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チューブ

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「早く逃げろ!!」

 今、僕らは追手から逃れている。
 
 そう、ここは秘密組織の施設の中。
 
 捕獲された僕らは奴らの目を盗んで逃げているのである。
 
 しかし、行き止まりに到着した。
 
「くっ・・!!これまでか・・」

「いや、まだ手はある」

 そこにはダクトのような丸い通路があった。

「チューブの中を通らなければいけない!」

「こんな狭いところを・・」

 お姉さんが嫌な顔をしたが、しかし他に手はない。
 
「入るぞ!!」

「先に行ってよ!!」

 というわけで入った。
 
 少し暗くて怖かったが、しかし次第に慣れてくると、何故か落ち着いてくる。
 
「この安心感・・」

 そう、人は狭いところが好きと言われている。それは大昔の本能がそうさせるのだろうか?
 
「うーん、いいぞ」

「奇遇だな。私もだ」

「ここなラ何日でもすごせそうよ」

 そう、僕の他にもそう思うみたいだった。集団心理というやつだろうか?人は時に大胆になるものだ
 
 というわけで僕らはここで三日位、チューブの中で過ごした。
 
「いくら過ごしやすいと言っても、そろそろおなかがすいてきたわね」

「そろそろ出るか」

 というわけで出た。幸運にも出口はもう見つかっている。ここが過ごしやすかったので出なかっただけの話だ。
 
 すると・・「こ、これは・・!」

 体が円柱状に成っていた。なんということだ!!
 
「まあ、暇を見つけて休日にはここにハマっておくわ」









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