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襲いかかる緑の魔の手!今日のドリアードは明日の痴女!

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 そしてそんな高度なバトルに周囲の注目も集まる。モンスターもほぼ数を減らして、余裕が出てきたくまやドリアードたちである。

「おい、、あいつら、、腹の上で戦っているくま、、!」

「うおおお!!みれるくまー!ジャスティス子さんの本気がみれるくまー!」
 
「リドリーったら、、あの様子じゃあの娘とくまの精液を取り合っているようね、、」

「ふふっ、くまのだなんて、、やっぱりあの子は変わっているわね」

「そうそう、よりにもよってくまのだなんて、、」

「うけるよねー!」

 彼女たちは自分たちを棚に上げてリドリーを変態あつかいしていた。まあ、異常な中では異常なのが正常とは良く行ったものだが。

 しかし、彼女たちもサキュバスの亜種である。
 確かに今まで飲んできた人族ではなく、飲んだことの無いくま種族だが、精子には違いあるまい。

 気になったドリアードが一人ぼそりとつぶやいた。

「そうだな。しかし、少し気になるのだが、実際どんな味なんだろうな?」

「、、、、え?」

「飲んだ人なんているのぉ?」

「おい、感想を聞きたいのだが、、誰かくまのザーメンを飲んだ奴はいないのか?」

 その疑問に答えたドリアードは、

「「、、、、」」
 
 皆無だった。

 そう、それは簡単な話だった。いやコペルニクス的転回、あるいはコロンブスの卵というべきか。

 別にそれをするのに不都合な理由があるわけではなかった。ただ皆思いつかなかっただけである。

 そう、すぐそこの至るところにちんちんかあるというのに、彼女たちは偽りのディルドを集めていたのだった。

 となれぱ、、やることはただ一つだけであった。

ーー

「くまー!!」

「、、む?」

 何やらすぐ近くでくまの叫び声を聞いて俺はそこを視界の端で捉える。

 そして俺は信じられない気持ちでそれを目撃したのだ。

「なっ!」

 そう、味方のはずのドリアードたちがくまを押し倒し馬乗りになっているではないかっ!

 そう。確かにくまは力の強い。だがドリアードには触手、トレントによる拘束、あるいは魔法などといったいやらしい武器があるのである。

 そして何よりいきなり妙な気配(性欲)を向けられて困惑するくま、対して精力旺盛の痴女たち。押し切られてしまうのは当然なのだった。

 なんてやつらだ、、!彼らは純粋でピュア。味方のはずのドリアードを疑いもしなかっただろう。そんな彼らにこれはあんまりではないかっ!?

「待てっ!みんなっ!お前らの目的はディルドだろっ!?
 だったらもう目的は達成したはずだろっ!そのディルドを使えばもう満足できるはずだ、、!だったらなぜ、、!」

 そんな俺の必死の説得に、彼女たちの反応は冷たい。

「おいおい、リドリー、何言ってんだお前」

「こんな資源をなぜ今までだまっていた?」

「うっ、、それは」

「ソレにオレはディルド獲得してないぞー!ずるいぞー!一人何本も取る奴もいるぞー!」

「だったら本物を咥えるしかないじゃない!!」

「ぐむむ、、」

 しょうがない。彼女たちの説得は難しいだろう。現に俺の発言を無視して既に咥えているやつもいるしっ!

「たすけくまー!」「くまー!」

 俺は彼らを見捨てることなどできん!

 俺は魔法、そしてこのくま装備の力をふんだんにつかい、ドリアードたちを倒そうとした。

 だがしかし無駄だった。

「アンチばりあっ!」「瞬間栽培っ!」

 奴らは俺にも劣らない使い手、、!魔力をかき消す術、植物を操る術などを使い、攻撃を打ち消し、反撃してきた。

「ぐふっ!」

 とっさに装備の力で体を強化しなければ数分は身悶えでいただろう。俺はふっ飛ばされた。

 かろうじていくつかは助け出せたが、次第にこいつらは俺というの共通の敵を見つけた感覚で協力し合い始めたのだ!

「くま~!」

「しょうがない、、あいつらは見捨てるしかない!」

「でもくま、、!」

「いいくま!おまえらとジャス子さんは早く群れを連れて逃げるくま~!」

「くっ、みんな、、すまないっ!くっそー!お前ら!覚えてろよー!」

「おっ、逃げたか、、それじゃあ私たちは楽しもうぞ!」

 そう言って再びくまの上に跨がり食事を再開した。

 ぐぬぬ、、あいつらを犠牲にしてしまったことは誠に遺憾だ。 情けないリーダーですまない、、。
 だがこのおかげで残りのくまたちを逃がすことができる、、あいつらの気が変わらないうちに、、!

 と思っていると、

「待てよ?なんか他にも群れがいるとか今言ってなかった?!」

「ってことはまだまだアイツが仲いいくまがいるってこと?」

「言ってたはず!追うぞ!」

 そんな感じで追ってくる変態もいる。
 くそがー!
 まあ見方を変えるならば、囮役となったくまのおかげでその数は半減していたという方が良いだろう。ならば犠牲となった彼らの精子も無駄ではないということだっ!

 しかしそこからの逃走劇も涙なしにはいられないほどだった。

「ぐへへ~!待ちなさーい!」 

 背後からまるでおいかけっこを楽しむが如き声!

「ぐっ、、!痴女がすぐそこまで、、、」

「ジャスティス子さん、、」

「む?!なに立ち止まっている!?あいつらに犯されたいのか!?」

「ジャス子さん、、今までありがとくま、、!」

「な、何言ってんだよモブくま、、!?」

「ここは俺達が抑えるくま!お前らは先にいくま!」

「ばかやろうっ!お前たち!そんなことして俺が喜ぶとでも、、!」

「大丈夫くま。むざむざ犠牲になるつもりはないくま。全員倒してからすぐに追いかけるくま」

「やめろおまえら!やめやめろ!!いくなーーー!」

 そう言って俺たちが逃げる方向とは逆に行ってしまった部隊。

 だが、背後から「くまー!?」「ふえー!!」「止まるんじゃないくまー!」という叫び声がいくつも聞こえたのは俺の幻聴だと信じたい、、っ!

 いや、犠牲になったのだ。古き王道展開、その犠牲にな。

 まあそんな犠牲も払いつつ、俺たちは残りの群れを率いて追手をまくことに成功したのだ。

 しかし忘れてはならない。この最小限の犠牲で済んだのは、彼ら名も無き(知らない)くまたちの功績なのだ、、!

 モブくま数十名に、、敬礼っ!(マモレナカッタ、、)
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