それにプンプンとおこった彼らは、僕を捕まえてむしゃむしゃしてしまうかもしれない。ううー、こわい。
 
 でも、もしかしてはちみつとかを付けて食べられるのかな・・?
 それはそれで・・むふふ、しあわせそー。
 
「うぇへへ」

 そう言って僕は妄想していたのが幸いしていた。ここはいつもとおるみちで、その蕾の中は外側からでもシルエットが分かるというのに・・
 
 つぼみのなかに突っ込んで僕は目を見開いた。
 
「きゃー!!」

「え?」

 そこには別の小人たちが、お着替えをしている最中だったのだ。ハダカのままで胸を隠して、彼らはこちらを親の仇のように睨んでいる。
 
「え、えっと、これは・・」

「裂いてー」

「うっ」

 そこには不運なことに、僕が気になっている子もいたのである。ぐぐぐ・・。
 
「ご、ごめん!!本当にごめん!!でも違うんだわざとじゃないって!ね?」

「ほんとお?」

「ほんとだよぉ。だって、君可愛いし」

「・・っふふふ」

 僕はほほえんでおべっかを使う。これでもモテるほうなのだ。彼女たちは頬を染めていく。

 あと少し余裕があれば、許してもらえたかもしれない。
 
 しかし不運中の不運。そこに奴らが到達してきたのだ。

「おい!!隠れても無駄だぞ!!ここに入ったのは見ているんdあ!!」

「さあ!!はちみつ弁償してもら・・」

 どかどかと追跡者が蕾の中に入ってくる。
 
「あ・・・」

 そして目を開く。
 
「・・っ!!」

 一転、彼女たちは恥辱にまみれた顔で、拳を握ったのだ。
 
「やっぱりさいてー!!」
 
「「あーれー!!」」










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